[Alexandros]、無敵感ただよう2度目の日本武道館公演!!
[Alexandros] | 2015.07.23
スクリーンに映し出された都会の夜景のなかでヘリコプターが飛び、そのなかからステージに降り立つという演出でメンバーが登場。フロントの3人(川上洋平、磯部寛之、白井眞輝)は黒のジャケット、ドラムの庄村聡泰は赤いタータンチェックという出立ち。華やかな歓声が会場を包む込むなか、まずは最新シングル「ワタリドリ」を披露、さらに1stアルバム「Where’s My Potato?」(’10年)に収録されていた「For Freedom」「Yeah Yeah Yeah」「She’s Very」、2ndアルバム「I Wanna Go To Hawaii.」(’11年)から「Rocknrolla!」が続けざまに放たれる――この時点でオーディエンスは「今日のライブは特別な内容になる」と確信したはずだ。
[Alexandros]の日本武道館ライブ「Premium V.I.P Party」。4人がこの会場でライブを開催するのは2014年3月以来、2度目となる。前回はバンド名を[Alexandros]に改名するという出来事が起きたのだが(アレは本当に驚いた)、今回はこれまでのバンドの歴史をリプレイするようなスペシャルな構成だった。事前に募集されたリクエストで上位に入った楽曲が、収録アルバムのリリースの順番に演奏されたのだ。
「最高のラブソングをお届けします!」(川上)という言葉ともに披露された「You’re So Sweet&I Love You」の後は、庄村のド派手なドラムプレイを挟み、3rdアルバム「Schwarzenegger」(’12年)からラップの要素を取り入れた「言え」、メロディの美しさが際立つミディアムバラード「spy」へ。リリース順に楽曲を追っていくと、彼らの音楽がまったく予想出来ないようなカタチで進化を続けてきたことがはっきりとわかる。90年代後半~00年代前半のUK/USのギターロックのテイストをきわめて自然に反映させながら、メンバー個々のプレイヤビリティを存分に、唯一無二としか言いようがないロックミュージックを体現してきた4人。まるで音で遊んでいるような自由奔放なバンドサウンドは、2度目の武道館でもしっかりと描き出されていた。
これまでライブで演奏されたことがない超レアな楽曲が聴けたことも、この日のライブの大きな収穫だった。まずは「リクエストでぶっちぎりの1位だった」(川上)という「Thunder」を初披露。シングル「Adventure / Droshky!」のカップリング曲として収録されていたこの曲は、ブラックミュージックのテイストをセンス良く取り入れたアレンジと裏声を活かした繊細なボーカルが印象的なナンバー。シングル曲ではなく、こういう趣味性の強い楽曲がリクエストの上位に入ることも、[Alexandros]のおもしろさ。彼らのファンもおそらく、斬新なテイストの楽曲を貪欲に求めているのだろう。
カラフルなレーザービームが飛び交う「Rise」からは4thアルバム「Me Do No Karate.」(13年)に突入。アグレッシブかつスリリングなビートによって観客が激しく体を揺らしまくった「Stimulator」、ミラーボールが眩い光を放つ空間のなかでダイナミックなmelodyが響きまくった「starrrrrrr」、磯部と白井がステージの両端(客席のすぐそば)まで進み、オーディエンスと視線を合わせながらパフォーマンスした「Kick&Spin」。個性的な楽曲と魅力的な演出がバランスよく絡み合い、極上のエンターテインメントへと繋がっていく。
「2回目の武道館です。去年は名前を変えなくちゃいけなくて。今日は最初から最後まで[Alexandros]です。ありがとうございます」という言葉をきっかけに川上は、これまでのバンドの活動を振り返り、観客に向かってこんなふうに語り掛けた。
「ライブハウスから大きいステージに移していく段階で、いなくなっちゃうファンの方もいて。俺達は今日、武道館でやってるし、これからもっとデカいところでやるけど、ライブハウスもすごい好きなんです。東京ドームと下北のライブハウスを2日連続で出来るような、そんなバンドになりたいんです。だから、安心してついてきてください。俺がこのメンバーを誘ったときのように、みなさんに約束します。最高の場所にお連れします!」
ラストはもちろんニューアルバム「ALXD」のナンバーだ。洗練されたアレンジメントと高揚感溢れるグルーヴが共存する「Famous Day」、エキゾチックなメロディラインが心地よい一体感を生み出す「Run Away」、観客の大合唱が会場を包み込んだ「Adventure」。最新型の[Alexandros]を端的に示すこれらの楽曲、そして、「悔しいけど愛してるぜ、武道館!」(川上)というシャウトとともに本編は終了した。アンコールはヘビィメタル・モード全開の「Dog 3」からスタート。さらに「ALXD」の収録曲「Leaving Grapefruits」を初披露した後、「Cat 2」で爆発的なテンションを叩き出し、この記念すべきライブは幕を閉じた。[Alexandros]はこの後、「フジロックフェスティバル」などの夏フェスに出演し、10月からはアルバム「ALXD」を中心とした全国ツアー[Alexandros] TOUR 2015“ご馳走にありつかせて頂きます”」を開催。これまでの活動をコンプリートした2度目の武道館ライブをスプリングボードにして彼らは、さらに大きなステージに向かって突き進むことになりそうだ。
【取材・文:森朋之】
【撮影:AZUSA TAKADA/Yuki kawamoto】
リリース情報
ALXD(初回限定盤)[CD+DVD]
2015年06月17日
ユニバーサル ミュージック
1. ワタリドリ
2. Boo!
3. ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead
4. Famous Day
5. Adventure
6. can’t explain
7. Buzz Off(Interlude)
8. Oblivion
9. Leaving Grapefruits
10. Dracula La
11. Droshky!
12. Dog 3
13. Run Away
14. Coming Summer
[DVD]
This Summer Festival 2014から12/20Zepp Tokyo LIVE映像7曲+副音声+ALXDセルフライナーノーツ座談会の計71分を収録
セットリスト
Premium V.I.P. Party
2015.7.17@日本武道館
- ワタリドリ
- For Freedom
- Yeah Yeah Yeah
- She’s Very
- Rocknrolla!
- city
- You’re So Sweet & I Love You
- Waitress, Waitress!
- 言え ~ 弾き語りoutro.
- spy
- Thunder
- Waterdrop
- Rise
- Stimulator
- starrrrrrr
- Kick&Spin
- Famous Day
- Run Away
- Adventure
- Dog 3
- Leaving Grapefruits
- Dracula La
- Cat 2
お知らせ
[Alexandros] TOUR 2015
"ご馳走にありつかせて頂きます"
2015/10/09(金) 横浜BAYHALL
2015/10/17(土) 富山MAIRO
2015/10/18(日) 金沢EIGHT HALL
2015/10/25(日) 静岡SOUND SHOWER ark
2015/10/31(土) 広島BLUE LIVE
2015/11/01(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2015/11/03(火・祝) 高松OLIVE HALL
2015/11/07(土)・08(日) 新潟LOTS
2015/11/12(木)・13(金) 仙台Rensa
2015/11/15(日) Zepp Sapporo
2015/11/19(木)・20(金) Zepp Nagoya
2015/11/23(月・祝) Zepp Fukuoka
2015/11/25(水)・26(木) Zepp Namba
2015/12/05(土) 沖縄ナムラホール
2015/12/19(土) 幕張メッセ国際展示場
12月 香港・台湾公演も決定! 詳細は後日発表!
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。