レビュー

ASIAN KUNG-FU GENERATION | 2015.05.27

連載 第72週
ASIAN KUNG-FU GENERATION『Wonder Future』


“エモいアジカン”は、ニューアルバム
『Wonder Future』で無敵の夏を迎える。


 1曲目の「Easter/復活祭」を聴いて、ぶっ飛んだ。高い音圧のギターが圧倒的にかっこいい。さらには後藤正文のボーカルがシャウトしまくっていて、エモいのだ。録音はロスアンジェルス。あのフー・ファイターズのスタジオで思い切り演奏し、それがそのままパッケージされている。あまりのギター・サウンドの良さに、これまで封印してきたギター・ダビングまでやってしまったという。しかもこの曲のメインのギターは後藤が弾いている。

「お陰で、ツアーに出る前の練習が大変(笑)。しっかり弾きたいので、ピックも小さいのに変えました」と後藤。彼らにここまでさせた原動力をこう語る。「やってられない時代に生きる人たちの、それぞれの復活を歌おうと思ってました。めちゃくちゃ皮肉めいたことを歌ってます。でも根底にあるのは復活したい気持ち。基本的には前向きなことを言いたかった」。その思いが、この痛快なギターロックを生んだ。その他、ニューアルバムにはへヴィーでエモーショナルな曲がたくさん入っている。

 後藤は昨年、ソロ活動をしていたが、その音楽のテイストは “フォーキー”なものだった。キャッチコピーのような言葉では、時代の様相は描けない。人々の実際の暮らしを捉えるには、“語る音楽”=フォークが有効だった。それをやり切った後藤は、アジカンとしてのメッセージを送る方法として、へヴィーでエモーショナルな音楽を選んだ。

 また一方で、アルバムのラストを飾る壮大な組曲「Opera Glasses/オペラグラス」を見事に構成し切っていて、聴きごたえがある。

 余談だが、このアルバムの発売前に行なわれた“酔杯フォーエバー”のライブでアジカンは、レコーディングの勢いそのままに熱い演奏を繰り広げた。それを見に来ていたKANA-BOONのメンバーに「4つ打ちは君らに任せた」と後藤は笑顔で言い渡したのだった。

 ガッと弾けるアジカンを待ち望んでいたファンも多いだろう。“エモいアジカン”は、このアルバムで無敵の夏を迎える。

【文:平山雄一】

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リリース情報

Wonder Future(初回生産限定盤)[CD+DVD]

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Wonder Future(初回生産限定盤)[CD+DVD]

発売日: 2015年05月27日

価格: ¥ 3,700(本体)+税

レーベル: Ki/oon Music

収録曲

[CD]
01.Easter / 復活祭
02.Little Lennon / 小さなレノン
03.Winner and Loser / 勝者と敗者
04.Caterpillar / 芋虫
05.Eternal Sunshine / 永遠の陽光
06.Planet of the Apes / 猿の惑星
07.Standard / スタンダード
08.Wonder Future / ワンダーフューチャー
09.Prisoner in a Frame / 額の中の囚人
10.Signal on the Street / 街頭のシグナル
11.Opera Glasses / オペラグラス

[DVD]
01. Easter / 復活祭 (Music Clip) 
02. Standard / スタンダード(Music Clip) 
03. Recording Documentary @ Studio 606 & Rock Falcon Studio

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