5月28日にリリースした最新シングル『太陽と花』のリリースを記念したフリーライブ。東京での会場はダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場。素晴らしい晴天に恵まれ、真夏日となったこの日、明るい太陽光線に包まれた屋外の空間に、約2500人のファンが集まった。13時となり、原寸大ガンダム像が見下ろしているステージ上に、高橋優がバンドメンバーたちと一緒に登場。オープニングSEに合わせて手拍子をする観客の熱気が、早くもすさまじい。「高橋優です。よろしくお願いします。早速、聴いて頂きたいと思います！」と挨拶をして、1曲目に披露されたのは「太陽と花」。情熱的なエレキギターのリフが轟き、バンドが一丸となって刻むシャープなビートが躍動していく。アコースティックギターを力強く掻き鳴らしながら歌声を響かせる高橋。全力で放たれるサウンドを浴びた観客は、みるみる内に興奮を露わにして身体を揺らし始めた。

　「改めましてこんにちは。高橋優です。今日は11枚目のシングルのリリース記念です。お越し頂き、ありがとうございます。暑いですね。暑い中、早くから来てくださった方もいると聞いてます。とても嬉しい限りですが“高橋優のフリーライブで熱中症”とかでニュースには載りたくないです（笑）。水分補給を怠らず、涼しい方向へ。でも、心の中では東京で一番暑い時間を過ごしましょう！」というMCを挟んで2曲目「以心伝心」。すがすがしい牧歌的なテイストのサウンドが心地よい。フィンガーピッキングで柔らかな音色を奏でながら歌う高橋の顔から爽やかな笑みがこぼれる。そんな姿を見つめながら、観客は温かい手拍子で応えたのであった。

　「元気は残ってますか？　見えてますよ、後ろの方も。一緒に叫ぼうぜ、東京！」と煽り、勢い良くスタートした3曲目「パイオニア」。腕を振り上げながら踊る観客の熱気がますますすごい。頭上で激しく打ち鳴らされる手拍子がステージ上から届けられるサウンドと一体となり、会場全体を震わせる。沸き立つようなそんな光景に刺激され、高橋も一層アグレッシブにギターをストロークして歌声を響かせていた。「久しぶりに同じ空の下で過ごせて楽しいです。これからもみなさんと会うためにいろんな手段を講じたいと思います。みなさんそれぞれに日常でいろんなことがあると思うけど、僕らは同じ空の下でつながってるという想いをこめて、最後にこの曲を＄％＆＊?」……MCを締め括る肝心な部分で舌がもつれてしまうという微笑ましいハプニングが起こり、大喜びしながら歓声を上げた観客。「みなさん、盛り上がる場所、間違ってるよ（笑）。なんてあったかい方々なんだ。また会える日を楽しみにしながら、最後にこの歌を歌いたいと思います！」、今度は完璧な滑舌で想いを伝え、ラストに届けられたのは「同じ空の下」。手拍子をする観客の間から大合唱も起こり、まぶしい青空に向って広がっていく。何度か振り返り、背後のバルコニーからステージを観ている人々にも笑顔を届けていた高橋。汗まみれになりながら顔を紅潮させて歌いつつ、心底嬉しそうな表情を浮かべていたのが印象的であった。《同じ空の下で》というラストのフレーズを歌いながら頭上の空を真っ直ぐに指差し、「ありがとう、東京！　また会おうぜ！」という言葉と共に迎えたエンディング。深々と一礼し、両手を振ってステージから去っていく高橋とバンドメンバーたちを観客の心のこもった拍手と歓声が見送る。約30分間のステージではあったが、高橋とファンにとって一足早い今年の夏の素敵な思い出となったに違いない。

【取材・文：田中 大】