UNISON SQUARE GARDEN結成10年目の意思が1つになった新シングル!

UNISON SQUARE GARDEN | 2015.05.19

 UNISON SQUARE GARDENが、ニューシングル『シュガーソングとビターステップ』を完成させた。テレビアニメ『血界戦線』のエンディングテーマとしてオンエアされているが、歌詞からメロディからアレンジから、全てにおいてユニゾンの意志表明そのもののような、気持ちいい仕上がりだ。ギター、ベース、ドラムという基本的なバンドのアンサンブルが楽しげなほど自由でありながら、そこを歌声がポップに引き締めている。驚き続けたいし、驚かせ続けたい――そんな彼らの思いが見えるようだ。7月には結成10周年記念アルバム『DUGOUT ACCIDENT』のリリースと、初めての日本武道館公演もある。ますます頼もしい飛躍を続ける3人に訊いた。

EMTG:『シュガーソングとビターステップ』は、テレビアニメのエンディングテーマですが、ユニゾン色が濃いナンバーになっていますよね。
田淵智也(B):書き下ろしの話をいただいたときには、アニメの監督のなかでテンポ感が完全に決まっていたんです。だから、制約が多い話かと思いきや、その中でも自由度が高かったんですよね。今までのシングルの曲調とは違うから、大丈夫かな?っていう不安はあったけれど、複雑怪奇な仕掛けも作って、シングルらしい重厚感は込められたと思います。
EMTG:その発想は、ユニゾンのシングルならではですよね。
田淵:シングルらしい重厚感を出すには?ということで僕が考えた方法が、いろいろ詰め込む、っていう。大衆音楽を作ろうとしている人が言っちゃいけないような気はしますけど(笑)。僕なりのレジスタンス精神というか。
EMTG:イントロのドラムから、曲の自由度の高さを感じさせますよね。
鈴木貴雄(Dr):それはユニゾンの魅力ですから。ひとつのグルーヴでずっと、っていうのじゃなく、耳で聴いていて感触が楽しい感じですよね。若い子が聴いてドラムやってみたいな、って思うような。
EMTG:そして、こういう曲だからこそ、斎藤さんの一筋の歌声が肝にはなってきますね。
斎藤宏介(Vo/G):より洗練されたプレイと音作りは考えましたね。田淵が詞曲を書いている以上、楽曲を最大限に引き立てることが自分に出来ることだと思うから。
EMTG:デモはカッチリと作り込んでいたんですか?!
田淵:デモで大枠は出来ていたんですけど、バンドで合わせていたら楽しくなってきちゃって、間奏の一筋縄ではいかない感じを、もう二筋縄くらいいったほうがいいんじゃないかって変えたりはしましたね。
EMTG:今、バンドが楽しい!と思えている時期なんじゃないですか?
田淵:まあ、楽しくなきゃバンドはやらないですからね(笑)。引き出しに限界はあるから、つまんなくなったらどうしようってビビってはいますけど。あと、チーム含めて許されている空気はあります。これ、メジャー1年目とかでは出来ないと思うんですよね。こんなの売れない!って言われるようなことばっかりやってるから。僕は天才じゃないから、エゴイスティックにやることはそれなりの努力がいりますよね。周りの人と上手くやることだったり、長く続けることだったり。凡人なりに大人になったんですよね(笑)。
EMTG:そこ、突っ込みたいんですけど(笑)。凡人っていう自覚があるんですか?
斎藤:凡人っていう自分を受け入れる事が、成長に繋がるとは思いますね。あれもできるこれもしたいっていうよりは、自分たちの持ち物を理解してやっていく方が。
鈴木:俺から見たら田淵も宏介も人並み以上だけど、それって小さい頃から培ってきたものだから。そういう意味で僕は努力の量で人には負けたくないと思うんですよね。人並み以上に頑張った上で、やっと土俵に立てる気がするので。60歳までやっていたいから。
EMTG:歌詞も、ユニゾンがやっていきたいことが前面に表れていますよね。《世界中を、驚かせ続けよう。》とか。
田淵:デカいこと言っていますけどね(笑)。こんな歌詞が嫌い、とかもあるじゃないですか。例えば《永遠に愛してる》とか、永遠ってすぐ死ぬじゃないか?って。そういうの削ぎ落していくと、1個か2個しか書きたいことがなくなるんですよ。ただ、これってバンドが行き詰まっていると出来ないですよね。そうなると、みんなが共感する歌詞とは?って、研究する方向に走り出すから。僕も、そうなりかけた時期はあったし。
斎藤:その田淵迷走期に(笑)、田淵色が濃くて悩むことはありましたけど、最近は一切ないですね。バンドの意志が1個になっている感じはあるし。
EMTG:カップリングの『東京シナリオ』の歌声の包容力も、今だからこそ出せるものなのかな、って思いましたよ。
斎藤:これ、録ったの結構前なんですよ。
EMTG:あれ、失礼しました!
斎藤:いえいえ。
田淵:ディレクターが気に入ってくれていたんですけど、僕らの勢い的にゆっくりな曲を出せる空気でもなかったし、保留にしていました。でも、過去にいい曲なかったかな?って思い返したら、この曲があったので。
EMTG:そういう宝箱に閉まっている曲は、他にもあるんですか?
田淵:20曲くらいあります。でも、よくないからなあ(苦笑)。すごい暗い曲があるんですけど、それを斎藤くんが気に入ってくれているんですよね(笑)。
斎藤:あ、あれか(笑)。
EMTG:凄く気になりますけど(笑)。7月には武道館公演も控えていますね。
田淵:そもそも僕、でっかい会場でライヴを見るのはあんまり好きじゃないんですけど、あそこは別ですね。“魔法”があると思って。でも、生半可なバンドにはできないんですよね。怒髪天とthe pillowsを見て、そう簡単にやっちゃいけないって思ったし。でも、結成日のスケジュールが押さえられたって言われると反対できないなと(笑)。少なくとも5年は早いと思ったんですけど、チームの悲願でもあるし。その先にいつものライブハウスに戻ってくる武道館になればいいなと思っています。

【取材・文:高橋美穂】

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リリース情報

FABLED NUMBER『THUNDER』

FABLED NUMBER『THUNDER』

発売日: 2017年11月08日

価格: ¥ 1,852(本体)+税

レーベル: 日本クラウン

収録曲

1. Like a Thunder
2. Good-Bye
3. Keep on Killing me
4. RED
5. ザ クロスレインボー
6. Ride the Sound
7. Encounter
8. Rolling

リリース情報

シュガーソングとビターステップ(初回限定盤)[2CD]

シュガーソングとビターステップ(初回限定盤)[2CD]

2015年05月20日

トイズファクトリー

<収録曲>
1. シュガーソングとビターステップ
2. シグナルABC
3. 東京シナリオ

<初回限定盤付属CD収録内容>
UNISON SQUARE GARDEN "fun time ACCIDENT 2" LIVE TRACKS
1. シューゲイザースピーカー
2. シャンデリア・ワルツ
3. Miss.サンディ
4. さよならサマータイムマシン
5. デイライ協奏楽団
6. サイレンインザスパイ
7. 何かが変わりそう
8. アイラブニージュー

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お知らせ

■マイ検索ワード

●鈴木貴雄(Dr)
自殺率

インタヴューのために調べたんですよ。『シュガーソングとビターステップ』には、閉塞感のある日々を如何に楽しく生きるかっていうメッセージもあるんですけど、僕は日本に生きづらさを感じているので、自殺率を調べたんです。1位は断トツでグリーンランドで、日本は13位でした。

●斎藤宏介(Vo/G)
垂涎

うちのA&Rが、10周年記念アルバムを出すにあたって、“垂涎モノのアルバム”って言っていて、そこで調べました(笑)。いやあ、知らない言葉ってたくさんあるなあって。自分の中で流行ってて、使いたいと思って3週間くらい経つんですけど、なかなかキッカケがないですね(笑)。

●田淵智也(B)
足先 ピリピリする

喫茶店で本を読んでる時に足の指先がピリピリしてきて、そういうのビビりだからいろいろ調べたんです。可能性のある病気が、痛風、糖尿病、脳梗塞、ヘルニアっていう、どれでもヤバいな!って(笑)。痛風はビールそんな飲まないし、糖尿病は変な食生活してないし……って潰していって。一時的になるものもあるみたいなんで、何週間か様子見て治ればいいなって思っていたら、もうなんともないんで。疲れていたんでしょうね(笑)。


■ライブ情報

UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL
"fun time 724"

2015/07/24(金)東京都 日本武道館

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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