特攻服姿のNIGHTMAREに対抗するのは、
真っ赤なツナギ姿の木更津貨物の「絶交門」!?

　氣志團のタイマン対バンGIGシリーズ『極東ロックンロールハイスクール 第弐章』第41戦となる、「NIGHTMARE vs 氣志團　~ジャイアン vs ブタゴリラ BEYOND~」は、2011年８月に行われた極東ロックンロールハイスクール第６戦以来となる、仙台のジャイアン・NIGHTMAREと、木更津のブタゴリラ・氣志團の一騎打ち！ 2000年１月１日、仙台にて結成。2001年10月、インディーズよりリリースされたシングル「反抗期」収録の「自傷（少年テロリスト）」（後に「ジャイアニズム~自傷（少年テロリスト）~）」として再録）を発端に、“ジャイアニズム”をバンドの方向性に提唱するなど、他のヴィジュアルバンドとは異なる、独創的な活動で人気を広めたNIGHTMARE。2003年、アルバム『Ultimate Circus』でメジャーデビューすると、2004年にはYOMI（Vo）の弟を名乗る、千葉がボーカルを務めるヴィジュアルゲイバンド・仙台貨物がデビュー。その後、NIGHTMAREが「the WORLD／アルミナ」や「レゾンデートル」のヒットでその存在を世に知らしめると、仙台貨物は全裸パフォーマンスが原因で日比谷野音を出入り禁止になるなど、対照的な活動を見せながら、両組共に“ヴィジュアル界の異端児”として大活躍！ 仙台貨物も『氣志團万博』に３年連続の出場を決定するなど、氣志團とは縁深く、もはや盟友とも言える彼ら。互いを理解し合っているからこそというところでも、この日の対バンがどんな展開になるのかが楽しみな限り。３年前のガチンコ対決で苦戦を強いられた氣志團は、極東ロックンロールハイスクール初めての会場となるEX THEATER ROPPONGIで悪夢を見せられるのか、はたまた夢のような景色を見ることが出来るのか？

　開演時間となり、SEと大歓声をバックに一人ずつゆっくりステージに登場した、先攻・NIGHTMARE。対氣志團を意識して、メンバーの衣装はなんと白の特攻服で統一！ フロントに刺繍を入れ、背中には“悪夢”“邪威亞仁図夢”の刺繍を背負った特攻服をそれぞれの着こなしで着用した気合い十分のメンバーに、会場中から奇声に近い歓声が上がる。最後にYOMIがステージ中央に登場すると、高々と右手を上げて「MY NAME IS ”SCUM”」でライブが幕を開ける。激しいイントロから、YOMIのシャウトを合図にヘドバンで波打つフロア。間髪入れずに始まった「ASSaulter」では、YOMIがエモーショナルな歌声で観客の心を震わせ、間奏ではフロント４人がステージ前方に並んでパワフルな演奏で圧倒すると、咲人（Gt）が泣きのギターで魅せる。柩（Gt）がパワフルなギターでリードした「Dizzy」では、YOMIが踊るようにステージを暴れまくり、たくましく色気あるヴィブラートで魅了。前半戦、特攻服の衣装通りの気合いと気迫を感じる、攻撃的なステージでガンガンぶっ込んできたNIGHTMARE。MCではYOMIが、「NIGHTMARE、特攻服でやって来ました！ ３年前はかなりの接戦だったけど、３年も経ってるのでかなり強くなって帰って来ました!!」と力強く宣言。続いて、妖しくミステリアスに始まり、RUKA（Dr）の正確で存在感あるビートにNi~ya（Ba）の重厚なベース、ギターのアンサンブルが激しく美しいこの曲。YOMIの感情溢れる歌声が胸に迫る。柩のザクザクと切り裂くギターリフにフラッシュライトが気持ちを高ぶらせ、激しくメロウな歌声が心を強く揺さぶった「mimic」に続く、ヘヴィで攻撃的な「極上脳震煉獄・弌式」では、「六本木、頭触れるか？ キッシーズ、頭触れるか？」とヘドバンを煽り脳を揺らす。壮大でスケール感ある歌と演奏も圧巻！

　MCではYOMIがそれぞれの特攻服に入れられた刺繍に触れる。YOMIが“無威斗姫亞”の刺繍を見せながら「俺はMサイズしかなくて、無威斗姫までしか読めませんでした」と笑わせると、柩は「本人も喜んでくれた！」と“綾小路上等”の刺繍を見せ、咲人が“天から受けたこの運命 咲いて散らすが我人生~”と始まる暴走族の常套句を入れた特攻服を得意げに見せると、Ni~yaは氣志團の楽曲にもちなんだ“愛羅武勇”を見せ、RUKAが“宮城は都会”と書かれた刺繍と「PARCOもありますから！」の説明で笑いを起こす。「僕たちも氣志團を見習って、宮城県仙台を大事にしていけたらと思います」とYOMIが真摯に語ると会場から温かい拍手が起き、いよいよ終盤戦。４つ打ちのダンサブルな曲調に、伊達姫（NIGHTMAREファン）とキッシーズが一体となってフロアを揺らした「404」の間奏では、バイクのエンジン音に柩がバイクのハンドルを握って登場！ 似合いすぎ!!　Ni~yaのヘヴィなベースで始まった「ジャイアニズム死」の堂々たる歌と演奏で、“NIGHTMAREここにあり”とばかりに存在とイズムを知らしめると、「ひとつになるぞ、かかって来い！」とYOMIがまくし立て、ラスト「極東乱心天国」が始まる。タイトルからして、この日のラストを飾るに相応しいこの曲。上着を脱ぎ、気合い十分で挑むYOMIのボーカルが熱い！ 間奏で柩がお立ち台に立ちギターソロを決めると、フロント４人がドラムの周りに集まり、ビートに合わせて頭を振って息を合わせる。塊となってぶつかってくる爆音にフロアが大きく沸く中、「歌ってくれーー！」とYOMIが高々とマイクスタンドを上げ、全員でサビの大合唱！ 最高潮の盛り上がりの中、NIGHTMAREのステージが幕を閉じた。

　そして、後攻・氣志團。いつも通りSE「BE MY BABY」が流れると、なんと真っ赤なツナギで揃えた“仙台貨物”ファッションのメンバーが登場！ さらに驚くキッシーズ＆伊達姫から大歓声が上がる中、赤いツナギにほっかむりまでした團長が、♪木更津貨物、EVERYBODY バイ！ と歌い始めた１曲目は、仙台貨物「サタデーナイトゲイバー」のカバー!!　間奏部分ではトミーからランマへとギターソロを繋ぎ、松、亜樹良もソロでしっかり魅せる原曲通りの流れもしっかりカバー。「俺たちがいるから、お前らがいるだよ。そう、俺たち穴ブラザーなんだよ！」と團長が台詞を決めると、フロアから大きな歓声が上がる！ 演奏を終えて「We are 木更津貨物！」とひと言挟むと、そのままの勢いで「ゴッド・スピード・ユー！」に繋ぐ。心なしか、いつもよりパフォーマンスが派手に見える團長。赤いツナギと豆絞りには何か理性を壊す特別な力でもあるのか!?　「我々は太陽と潮風の国で知られる、房総木更津からやってきた――」と始まるアジテーション部分では、「世の中を、世の中を変えたいんです！ ?ぁ??!!（泣）」とこのタイミングで一番旬な議員さんのモノマネを挟み、会場は大爆笑！「みんなにやっと会えました、オラたちが卑しい宅急便、木更津貨物です！」と始まったMCでは、「本番直前、YOMIくんが「翔さん忘れ物です」って手ぬぐいくれて、嬉しかったんだけど……何で持ってんの？ 関係ないでしょ!?（笑）」と楽屋裏のエピソードで笑わせ、「俺たちってあんまりお友達いないんです。そんな中、NIGHTMAREのメンバーはプライベートでも仲良くしてくれて、本当に良い子なのよ」とNIGHTMEREとの関係性を話す。同じく真っ赤なツナギで揃えた微熱DANJIを迎えての「喧嘩上等」、「スーパーボーイフレンド」で観客と共にハジケまくった後は、「僕は氣志團ってすごく良いバンドだと思うけど、このままでは明るい兆しが望めません。今後、我々は木更津貨物として、活動していきます！」と團長。「それに当たって……」と始まったMCでは、時事ネタを多分に加えたムチャクチャなトークで会場を沸かす。NIGHTMAREの特攻服の衣装に話題が移ると、「Ni~yaくんがこの曲を知っててくれて嬉しかったです」と語り、「愛羅武勇」を披露。ステージ前方にフロントメンバーが並び、力強い鉄壁の演奏で聴かせたこの曲。團長も会場の観客、そしてステージ裏にいる盟友・NIGHTMAREにも届くよう、たっぷり気持ちを込めて熱唱。続く「ONE NIGHT CARNIVAL」では曲中で最近、髪型を赤の短髪に変えた柩を指して「あの子、日の丸弁当でしょ？ 白米みたいな特攻服着て、梅干しみたいな頭して、日の丸弁当コスでしょ？」と散々イジった團長。「ラスト、「絶交門」！」と曲紹介し、尺八の音で始まったラストは仙台貨物「絶交門」のカバー！ 歌詞を全て千葉の房州弁に変えた、かなり手間のかかった木更津貨物バージョンの「絶交門」にキッシーズも伊達姫も入り乱れての大暴れ！ 氣志團からNIGHTMARE、そして仙台貨物への愛情をたっぷり感じるステージに惜しみない拍手が送られる中、本編が幕を閉じた。

　「今日は色んなことがあったね！」と團長が楽しそうな笑顔を見せて始まったアンコール。「一週間良く頑張ったみんなに、おじさんからプレゼントがあります。カモン、NIGHTMARE！」と呼び込み、NIGHTMAREのメンバーがステージに登場。「みんなビックリですよ！ 今日はこてんぱんにされました!!」と敗北宣言をするYOMIに、「何をおっしゃる！」と團長が謙遜。柩が日の丸弁当ネタで再びイジられたりと、二組の仲の良さを見せつけながら、「いい大人が本気出してやる、プロのコピーバンドを魅せてやる！」と、氣志團＋NIGHTMAREで始まったセッション曲はLUNA SEA「TRUE BLUE」のカバー！　総勢10名によるダイナミックで壮大な演奏、團長＆YOMIのツインボーカルの迫力は圧巻のひと言！ 曲中、手作りの真っ黒いダンボールのかぶり物“LUNA SEAくん”で登場した光。扉を開けると中にはRYUICHI（LUNA SEA）のパネルが貼られており、曲に合わせて金テープを発射！ 会場中に笑いと温かい空気が溢れる中、約３年ぶりとなる、氣志團とNIGHTMAREの対バンは幕が閉じた。ガチンコでぶつかり合った３年前、「タイマン張ったらダチだぜよ！」とばかりに絆と愛情を深め、スキルを高め合った両組が再度対戦。前回のような緊張感ある雰囲気も良かったが、今回は「このイベントを思い切り盛り上げよう！ 楽しもう！」という両組の想いが伝わってくる、熱く激しく、最高に楽しく温かい対バンとなった。このイベントの盛り上がりを受けた仙台貨物が、９月の『氣志團万博』でどんなレスポンスをしてくるかも楽しみだ。