2014年5月29日、25周年という節目を迎え、国立代々木競技場第一体育館でアニバーサリーライブを行ったLUNA SEA。その後、彼らは最新アルバム『A WILL』を掲げ、ホールツアー“LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will-”に乗り出した。ツアーは年をまたぎ、ついに2015年2月28日と3月1日の両日、東京国際フォーラム　ホールAで、ツアーファイナルを迎えたのである。ここでは2日目の3月1日公演のレポートをお届けしよう。長いツアーの締めくくりということもあり、特別な夜になりそうだ――。

　開演時間直前、自然発生的に起こった手拍子に導かれ、SEの「月光」（ベートーヴェン作曲） が厳かに流れる。大歓声を浴びながらメンバーがステージに姿を現すと、ドラムのカウントから爆音とともに「Dejavu」で本編がスタート。

「トーキョー！　お前達の声を聴かせてくれ！」

　ボーカルのRYUICHIが叫び、次々とプレイされていく代表曲達――。「DESIRE」や「JESUS」、そしてヘヴィーな「FACE TO FACE」など、圧倒的な音圧とグルーヴで魅了していく。続くMCではRYUICHIが、改めて25周年という節目を迎えたことに対して言及。

「あの（結成）当時、町田プレイハウスに5人で集まった時、“俺達、絶対に一番になれる”って……。まわりの人には理解されなかったけどね（笑）」

　そして、「25年後は……皆さんを月に招待します（笑）」と、冗談のような本気のようなトークで場内を沸かせた。中盤は2013年にリリースしたキャッチーなシングル曲「乱」で勢いに乗っていく。そして、このブロックでの出色は、メンバーのソロコーナー。

　まずはSUGIZOの緊張感あふれるヴァイオリン・ソロが披露される。映画『ロミオとジュリエット』のテーマ曲のフレーズを一部取り入れながら、幻想的な空間を作り出す。

　あまりにも美しい時間帯だ。その後、INORANがアコースティックギターで、SUGIZOのヴァイオリンにからむ。異なる個性の音色が融合していく様は、もう言葉もない。繊細なソロコーナーを堪能したあとは、真矢のドラムソロ。パワー炸裂といった感じの、嵐のようなドラム・プレイが繰り広げられ、会場は一気に熱い空気に変貌。ドラムソロのあとは「Be Awake」から後半へとなだれ込む。

　ラスト3曲を前に、今度はJがベースソロでワイルドかつクールなソロで熱い声援を引き出す。バンドの導火線のような存在でもある彼のベースに導かれ、本編はラスト3曲へ。「STORM」から「ROSIER」というキラーチューンで、ライブはクライマックスとなり、ラストナンバーの「absorb」では観客全員のコーラスが響きわたった。

　アンコールは彼ららしいアッパーチューン「TONIGHT」でスタートし、そこから鉄板中の鉄板曲「WISH」へ。冒頭で銀テープが放出され、エンディングを盛り上げる。場内の客席照明も点灯し、明るくなったホールを照らし出す。ステージ側からも、きっと素晴らしい光景が見られたに違いない。ラスト曲は「Grace」で終わる予定だったのだが、この日はおさまらない声援を受け、メンバー5人がステージ上でなにやら話し合う。そしてもう1曲、「Anthem Of Light」を特別にプレゼントしてくれた。ポジティヴなナンバーで締めくくったところに、バンドの思いが込められていたように感じる。

　しかし、正直これでLUNA SEAの25周年プロジェクトは一段落。ファンとしては、LUNA SEAロスになりそうな瞬間を迎えたわけだが、RYUICHIは「3月14日（追加公演の大阪城ホール）に何らかのアナウンスがあると思います」と、次なる動きを予告。どんなサプライズが待ち受けるのか気になるところだが、いずれにしても彼らはこの先、またすさまじい進化を遂げて戻ってくるはずだ。その日を楽しみに待ちたいと思う。

【取材・文：海江敦士】