次は10月、赤坂ブリッツ!! GLIM SPANKY、頼もしさと成長を見せつけた圧巻の「褒めろよ」リリースツアー・ファイナル
GLIM SPANKY | 2015.06.01
キネマ倶楽部のクラシカルなステージには「VELVET THEATER」のネオンサインが飾られ、フロアの上には三角の旗を繋いだものがサーカスの飾り付けのようにはためいている。「幻想的な夜の世界が大好き」という松尾レミ(Vo,G)の思いとGLIM SPANKYの楽曲が描く世界に迷い込んだような、素敵なツアー・ファイナルだった。
2月にリリースしたシングル「褒めろよ」を引っさげて、3月に仙台・大阪・名古屋で対バン・ツアーを行なった彼等だが、そのファイナルとしてのワンマンを5月17日、東京・鴬谷のキネマ倶楽部で迎えたのだ。松尾は背中の開いた黒の膝丈ドレス、亀本寛貴(G)もシックなストライプのシャツに黒のジャケットと、ちょっとオシャレをしてステージに現れた二人は、栗原大(B)と武並J.J俊明(Dr)と共に「サンライズジャーニー」からスタート。黒のテレキャスを抱えて歌う松尾のグルーヴィーなヴォーカルと、亀本がファイアーバードで繰り出すシャープなリフを軸にした骨太なバンド・サウンドが、待ちかねたオーディエンスを引き込んだ。 ゆっくり歌い出し次第に熱を帯びて行くメジャー1stミニ・アルバムのリード曲「焦燥」、インディーズ盤『MUSIC FREAK』からのグルーヴィーなナンバー「ダミーロックとブルース」と、ファンにはお馴染みの曲を続けてフロアの温度を上げて行き、この夜のテーマにも繋がる「MIDNIGHT CIRCUS」で赤いライトに照らされた松尾の声が一段と迫力を増して来た。そしてスポークンワードから始まるドラマティックな新曲を披露した後は、ステージのネオンが曲に合わせて点滅した、まさにこの夜のための曲「ヴェルヴェットシアター」へ。これは何年も前に作った曲だが、いつかライヴのタイトルにしたいと思っていた、と松尾。抱いた夢が叶う時ほど幸福なことはない。もちろんこれがゴールではなく、これをファーストステップに彼等は進んで行く。このライヴはその幕開けなのだ。
調子の出て来た中盤は、iTunes限定曲のフォーキーなナンバー「夜が明けたら」や松尾のCM歌唱がきっかけとなりGLIM SPANKYでも発売したジャニス・ジョプリンのカヴァー「MOVE OVER」、オーディエンスも歌ったツアーのメイン・ソング「褒めろよ」とダイナミックな曲で本領発揮。松尾のハスキー・ヴォイスと亀本の雄弁なギターが、いいバランスで曲を彩っている。オーセンチックなロックを基調にする彼等だが、まだ20代前半の彼等ならではの同時代感が新鮮な解釈を生み出している。特にそうした彼等のセンスが生かされていることを実感するのがカヴァー曲だ。 MCの間に飛び交う観客からの声にも応えながら松尾と亀本は、園子温が監督&脚本の映画「リアル鬼ごっこ」のイメージ・ソングとして書き下ろした新曲を7月1日にシングルとしてリリースすること、更にアルバムも発表しツアーも決定、そのファイナルは10月の赤坂ブリッツであることを伝えた後、新曲「リアル鬼ごっこ」を披露。童謡風のメロディから始まりジワジワと広がって行く、GLIM SPANKYらしい展開にポップな色づけがされた新鮮なナンバーだ。そしてカントリー&ウエスタン調の「WONDER ALONE」、ブルージーなバラード「夜風の街」と変化に富んだ流れを作り出す。松尾と亀本が顔を見合わせてギターを合わせたエンディングに、熱い拍手が送られた。 本編最後の曲を前に松尾は、「友達から”メジャーに行って大丈夫?”とメールが来る。でもそういうの全然ないから、今まで嫌なことやったことないし嫌なことは嫌と言うし。ローリング・ストーンズみたいに柔軟だけど芯を曲げずにやってる人たちがいる。私たちもそういうふうになるんで、みんなついて来いよ!」と宣言し、新曲「大人になったら」へ。自分たちへのエールのように、大人への旅立ちを歌った曲で新しい一歩を踏み出す曲で本編を締めくくった。
スタッフへの感謝を亀本が伝えた1stアンコールは、”明日も元気で会いましょう”と歌う「ロルカ」に、4人でのジャム・セッションで盛り上げた「Gypsy」。一層盛り上がったオーディエンスからの2ndアンコールに応えて、稲垣足穂が大好きな松尾が、やはり足穂好きなあがた森魚に感化されて作った曲、と「NIGHT LAN DOT」。”屋根の上でバンドネオンの豹と踊ろう”といった歌詞から、この曲に込めた思いが伝わって来た。
冒頭に書いたように、GLIM SPANKYが描く世界を見せるライヴのスタイルが、このステージで示せたのではないだろうか。もちろん松尾と亀本の二人が作り出す楽曲や作品があって始まることだが、この「VELVET THEATER」のために、ステージのスタッフもハットを被っていたり、陰ながら彼等の所属事務所の社長がサーカスの団長風の扮装をしていたりと、文字通りスタッフも一丸となっていたことを付け加えておく。こんなバンドは限りなく明るい明日に向かっているはずだ。
【取材・文:今井智子】
【撮影:大畑陽子】
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リリース情報
お知らせ
SUNRISE JOURNEY TOUR 2015
2015/09月18日(金) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
2015/09月21日(月・祝) 札幌COLONY
2015/09月23日(水・祝) 京都磔磔
2015/09月24日(木) 高松TOONICE
2015/09月26日(土) 広島CAVE-BE
2015/09月27日(日) 福岡graf
※以上6ヶ所、ゲスト後日発表!
2015/10月4日(日) 梅田シャングリラ
2015/10月11日(日) 名古屋CLUB UPSET
2015/10月17日(土) 赤坂BLITZ
※以上、東名阪3ヶ所はワンマンライブ。
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。