7/8デビューのカリスマドットコム。満員の代官山UNITのレポ。
Charisma.com | 2015.06.15
先頃メジャーデビューを発表し、ますます注目度を高めているカリスマドットコムが「Charisma.GUEST」と題し、チボマット(東京)、感覚ピエロ(名古屋)、Negicco(福岡)、Sugar’s Champaign(大阪)という個性派ゲストを迎えて展開する全国対バンツアーを開催。5月29日、代官山UNITでその初日の幕が切って落とされた。
まずステージに登場したのは、1994年の結成以来、ニューヨークを拠点に活動するチボマット。フリーキーな女子2人組ユニットの先駆けであり、カリスマの2人が憧れる大先輩だ。凱旋帰国ライブとなる今回は、ベースに大野由美子、ドラムにあらきゆうこという最強・盤石の布陣。作風はアバンギャルドながら演奏は実にファンキーで、キュートなラップも炸裂。真骨頂を発揮するライブが繰り広げられた。演奏されたのは全8曲で、15年ぶりとなる昨年発売のアルバム『HOTEL VALENTINE』の曲を中心に、過去作からもセレクト。ラストはデビューシングルにして代表曲の「Birthday Cake」を披露し、観客を大いに沸かせてステージをあとにした。
15分ほどのインターバルを挟んだのち、いよいよカリスマドットコムが登場。BGMは、ソリッドな四つ打ちのビートに乗せ、イベントのタイトルや出演者などをラップしたオリジナルテーマ曲。場内にレーザーライトが飛び交うなか、2 人も特製グローブからレーザーライトを発射し、観客を煽っていく。
そうして場内がヒートアップしたところで、のっけからライブ人気曲の「GEORGE」をドロップ。よりトランシーにミックスされた同曲に観客はジャンプしまくりで応える。2番のサビが終わったところで「イイナヅケブルー」になだれ込むと、その強烈無比なミックスにフロアは興奮のるつぼと化した。
3曲目の「とんがりヤング」のサビでは、MCのいつかのリクエストに応じて、観客が腕を上に伸ばして頭上で“△”を作ってノリまくり。リズムにあわせて脇の下を伸ばし、まだまだ盛り上がるための準備運動もバッチリだ。
その後は、いつかの決まりセリフ「ごきげんよう!」からMCタイムへ。DJのゴンチがちょっと噛みながら「今日は、つ、ついに来ました、初日です!」と挨拶すると、すかさずいつかが「いま危なかったでしょ」とツッコミ。それを気にも留めずゴンチは「今日は楽しんで行きましょう!」と言葉を続けるも、観客の歓声を受け「私からは以上です!」とあっけなく終了。そのテンプレ的なコメントに「ずいぶんそっけないね」とまたまたいつかが突っ込んで場内を笑わせるという、ボケ=ゴンチ、ツッコミ=いつかというカリスマ定例フォーメーションでMCを進めていく。
そのMC中に、いつかから今回のツアーでは毎公演、新曲を披露していくことを発表。しかも、この日演奏されるのは7月リリースのミニアルバム『OLest』にも入らないということで観客がどよめく。
そうして披露された「GODcustomer」は、クレームをつけてくるエラそうな客に対するいつかの実体験をベースにした歌。<調子に乗ってるカスタマー/お客様は神様/それはリクエストじゃないワガママ/お姉さんたち何様?>と歌う、浮遊感のあるヒップホップナンバーで、リリックには思いきり中指を立てる言葉も。いつかの持ち味である毒舌家ぶりを遺憾なく発揮する曲だった。
その曲を歌い終わって、いつかが後ろを振り返るとゴンチがおらず。「あれ? どこ行きました? トイレかな?」と一度は驚く様子を見せるも、「じゃあ、もう進めます。心配しないでください。大丈夫なんで、私ひとりでも」とそっけなくステージを進行。『OLest』収録曲「マメマメ BOY ガサツ GIRL」を本邦初披露した。
この曲の2番が終わったところで「さすがに探してきます」といつかがステージ袖に消えると、入れ替えるようにゴンチがステージに戻ってきてDJブースに。曲が終わったタイミングでいつかがステージに戻ると、ゴンチは何事もなかったかのように「おかえりー」と挨拶。いつかはあきれかえって、「ただいま」と言うしかないという、シュールなミニ寸劇で笑わせた。
続けての「AUTOMADE」は、2番の歌詞にチボマットの「Birthday Cake」を盛り込むスペシャル仕様で披露。そのパートはゴンチもDJブースから出てきてフロアを盛り上げた。
終盤は「LOOKER」で観客のハンドクラップを煽って、カリスマ史上最高速ナンバーの最新シングル「こんがらガール」へ。続いて彼女たちの存在を世に知らしめたライブ定番曲「HATE」のイントロが流れるとフロアのあちこちから「Hoooo!」という歓声があがり、場内の温度はグングン上昇。最後は、いつかが「もっと騒げー!」と煽って、『OLest』のリード曲「お局ロック」をライブ初披露。死ぬほどアッパーな流れにフロアのボルテージは最高潮に達し、本編は終了した。
“残業”(彼女たちのライブでのアンコールの呼び名)は、フロア仕様に激変した「NOW remix」と「100%ブービー」。「Now」はもちろん、「100%ブービー」も低音がズンズンくるミックスになっていて、ライブハウスが完全にクラブと化した。
本編最後の「お局ロック」はサーフロック調のギターをアクセントにした新境地のダンスナンバー。曲フリで「ゴンチに書いた」と言っていた「マメマメ BOY がさつ GIRL」は、がさつな女子とマメな男子のラブソング。ちょっとトラップ調(※註)のテイストがあって、これも新味を感じさせる曲だった。
その2曲だけでも確実に進化を感じさせてくれたカリスマドットコム。7月8日に到着するメジャーデビューアルバム『OLest』の仕上がりが今から楽しみだ。
※註:2000年代にサザン・ヒップホップやクランクから派生して生まれたジャンル。重低音を強調し、スネアドラムの連続音や、派手な電子音を加える中毒性の高いスタイル。
【取材・文:猪又 孝(DO THE MONKEY)】
リリース情報
セットリスト
カリスマドットコム presents
Charisma.GUEST
2015.5.29@代官山UNIT
■CIBO MATTO
- Sugar Water
- Le Pain Perdu
- Chek In
- déjà vu
- 10th Flr
- Emerald Tuseday
- MFN
- Moonchild
- Sci Fi
- Birthday Cake
- BBQ
- Agus De Marco
- I Zimbra
- Believe ESP
■Charisma.com
- GEORGE
- イイナヅケブルー
- どんがりヤング
- GODcurtomer
- マメマメBOY ガサツGIRL
- AUTUMODE
- LOOKER
- こんがらガール
- HATE
- お局ロック
- NOW remix
- 100%ブービー
お知らせ
Charisma.GUEST
2015/07/03(金)福岡 福岡INSA
w/ Negicco
2015/07/31(金)大阪 梅田シャングリラ
w/ Sugar’s Campaign
OLest リリースツアー2015
「No more ZANGYO!!」
2015/10/09(金)心斎橋Music Club JANUS
2015/10/12(月・祝)名古屋ell.FITS ALL
2015/10/18日(日)福岡Queblick
2015/10/23(金)恵比寿LIQUIDROOM
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。