KEYTALK、内に秘めた祭り魂が暴れ出す!新シングル『MONSTER DANCE』
KEYTALK | 2014.10.22
- EMTG:「MONSTER DANCE」、いいですね。
- 首藤(Vo&Ba):ありがとうございます。今回の4曲中、最後にできた曲です。「他の3曲にはない感じの上げ上げでワッショイ、ライブで盛り上がる曲がいいな」と思って作ったんです。
- 寺中(Vo&Gt):いろんなテンポチェンジをしたりもするんですけど、何回も聴き込む内にそういうのが絶妙なタイミングにあるっていうことを感じるようになりました。複雑そうだけど、すごく1曲としてまとまっていると思います。
- 小野(Gt&Cho):展開が多いから演奏が難しそうにも思えたんですけどレコーディングで歌が入って、スタジオで合わせたりもすると、かなり印象が変わりましたね。
- 八木(Dr&Cho):「振り切ってるな」というのを最初に聴いた時に思いました。愉快なメロディ、愉快な展開、合唱をお客さんと一緒にするイメージが浮かぶ部分も入っていて。(首藤)義勝が意図していることが、デモの時点でもすごく伝わってきました。
- EMTG:お客さんをどんどん巻き込む「オラオラ系」とも言うべき雰囲気もある歌詞ですけど、義勝さんとしては珍しい作風じゃないですか?
- 首藤:ちょっと気まずい感じもあります。《踊れ》とか《騒げ》とか言っていますけど、「うーん、“踊ってください”かな? ……いや。“踊れ”にしよう」みたいな(笑)。命令口調の歌詞はそんなに書いたことがなかったので。曲調が振り切ったものだったので、歌詞もそういうものになっていったんだと思います。
- EMTG:こういうスリリングな展開をする曲って、KEYTALKがツインボーカルのバンドだから上手く成立しているのかなとも思ったんですけど。
- 首藤:たしかにそうですね。セクションの変わり目は特にツインボーカル編成を活かしやすいですし。
- 寺中:1曲を1人で歌うよりも2人で歌う方が、聴いていても楽しいのかも。
- EMTG:そうやって生まれるドラマチックさに(小野)武正さんの裏メロ的なギターと八木さんのカッコいいビートも加わるわけですから、リスナーは盛り上がらずにはいられないわけです。
- 八木:僕らもこの曲をやっていると内に秘めた祭り魂が暴れだすんです。
- EMTG:歌っているかのようなギターが楽しいですよ。
- 小野:実際、弾きながら口でも歌っていますからね。
- 八木:「MONSTER DANCE」は、フェス向きの曲だと思っているので、どんどんやっていきたいです。
- EMTG:では、他の曲のお話もしましょうか。「エンドロール」は甘酸っぱいメロディにキュンとします。
- 寺中:「いい感じだな」と思えるメロのサビが最初にできまして。あと、歌詞も気に入っています。夏をテーマにして書いたんですけど、敢えて「北風」っていう言葉を入れたりして冷たい感じのイメージも盛り込んでいます。秋とか冬とかに聴いて、夏を思い出すような曲にしたかったんです。
- 首藤:いいメロディの曲ですよね。僕のツボに入るメロディです。「エンドロール」があったからこそ、それとは違うタイプの「MONSTER DANCE」を作ることができたんです。
- 小野:これもいいメロだからこそ、僕のギターのインスピレーションも刺激された曲ですね。裏で弾くギターのメロディは、表の歌のメロディがあってこそのものですから。
- EMTG:今回、改めて思ったんですけど、武正さんはコーラスをつけるような、独特な立ち位置のギターを弾きますよね。
- 小野:伴奏なんですけど、それがあるからこそ歌が引き立つくらいのことがやりたいんです。バッキングではあるけどギター単体で聴いても楽しくて、弾いている本人も楽しいのが好きです。
- EMTG:そして、八木さんのドラムの4つ打ちも、やっぱりKEYTALKの武器。4つ打ちって乗りやすい反面、単調にもなりやすいですけど、上手くオカズのフレーズを交えて構成しているのがすごいなと「エンドロール」でも実感しました。
- 八木:僕は曲に応じて「細かいフレーズを入れたものに行くか行かないか?」を決めています。「エンドロール」に関しては行かなくてもいい曲ではあったんですけど、合うのが思いついたので入れました。手数自体は多めになっていますね。
- EMTG:いいフレーズが満載で、涙腺を刺激するメロディもあるこの曲。ライブでやったら盛り上がりながら泣くファンも出てくるはずです。
- 八木:ほんとそう! もうライブでやっているんですけど、これを演奏するとサビで超泣きそうになるんです。
- 小野:この曲で泣くファンが既にここにいました(笑)。
- 八木:スタジオ練習の時から泣きそうになっていました。「過ぎてしまって、もう手が届かないけど、あれは良かったな」っていう気持ちになる曲です。ねえ、巨匠(寺中)さん?
- 寺中:その通り(笑)。
- EMTG:(笑)続いて3曲目「FREEDOM」のお話へ。これは義勝さんの作詞作曲ですね。
- 首藤:そうです。『OVERTONE』を作り終わった後に、またストックの曲を作ろうと思って、結構早い段階で書いたやつです。
- EMTG:甘い髪の香りの誘惑の描写が印象的です。
- 首藤:そういうテーマをポップに仕上げたいと思っていました。もともとは転調しない予定だったんですけど、サビのパンチを利かせるためにやってみたりもしています。
- 寺中:メロディ、曲、歌詞の全部に義勝の世界観が出ているのを感じます。
- 小野:曲もメロの感じも好きです。アップアップっていう感じではないですけど、実はさりげなく乗りやすかったりもして。それが、この曲の爽やかさにも繋がっているんだと思います。
- 八木:楽曲としてもアレンジや歌詞に関しても完成度が高い。義勝っぽいけど、「新しい義勝」って感じもするんですよ。何でだろう? うーん……。
- 首藤:俺もその感じ分かる。何でだろう?
- 小野:何故なのか?
- 寺中:歌詞?
- 八木:両方かな。「プルオーバー」と近いけど、もっと研ぎ澄まされたものになっている気がします。
- 首藤:僕、和風なメロディが好きなんですけど、そこからちょっと離れているのも、今までと違う感じなのかも。
- 八木:なるほど。
- EMTG:作曲って奥深いですね。少しのさじ加減で印象が変わるから。
- 首藤:ほんとそうなんです。「FREEDOM」は聴いてくれた人の反応も気になります。こういうメロディでも飛び跳ねて踊ってもらえたら個人的にも嬉しいです。
- EMTG:そして最後に4曲目「O型」についてもお話をしましょう。「A型」「B型」に続いて、ついに来ましたね。
- 寺中:はい。いずれ作ろうかなと思っていましたので。まだ「AB型」が残っていますけど。「A型」は俺がまさにA型なので、自分のことだったりしたんですけど、「B型」についてはよく知らないので誰かのことを反映したりはせず。そして今回は「O型」。O型に関して1つだけ知っているよく一般的に言われることが「大雑把」。だから歌をあんまりカッチリ直し過ぎていないし、アウトロをちょっと大雑把なものにしています。ギター、何を弾いたのかよく覚えていないくらいなので(笑)。あと、ウチのメンバーで唯一O型のドラムだけになる瞬間が最後にあったり。遊び心も利かせています。
- 八木:O型として、この曲は嬉しいです。ものすごく叩かせてもらったので。僕がやりたいことが全部できた曲でもあります。
- 首藤:やり切った?
- 八木:うん。
- 小野:これにて脱退?
- 八木:うん!
- EMTG:「うん!」じゃないでしょ(笑)。
- 八木:僕の1つの集大成です(笑)。
- EMTG:かなり手数が多いですよね。
- 八木:はい。だからドラムに関しては、ライブで大雑把には叩けないです。
- 小野:プレイ内容はA型だね。
- 八木:そういうことだね。超細かいから。
- 首藤:この曲、ベースはパワフルに「ロックバンドです!」っていう感じで、力強い音を鳴らしています。歌は全部巨匠が歌っているので、僕に関しては「ザ・ベーシスト」っていう感じになりました。
- 八木:最後のところ《未来は見えない 君がいればそれだけで僕は》の部分のベースが超カッコいい。
- 首藤:ありがとう。
- 小野:ギターは?
- 八木:大体カッコいい。
- 小野:大体(笑)。
- 寺中:歌は?
- 八木:Aメロは今までの巨匠にはない切迫感、エモーショナルな感じがいいですね。
- 寺中:ブースの中で動き回って心拍数を上げて歌って録ったんです。初めての試みです。ライブの感じを出したかったので。
- EMTG:さて。4曲について語って頂きましたが、やっぱり強力なシングルですね。これをリリースして、11月にはメジャーデビュー1周年。そのことに関しては何か?
- 小野:この1年、いろんなことがありましたね。いろんな人に聴いてもらえる機会が増えて、大きいフェスにも出られて、バンドとして次のステップへ行けた感じがあります。
- EMTG:今度のツアー、最終日はEX THEATER Roppongiですよ。下北沢のKEYTALKがついにオシャレな街、六本木へ。
- 八木:六本木かあ。次はどこへ行く? 銀座? 銀座を手中に収めたいと思います!
- EMTG:それくらいの勢いでさらに前進?
- 八木:はい!
- EMTG:巨匠は1周年を迎えた今、どんなことを考えています?
- 寺中:メジャーでの3枚目のシングルとなる今回、今までの中で一番ちょっと変わった雰囲気の曲。「もっと盛り上げてこう!」っていう姿勢が出せたと思うので、そういうことをさらにやっていきたいです。
- EMTG:義勝さんは?
- 首藤:えーと……調子に乗れるくらい人気が欲しい(笑)。インディーズの時は「無敵感」みたいなものがあったんですけど、メジャーに来てからはいい意味で物事をシビアに考えるようになっていて。「目標は高く!」みたいな感じなんです。応援して頂ける方が増えましたけど、そういう感じをずっと続けていきたいです。人気は高さじゃなくて長さが大事。
- EMTG:おおっ! 名言ですよ。
- 首藤:……これ、僕の言葉じゃないんですけど。誰が言っていたのか忘れちゃいました(笑)。でも、いい言葉ですよね。「長くやるためには?」って考えると、いろいろできることも出てくる気がします。いい曲作って、いいライブをやるっていう基本的なことからどんどん広げていって、KEYTALKっていうバンドそのもののパワーも大きくしていけたらいいなと思っています。
3rdシングル『MONSTER DANCE』は、高まり続けるKEYTALKの人気をさらに決定付けるはずの1枚だ。まず、タイトル曲「MONSTER DANCE」は、彼ららしい自由なアイディアが満載のパーティーチューン。スリリングな展開、意表を衝くテンポチェンジ、和テイストを基調としつつ無国籍なエッセンスも利かせたメロディが絶妙に融合している。一緒に歌って踊りたくなるポイントが随所で炸裂するこの曲は、今後のライブで欠かせない存在となるだろう。そしてカップリングの3曲も素晴らしい。深い叙情性、遊び心、甘酸っぱい物語を様々な切り口で煌かせている。本作についてメンバー4人に語ってもらった。
【取材・文:田中大】
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