レビュー
FTISLAND | 2015.05.11
2007年、当時現役高校生バンドとして結成されたFTISLANDも、インディーズ期を含め結成から8年。2010年のシングル「Flower Rock」にて日本メジャーデビューから5周年となる。今ではチャートの常連でもある彼らのこれまでの集大成ともいうべき、5枚目のアルバム『5.....GO』がいよいよ発売となった。
アルバムの幕開けと同時に耳に流れ込むのは昨年のヒット曲となった「To The light」。メンバーであるイ・ジェジンとイ・ホンギが共に作詞を務めたこの曲では、たとえ闇の中にいたとしても、光を信じ、手を伸ばすという、彼らがあらためて抱く“決意表明”がしっかりと綴られている。しかも、激しく、力強いバンドサウンドが体中に響き続けるロック・バラードだからこそ、そのメッセージは深く、心に訴えかけてくるのだ。どんな状況でいても、挑戦や、初心は忘れない。そんな彼らの土臭い想いが伝わってくるこの曲が、1曲目になっていることに、多くの意味を感じずにはいられない。
そして、このアルバムには、かねてからバンドと親交の深いONE OK ROCKのTakaとの共作「Primavera」と「My Birthday」を収録。この2曲からは、お互い、世界で挑戦する者同士、これまでにない手ごたえがあったものだろうと感じさせてくれるドラマティックかつ、衝動的なバラードを聴かせてくれる。内に秘めたエネルギーを爆発させたかのようなサウンドと、イ・ホンギの力強く、でも切なさを残す歌声は、一度聞くだけでその世界観に飲みこまれてしまうのだ。これからも、このコラボがまた聴きたいと願うのは私だけではないはずだ。
さらに、作家陣を迎えて制作された楽曲からも、新たな一面をしっかりと感じることができる。歌謡テイストのメロディが心を刺す「CRYING IN THE RAIN」での情緒性は日本人にはたまらない歌詞がイ・ホンギの歌声で届けられることに感動し、エモロック界隈では認知度を上げているバンドMOTHBALLが楽曲提供をした「Hourglass」では、エモーショナルかつ、刹那を感じさせるサウンドがすでにライブを感じさせるのだ。
全体的に、とても壮大で、かつ彼らの意思が強くにじむ言葉が並ぶ今作は、まだまだ現状に満足していない彼らの野心を感じることができる。だからこその、タイトルが『5…..GO』なのだろう。まだまだ、走り続けることをこの音楽を耳にする人すべてに誓った今作は、すごく心強いし、聴いていて気持ちがいい。これからも、勢い衰えることない彼らの未来に期待せずにはいられない、1枚になった。
【文:吉田可奈】
◆FTISLANDモバイルサイト『FTISLAND☆ワールド』
「FTISLAND☆ワールド」(スマートフォン/フィーチャーフォン向け)では、様々なコンテンツをお楽しみいただけます。最新ニュース、メディア・ライブインフォメーション、ディスコグラフィーなどのコンテンツを提供するほか、会員登録をしていただくとチケット先行予約、壁紙、コメントムービー、相性診断や連載企画、誕生日にメッセージが届くバースデーメールなど、様々な特典や限定コンテンツが満載です。
http://m.ftisland-official.jp/
FTIALAND「Primavera」MUSIC VIDEO(メンバー動画メッセージ付き)