「今年はこのままで終わりたくない、辛いこともたくさんあったけど、最後はお祭りにしたい」……メンバーのそんな強い思いで実現した年末の 2DAYSライブ（flumpool Special Live 2011「Present~ありがとう祭り！今宵は歌おう！踊り尽くそう！~」~Day of proof“証”~10日、~Day of promise“約束”~11日）。2日目の日曜日、~Day of promise“約束”~の日を取材させてもらった。彼らの思いはどのように表現されているのだろう。会場に入ると、メインステージから花道が延びており、アリーナ席の真ん中に小さいステージが設置されている。広い会場を活かし、かなり動きのあるパフォーマンスになるであろうことが予想できた。

そして、場内の照明が落ちた瞬間、そこからflumpoolによるクリスマスマジックは始まっていたのである。鈴の音とともにサンタに扮したピエロがステージに現れたかと思うと、手にした風船が彼の手を離れ……そして1曲目の「Happy Xmas(War Is Over)」で本編がスタート。最新シングル「Present」にも収録されたジョン・レノンのカバーソングだ。合唱隊も参加し、非常に豪華なオープニングとなった。一瞬にしてクリスマス気分が盛り上がり、続く「花になれ」「Quville」のアッパーチューンでは観客を暖めていく。
「さいたま！　会いたかったぜ！　（まだ）3曲ですけど、みんなもう最高です！　ありがとう！」とボーカルの山村隆太も、冒頭から興奮気味。

そして「悩み事とかいろんなことを乗り越えて、こうやって会えたことをホントに嬉しく思います。今日は僕らからの思いっきりのプレゼントを受け取って帰ってください」と続けた。その後も次々のバンドの代表曲が披露されていく。
中盤では2nd Album「Fantasia of Life Stripe」に収録されているウィンターソング「Snowy Nights Serenade~心までも繋ぎたい~」もプレイ。演奏中に天上から雪が降るという冬らしい演出が光っていた。

　中盤のMCでは“メンバーのことをよく知ってもらうため”と、山村が次々にメンバーの卒業文集の一節を紹介。子供らしい（？）ツッコミどころ満載の内容に場内大ウケ。この楽しい暴露のあとは、再びライブモードへ。最新曲「Present」では、計2万個もの赤い風船が大量に降るというサプライズも。その後、ライブは「reboot~あきらめない詩~」から佳境に。会場のほとんどのファンが、シングル「Present」の初回完全限定生産盤についていた“わっしょいTENUGUI”を手にして振り回しながら盛り上げる。この光景を見ながら、バンドが提案した「お祭りにしたい」という企画が見事に大成功だったと確信する。後半に向かい、ヘヴィーチューンの「覚醒アイデンティティ」や「MW~Dear Mr.&Mrs.ピカレスク~」で、どんどんテンションを上げ、本編最後の「夏Dive」では、冬を忘れそうなほどの熱気に包まれた。心に響くメッセージが込められた「どんな未来にも愛はある」で本編のラストを飾り、アンコール1曲目で「君に届け」を届けたあと、最後の最後に用意されていたのが「証」。ステージには合唱隊、ストリングスと、この日の参加メンバーが総動員される。奇しくも今年の漢字である“絆”について歌われるこの曲は、ライブのラストナンバーとして完璧にハマッていた。客席からも「ありがとう！」という声が飛び、心暖まるエンディングとなった。

こうしてflumpoolからの音楽によるプレゼントは、満員のオーディエンスにもれなく届いたに違いない。続く2012年、彼らは約4ヶ月に及ぶ全国ツアーで各地を細かく回ると発表している。さいたまの2日間で得たパワーを、彼らはこれからも“Present”し続けてくれそうだ。

【 取材・文：海江敦士 】