go!go!vanillasが音楽に触れた歴史を振り返る短期集中連載『go!go!music!!』。
毎回、テーマに沿って、メンバーが1人1曲ずつセレクト。 セレクト理由や、曲にまつわるエピソードを語りながら4人の音楽ルーツを紐解きます。時には、メンバーのリアル＆レアなネタも飛び出すかも？
　なお、この連載ではベースの長谷川プリティ敬祐が、初の司会にチャレンジ。その絶妙なMCぶりもご注目ください！

中学2年生で初めてバンドを組みました。初めてコピーする曲は？

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　牧達弥（Vo・G）：Beastie Boys 「Ch-Check It Out」
　宮川怜也（G）：Oasis 「Rock ’n’ Roll Star」
　長谷川プリティ敬祐（B）：Sex Pistols「Pretty Vacant」
　ジェットセイヤ（Dr）：Ramones「Blitzkrieg Bop」

怜也の部屋のトビラに「I wanna be a Rock ’n’ Roll Star」って紙が貼ってあった（セイヤ）

プリティ：書けた？一斉に出すよ。せーの！ドーン！

牧：嘘やろ、お前（プリティ）！ちょっと待て。また同じ人生を繰り返すのか？

プリティ：2周目の人生もプリティでいこうと思って（笑）。

牧：そうなんだ。俺は、想像で違う人生を考えたけど……。

プリティ：じゃあ、セイヤから。その曲を選んだ理由を。

セイヤ：自分は、Ramonesの「Blitzkrieg Bop（邦題：電撃バップ）」。

実際に中学のときに初めてバンドを組んで、文化祭で「どの曲やろう？」って決めたのが、この曲だった。当時はドラムじゃなくて、ギターを弾いたんだけど。A、E、Dの3コードで構成されてる曲で、初めてギターを弾くには、スーパー簡単で、スーパーかっこいい。高校でバンドを組んだときも最初は「Blitzkrieg Bop」だったね。

プリティ：周りもけっこうコピーしてたよね。

牧：やってたし、逆にこれしか弾けないぐらいだった。

プリティ：ちなみに、俺も実際にやってたSex Pistolsの「Pretty Vacant」。

この曲があったから自分は“プリティ”になったし、自分の原点でもあるから、人生2周目に入ってもこれ。3周目でもやると思う。

牧：マジか！お前のカルマはプリティか。

プリティ：そこを抜けださない限り解脱はないよね（笑）。

セイヤ：俺のRamonesもそうだな。

牧：やっぱ、Ramonesの次がSex Pistolsっていうのはあるよね。

セイヤ：コードワークが増えていく。

牧：最初は「これ何？」って一瞬ドキッとするけど。パターンとしては簡単だから。

セイヤ：で、その次にThe Clashがきて。

宮川：The Clashのほうが難しい。

プリティ：じゃあ、次。怜也いこうか。

宮川：Oasisの「Rock ’n’ Roll Star」。

プリティ：……の前に、その絵は誰？

セイヤ：西郷隆盛？

牧：……と、ジョン・レノン？

宮川：いや、違う！リアム（右）、ノエル（左）。

牧：これが兄弟ってちょっと……。そりゃ喧嘩もするわ。

全員：あははははは！

宮川：「Rock ’n’ Roll Star」は、Oasisの1stアルバム（『Definitely Maybe（邦題：オアシス）』）に入ってる曲。もちろん実際にコピーしたし。あと、中学2年生ってさ、ちょっと自分の世界的なものが入ってるじゃん？

セイヤ：あっ！それで俺、おもしろいこと思い出した。ずっとさ、怜也の部屋のトビラに、「I wanna be a Rock ’n’ Roll Star」って自分で手書きした紙が貼ってあったんだよ。

全員：あははははは！

プリティ：いつ書いたの？

宮川：高校ぐらい。

セイヤ：いまも貼っとる？

宮川：あるよ（笑）。

牧：実家は絶対あるよな。俺も書道で「一発かます」って書いたのをドアに貼りっぱなし（一同爆笑）。

プリティ：じゃあ、最後。牧は？

牧：Beastie Boysの「Ch-Check It Out（チ、チェック・イット・アウト）」。

これはね、まさに中2のときに、この曲が収録されたアルバム（『To The 5 Boroughs』が出たの。

プリティ：聴いてたよね。

牧：うん。このアルバムがCDショップでドーンって宣伝されてて。しかもロックのジャンルに置かれてたから、「新しいバンドや！」と思って買った。で、聴いたら、サンプリングがガンガン入ってて。初めてヒップホップとかラップみたいな、パンクとかロックじゃないところでかっこよさを感じたのがこの曲やった。仮にこれを掘っていきよったら、たぶんいまの俺はおらんなと。

プリティ：じゃあ、次に生まれ変わったらこっちにいく？

牧：そうなったら、一番最初に手にしたのはギターじゃない可能性があるよね。サンプラーとかさ。MC MAKIになって、「チェケラ！」するかな。

プリティ：違うヴァイブスが生まれるよね。

EMTG：4人の出したバンド。年代的にはバラバラなんだよね。

牧：たしかに。70年代、80年代、90年代で。中2だとまだ、それこそ60年代のロックンロールバンドとかはあんまり知らなかった。The Beatlesも知らなかったな。

プリティ：やっぱり中2くらいだと、刺激が強いほうが楽しいんだよね。

牧：そうやね、The Beatlesとか、ちょっと軟派に見えてたもんな、あの頃。やっぱり尖ってたもののほうがかっこいいと思ってた。

EMTG：じゃあ、最後にgo!go!vanillasの新曲『バイリンガール』が4月1日にリリースされるということで。中2の子たちがこの曲をカバーするとしたらポイントは？

プリティ：ベースでいうなら、気持ちを前に前に出す！

牧：それヤバいな。もうベースじゃないよ（笑）。

プリティ：「ベースがこの曲を引っ張るんだ！この曲は」っていう気持ち。

宮川：だから、ギターはそのベースを聴くことが大事だなと思います。

セイヤ：ドラムは8ビートですね。俺はRamonesで8ビートを習得したから、この曲で8ビートをぜひ習得してほしい。

牧：いや、でもこの曲を中2で弾くのはけっこう難しいと思う。それこそ僕らが中2のときは「できる！」と思ったものをやってたじゃん。だから、俺はその子たちが好きようにやったのをSex PistolsとかRamonesは、たぶん本人が思ってたのと全然違う方向になってたと思うから。そういうのが見たいな。

プリティ：そういう意味で言うと、ベースを弾くうえでのポイントはプリティより上手く弾かないこと。

全員：あははははは！

牧：そう、上手いからね。今の子たち。コツは味を出すってことかな。

セイヤ：もし、バニラズの曲で中2の子がカバーするなら「非実在少女」がお薦め。

プリティ：あれはシンプルだからね。

牧：まさにパンクロックに近いわかりやすい構成だし。

プリティ：で、かっこいい要素もいっぱい入ってるから、やり甲斐もあると思う。

牧：うん。でもバニラズのカバーは本当に聴いてみたい。これを読んだ人、やってくんないかな。中学生じゃなくても良いので、演奏を撮ったDVDとか、事務所まで送ってください（笑）。

【取材・文：秦理絵】

大親友が結婚。余興を頼まれたときに歌う（演奏する）1曲。