レビュー
忌野清志郎 | 2014.12.21
『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM ~#1 入門編~』
イヴにはロックンロール・サンタクロース清志郎に逢いに行こう
J-ROCKの 巨人、忌野清志郎の貴重なライブを収めた映画が、来年2月に公開される。それに先立って、この12月24日に、1日だけの先行ロードショー(『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM ~#1 入門編~ X’mas Special』)が開催されることになった。
実は忌野清志郎は、1981年の12月24日に初の武道館ライブを行ない、その後、10年 間、クリスマス武道館を続けた偉人なのだ。それこそ80’sのロック・ファンにとって、クリスマスと言えば武道館に行くのがステイタス。つまり今回のイヴは、“ロックンロール・サンタクロース清志郎”が、時空を超えて2010年代のロック・ファンにプレゼントを届けにやってくる日なのだ。
『忌野清志郎ロックン・ロール・ショー~The FILM~#1入門編』には、RCサクセション時代やソロになってからの伝説ライブが次々に登場する。武道館と並んで彼のホームグラウンドだった日比谷野外音楽堂、当時最大規模の会場だった西武球場、清志郎の生涯の友であるスティーヴ・クロッパーが在籍し ていたバンド“ブッカ―T&ザMG’s” を従えたライブなど、僕はその半数を実際に観ているが、今回、大スクリーンで観るパフォーマンスに改めて圧倒された。
何より、彼の歌は「言葉が届く!」。一緒に試写を見た真心ブラザーズのYO-KINGも、 舌を巻いていた。だから清志郎が♪聞かせたい歌がたくさんあるのさ!♪と歌う名曲「よォーこそ」が、胸にズーンと響いたのだった。
そして、この映画で僕が特に感じたのは、徹底的に清志郎の魅力を追っていることだった。彼のそばにはいつも名ギタリストがいたのだが、この映画では仲井戸“CHABO”麗市以外はなるべく2ショットを避け、清志郎本人の姿を可能な限り浮き彫りにしている。その焦点の絞り方は、見事としか言いようがない。
もちろん「雨あがりの夜空に」や「スローバラード」も嬉しいが、僕がいちばんジーンとしたのは「君が僕を知ってる」。きっとこれをクリスマ ス・イヴに聴いたら・・・。おっと、妄想はこれくらいにして、さあ、雪の降る街に繰り出そうぜ!
【文:平山雄一】
<12/24(水)X’mas Special実施館>
北海道:札幌市 ディノスシネマズ札幌劇場
東京都:渋谷区 TOHOシネマズ 渋谷
神奈川県:横浜市 TOHOシネマズ ららぽーと横浜
愛知県:名古屋市 TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ
大阪府:大阪市 TOHOシネマズ なんば
福岡県:福岡市 TOHOシネマズ 天神
※作品情報や上映館の詳細などは公式サイトをご覧ください。