ゴスペラーズ、ベストアルバム『G20』&全都道府県ツアーについて

ゴスペラーズ | 2014.12.26

 ゴスペラーズ20周年アニバーサリーとなるデビュー記念日直前にリリースされたベストアルバム『G20』。選曲は、シングル、カップリング、アカペラ、カバー、アルバム曲前期、アルバム曲後期と部門別に分けたファン投票のランキングがベースとなっている。いわゆる聴き手が思うゴスペラーズの魅力がギッシリつまったベスト盤。なにげない言葉の端々に、20年で築き上げてきた彼らの独自性がのぞくインタビュー。どうぞお楽しみください。

EMTG:まず、ランキングで意外だった曲、入っててうれしかった曲など、ありましたか?
黒沢:カバー部門で、村上と僕がその昔お世話になったJIVEさんの「Heartbeats」が2位に。これは予想外でしたね。当時、こんなにいい曲でも、ヒットするってワケじゃないんだなということも思ったりしたわけですよ。今回の結果で、やっぱいい曲なんだと確信しました。当時延々とファルセットがリードをとるって珍しかったんですよ。
EMTG:村上さんのファルセットと、地声に戻って歌う「何もかも 何もかも yeah yeah」も耳について離れないです。
黒沢:僕らもJIVEさんのを聴いてそう思ってた。よく真似してました(笑)。
村上:作曲はあの小西康陽さんですからね。四半世紀を経て甦らせることができてうれしかったです。
北山:僕は比較的最近の「Love me! Love me!」がアカペラ部門で2位になったこと。アカペラ好きを自負する人間としては、「オマエ、さぼってんじゃねぇぞ」とつきつけられた感じもしました。
安岡:「1, 2, 3 for 5」がシングルの1位になったのもうれしかったですね。この10年の活動を評価してもらった気がして。
村上:たしかにここ10年のことを言えば、バランスとしてアカペラは少なかったですよね。その分、何を頑張ってきたかということが如実に結果に出てる。アルバム曲後期で「ギリギリSHOUT!!」が1位になったのもね。俺自身は、シングルで「告白」が4位になったことかな。そこまでこの曲のことを気遣ってくれてるんだと思って(笑)。
EMTG:「永遠(とわ)に」と「ひとり」の間に挟まれたシングルということで、可哀想なイメージがあるんでしょうね。「私たち、忘れてないわよ」とファンは言いたいんでしょうね。
酒井:「告白」の無念さは、半分マジで、半分ネタのようにもなってる。それも含めて伝わっているのかもしれないですね(笑)。
村上:シングルの売り上げということではゴスペラーズのトップ10に入りますから。
黒沢:そんなに嘆かなくたって大丈夫だよってことなんですけど(笑)。
村上:まぁでもそれを見て、ドーンとブレイクした頃の曲の強さを、あらためて感じましたね。2001~2004年の全盛期の。
黒沢:第一次全盛期と言おうよ(笑)。
村上:そう。だから、塗り替えていこうという闘志も湧くわけです。ちなみにランキングにはいっさい手心を加えてませんよ。逆に言えば、「氷の花」はランキング外だったけど、俺らの歴史の中でやっぱり大事な曲なので『G20』に収録したわけです。
EMTG:ガラス張りなのがゴスペラーズらしい。
酒井:「LOVE MACHINE」がカバー部門で1位というのが、ある意味異常だなと(笑)。
EMTG:『G10』、『G15』のライブで「空飛ぶ彼」を観たファンならではの反応ですね。
酒井:佐藤善雄さんが「<LOVE MACHINE>のあとは<SEX MACHINE>だな」とうれしそうに語ってたんですけど(笑)。
安岡:「彼」が一瞬JBに変身するなんてことはあるかもしれない(笑)。
EMTG:栄枯盛衰激しいなか20年やってこれた理由を、ご自分たちで分析すると?
北山:壊滅的に仲が悪くなったとか俺らから発生する原因がなかったという以外は、運だと思います。運よく僕たちを理解し、思い続けてくれている人がいるという。
村上:たしかに誰かが泣き出すような大きなドラマといった結束が強めた方程式みたいなものはないね。
安岡:藤井フミヤさんが僕らにこう言ったことがあるんです。「ミュージシャンは農家と同じ。何かを刈り取るときには次の種を蒔かなきゃいけない。それをずっとやり続けるんだよ」と。それをやってきたから、続けてこれたのかなと。
北山:農家のご苦労と違うのは、短期的な結果で失敗/成功がわかること。たとえばメンバー内コンペで破れたら、自分のなかで種の育て方を変えればいい。そうやって頑張ってこられたんだと思います。
EMTG:生き残るためにどうするかと世の中が戦々恐々となっているなかで、ゴスペラーズはブレない軸を持っている気がします。
黒沢:もともと俺らって、人前でパフォーマンスするのが楽しいからとアカペラを始めた。歌うのが好きで、パフォーマンスしてなんぼと考える5人が集まったということですよね。
EMTG:やっぱりライブの比重は大きいですよね。「LOVE MACHINE」が選ばれてるのも、ライブを見ての印象が強いからでしょうし。
酒井:「東京スヰート」が上位にいるのも、ライブのエクステンデッド・バージョンの印象が反映された結果でしょうね。
黒沢:重心はライブにありますね。つまり、ビジネスの神様と向かってるわけじゃない。音楽の神様や舞台の神様とは向き合ってるんだっていう。
EMTG:デビュー記念日から始まる66公演に及ぶ『ゴスペラーズ坂ツアー2014~2015“G20”』はどんな感じになりそうですか?
村上:基本的にランキング上位のもので構成していきます。今までのライブでよかったシーンなども思い出させるようなダイジェスト的な要素も組み込みながら。磨いてきたものに拍手をいただいてもよかろうと。ま、新しい挑戦だった『ハモれメロス』があったからこそ、そこまで割り切れるんですけどね。「やっぱゴスペラーズええわ」+「ライブええわ」となっていただける努力をしたいと思ってます。
北山:すでにできることを観客の予想以上のものにするという意味では、ハードルは上がってるんですよ。
安岡:来年の夏までの長いツアーなので、季節の移ろいで変化するツアーにもなると思います。
村上:いろんなところでいろんなものを食べる楽しみもありますね。
EMTG:「彼」はやってくるんでしょうか?
酒井:そろそろメールがくる頃だとは思うんですけどね(笑)。

【取材・文:藤井美保】

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リリース情報

G20(初回生産限定盤)

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G20(初回生産限定盤)

発売日: 2014年12月17日

価格: ¥ 4,167(本体)+税

レーベル: Ki/oon Music

収録曲

[Disc 1]
01. 1, 2, 3 for 5
02. ギリギリSHOUT!!
03. Thank You
04. ミモザ
05. Heartbeats
06. Love me! Love me!
07. 冬物語
08. Love Vertigo
09. SING!!!!!
10. 一筋の軌跡
11. Right on,babe
12. 見つめられない
13. 冬響
14. 氷の花
15. ラヴ・ノーツ
16. クリスマス・クワイア

[Disc 2]
01. 侍ゴスペラーズ
02. LOVE MACHINE
03. 永遠(とわ)に
04. ひとり
05. 星屑の街
06. 靴は履いたまま
07. Beginning
08. Slow Luv
09. 東京スヰート
10. GOD BLESS YOU
11. U’ll Be Mine
12. いろは
13. FIVE KEYS
14. 告白
15. あたらしい世界
16. Promise -a cappella-

[DVD]
・「クリスマス・クワイア」ミュージックビデオ
・祝!ゴスペラーズデビュー20周年 G20 最強のGOSは誰だ!? 「KING OF GOS」選手権~総合編~

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■マイ検索ワード

●黒沢 薫
YouTube 新 美に生きる 彫刻家篠田守男

僕はBGMのない職人のドキュメンタリーが好きなんですよ。サンドペーパーをかける音とか、彫刻刀の音とか、マイクを通ったいい音で聴きたい。疲れたときにヘッドフォンで聴くと最高なんです。ヘンな趣味です(笑)。

●安岡 優
育てるタオル SODA-TE-TE

洗濯すればするほどフカフカになるといタオルがあると知って、めちゃめちゃ欲しいと思ったのを、今、思い出して検索しました。税込みだと5千円近くするものですが、長く愛用できそうなので、今日買います(笑)。

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東京油田

渋谷アップリンクで『ホドロフスキーのDUNE』を観たあと、レストランでご飯食べてたときに目に入った看板の文字です。天ぷら油をリサイクルする仕組みのようで、ヘーッと。僕は料理はしないんですけどね(笑)。

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重曹への興味が続いてます。最初は鍋を洗うためだったんですけど、胃薬にもなるって話を聞いてね。たいした効果じゃないらしいけど、世の中の胃薬もそんなもんらしく、早速飲んでみてます。意外とスッキリしますよ。

●北山陽一
246 うなぎ 名店

以前リハの帰りに246を歩いていたら、ふと鰻屋が目に止まり入った。そしたらすごく旨かったんです。お値段もよかったけど。もう一度行きたいなぁと。

植松 努さん
※詳細は上の動画コメント参照


■ライブ情報

ゴスペラーズ坂ツアー2014~2015“G20”
2014/12/21(日)さいたま市文化センター 大ホール
2014/12/23(火・祝)千葉県文化会館 大ホール
2014/12/27(土)神奈川・よこすか芸術劇場

2015/01/07(水)東京・府中の森芸術劇場 どりーむホール
2015/01/09(金)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2015/01/10(土)京都・文化パルク城陽 プラムホール
2015/01/12(月・祝)和歌山市民会館 大ホール
2015/01/17(土)山梨・東京エレクトロン 韮崎文化ホール 大ホール
2015/01/18(日)群馬・ベイシア文化ホール 大ホール
2015/01/22(木)神奈川県民ホール 大ホール
2015/01/24(土)三重・四日市市文化会館 第1ホール
2015/01/25(日)岐阜・土岐市文化プラザ サンホール
2015/01/30(金)新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム
2015/01/31(土)新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム
2015/02/07(土)山口・防府市公会堂
2015/02/08(日)岡山市民会館
2015/02/11(水・祝)大分・iichikoグランシアタ
2015/02/12(木)宮崎・延岡総合文化センター 大ホール
2015/02/14(土)長崎市公会堂
2015/02/15(日)佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール
2015/02/21(土)香川・アルファあなぶきホール 大ホール(香川県県民ホール)
2015/02/22(日)愛媛・松山市民会館 大ホール
2015/02/25(水)東京・中野サンプラザホール
2015/02/26(木)東京・中野サンプラザホール
2015/02/28(土)静岡・アクトシティ浜松 大ホール
2015/03/01(日)静岡・沼津市民文化センター 大ホール
2015/03/07(土)栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
2015/03/08(日)茨城・結城市民文化センター アクロス 大ホール
2015/03/14(土)なら100年会館 大ホール
2015/03/15(日)福井・フェニックスプラザ 大ホール
2015/03/21(土)山形・酒田市民会館「希望ホール」大ホール
2015/03/22(日)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2015/03/27(金)東京・中野サンプラザホール
2015/03/28(土)東京・中野サンプラザホール
2015/04/17(金)東京・中野サンプラザホール
2015/04/18(土)東京・中野サンプラザホール
2015/04/25(土)長野・ホクト文化ホール 大ホール(長野県県民文化会館)
2015/04/26(日)石川・北陸電力会館 本多の森ホール
2015/04/29(水・祝)新潟県民会館 大ホール
2015/05/02(土)鳥取市民会館 大ホール
2015/05/03(日)島根県民会館 大ホール
2015/05/05(火・祝)鹿児島・宝山ホール(鹿児島県文化センター)
2015/05/06(水・祝)熊本・市民会館祟城大学ホール 大ホール(熊本市民会館)
2015/05/09(土)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
2015/05/10(日)富山・高周波文化ホール 大ホール(新湊中央文化会館)
2015/05/16(土)徳島・鳴門市文化会館
2015/05/17(日)高知県立県民文化ホール オレンジホール
2015/05/22(金)東京・中野サンプラザホール
2015/05/23(土)東京・中野サンプラザホール
2015/05/30(土)秋田市文化会館 大ホール
2015/05/31(日)リンクステーションホール青森(青森市文化会館) 大ホール
2015/06/06(土)岩手県民会館 大ホール
2015/06/07(日)仙台サンプラザホール
2015/06/13(土)北海道・たきかわ文化センター 大ホール
2015/06/14(日)北海道・ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)
2015/06/18(木)埼玉・東松山市民文化センター
2015/06/20(土)東京・渋谷公会堂
2015/06/21(日)東京・渋谷公会堂
2015/06/27(土)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2015/06/28(日)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2015/07/03(金)広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
2015/07/04(土)福岡サンパレスホテル&ホール
2015/07/09(木)大阪・オリックス劇場
2015/07/11(土)グランキューブ大阪 メインホール
2015/07/12(日)グランキューブ大阪 メインホール
2015/07/18(土)沖縄・コンベンションセンター 劇場棟

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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