2014年で結成25周年を迎え、ますますアクティヴな活動を展開中のLUNA SEA。アルバム『A WILL』（2013年12月リリース）を掲げ、2014年の6月から「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC -A Liberated Will-」で各地を熱狂させてきたが、12月に「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE」と称した2公演（12月21日がさいたまスーパーアリーナ、12月23日が横浜アリーナ）を行い、クリスマス時期をドラマチックに盛り上げてくれた。ここでは2公演の2日目、12月23日のレポートをお届けしたい。

　ちなみに、横浜アリーナは神奈川出身のメンバーにとっては、まさにホームとも言える会場。94年2月にこの会場で行ったライブは、当日大雪に見舞われるというエピソードもあり、ファンにとっても思い入れ深い場所だ。当然のごとくチケットは完売。ステージ真後ろの席まで開放された上に、立ち見もビッシリで、約1万5千人もの観客が集結した。

　照明が落ちると、ベートーベンの「ムーンライトソナタ（＝月光）」が流れ、メンバーがステージに登場。そして、ライブはアルバム『A WILL』の1曲目でもある「Anthem of Light」でスタートした。続く2曲目には、おなじみの鉄板曲「Dejavu」が飛び出し、RYUICHIの「横浜アリーナ！」という一喝とともに爆音が炸裂。ライブのテンポが加速していく。本編は「Rouge」「乱」など、『A WILL』からの曲に加え、「JESUS」や「TONIGHT」といった長年親しまれてきた人気曲がバランスよく配されたスキなしのセットリスト。生まれた時期が違う曲を、違和感なくプレイするバンドの力量は見事だ。

　中盤には各メンバーが、ソロコーナーで並々ならぬ個性を発揮。SUGIZOがバイオリン・ソロで幻想的な世界観を表現すれば、INORANがアコースティックギターでからんでいく。真矢もドラムソロで観客を圧倒。スネアの音ひとつで場を持っていくパワーは健在だ。Jはロッカーらしいワイルドさとカリスマ性をまといながら、クールなベースソロで魅了。これだけのメンバーが集まっているのだから、モンスターバンドと言われるのもムリはない。

　後半も「The End of the Dream」から「TIME IS DEAD」「ROSIER」など、新旧シャッフルした楽曲を上手い構成で聴かせていく。「ROSIER」では、ライブ名物となったJのマイクスタンド投げもキマって、本編はいよいよラスト曲の「absorb」へ（ちなみに、21日にさいたまスーパーアリーナで行った公演では、Jの投げたマイクスタンドがセットの一部を破壊するというエピソードも）。この曲も『A WILL』からのナンバーだが、場内から合唱もおこるほど、すっかりファンに浸透しているようだ。

　さて、アンコール前になると、観客全員の合唱で「きよしこのよる」が響き渡る。クリスマス時期に行われる彼らのライブにおいては、この歌声が欠かせない。そんな清らかな歌声に押されて、メンバーが再びステージへ。

「みんなありがとう！　メリークリスマス！」
　RYUICHIが口を開き、「Happy X’mas(War Is Over)」のカバー曲がお披露目される。何とも、クリスマスらしい演出だ。MCでは、各メンバーからひと言ずつの挨拶も飛び出し、なごやかなムードに。RYUICHIからは、25周年ツアーのファイナルを3月14日に大阪城ホールで開催するという発表があり、場内からは歓声があがる。25万人を動員した25周年の集大成となるだけに、これも見逃せない公演になりそうだ。さて、それ以降は、勢いのある曲を連発し、佳境へと誘っていく。新たなハードチューン「Metamorphosis」や、名曲「PRECIOUS」や「WISH」など、ファンの嬌声を誘う曲達で、存分に満員のオーディエンスを熱狂させた。大ラスは「Grace」。『A WILL』の最後に収録された曲であり、心が洗われるような美しい楽曲をもって、スペシャルな一夜は余韻を残しながら終了。改めてバンドの底力を感じさせるパフォーマンスに感服させられた。魂のこもった曲とともに、それを表現する5人のカッコよさには、もはやひれ伏すしかない。そして、今後も進化するであろうバンドの伸びしろも、しかと感じさせてもらった。26周年以降も期待したい。

【取材・文：海江敦士】