3人組ガールズバンドChelsyが5月27日にニューシングル『SistAr』をリリースする。YUIやステレオポニーなど数多くのヒット曲を手がけるHoney Bee Studio主催の育成型オーディション「みつばち軽音楽部」出身の彼女たち。昨年メジャーデビューを果たし、4月にはTSUTAYA O-WESTで自身最大規模の会場でライブを成功させたばかりだ。
　インタビューではEMTG MUSIC初登場となる今回は、そのライブの手応えと、オーディション出身の3人が培ってきた姉妹のような関係性、その絆を歌った新曲「SistAr」について訊いた。

EMTG：4月の O-WESTのイースターワンマン、3人ともかっこよかったです。

全員：ありがとうございます！

EMTG：バンドにとって最大キャパシティでしたけど手応えは感じてますか？

AMI（Dr, Cho）：ステップアップのワンマンになったと思います。ずっとeggmanをホームにしてたんですけど、初めてのO-WESTで、ギリギリですけどソールドアウトできたのは嬉しかったです。みんなで「やったー！」って喜んだけど、満員のO-WESTを見てもっと広いところに行きたいなって思いましたね。

MIO（Vo, G）：わたしも「まだまだだな」って。もっと奥が見たいなと思ってます。

SHIZUKA（B, Cho）：がんばらなきゃなと思いましたね。

EMTG：達成感はありませんでしたか？

MIO：……達成感かぁ。

AMI：満足はしなかったですね、正直。

MIO：想像するのがもっと大きい会場なんです。武道館とか。こう見えるんだろうなっていうのがあって。いつかそういうところでやりたいなと思うから通過点なんです。

EMTG：貪欲ですね。ライブではメンバーの雰囲気の違いが面白いと思ってたけど、そういうところは3人とも似てる。メンバー同士はお互いの性格をどう見てますか？

SHIZUKA：昨日、プロデューサーと話をしてたんですけど、世の中の女性を3パターンにわけたら3人はわかれるね、みたいな。

MIO：もっともだよね。

AMI：まったくかぶってないんですよ、性格が。

SHIZUKA：私たちはオーディションで集まったので、もし学校だったらいつも一緒にいるメンツではないと思うんです。それが結果的には良かったなと思いますね。

EMTG：そのあたりを少し詳しく訊いてみたいんですけど。メンバーはある日突然一緒にバンドを組むことになったの？

AMI：そうです。いきなり呼び出されて「バンド組んで」って。

EMTG：そう言われてどうでした？

MIO：最初は「どうやるの？」って思いました。できるのかな？　でも、やるしかないなって感じで。でも、いざバンドをやったら、後ろにベース、ドラムがいるっていう安心感が出てきましたね。

EMTG：ふたりはどうでしたか？　最初にバンドを組むって言われて。

SHIZUKA：私はもともとガールズバンドに興味がなくて。男のなかに女がひとりみたいなバンドをやりたいなと思ったんです。ガールズバンドか……みたいな感じで。でも、せっかくいただいた話なのでやってみようと思って始めましたね。

AMI：自分が音楽をやっていくなかで「また次のミッションを与えてもらえたんだ」っていう想いで、すごい嬉しかったんですけど。でも性格が全然違ったし、友達でもなかったから「大丈夫かな」って思いながら。やりながら楽しくなってきた感じですね。

EMTG：やっぱり最初はみんな不安だったんだ。

SHIZUKA：そうですね。最初はChelsyは4人だったんですけど。オーディションで集まったっていうのもあって、ぽんぽん順調にいくんじゃないかなと思ってて。だから、どこかメンバーも他人事だったというか。でも1回契約を切られちゃったり、メンバーが抜けたりして。そういうときに3人で話し合う機会があったんです。そこからかな、ギュっと深まった感じはあったよね。

EMTG：どういうことを話し合ったんですか？

MIO：その契約を切られたときに私は1回脱退して。またふたりが……。

AMI：「MIOがいい」って言ったんです。

MIO：それで戻ってきて、どういう方向性でやろうかって話をして。

EMTG：なるほど。最初は事務所に組まされたバンドだったのが、だんだんふつうにバンドを組んでる子たちみたいに、自分たちの意志で動かせるようになっていったんだ。

AMI：そう、逆でしたね。いまは言いたいことは全部言い合える関係です。

EMTG：ライブで今回のシングルになった新曲「SistAr」を演奏するとき、SHIZUKAさんが「これから3人は姉妹みたいに続けていくんだ」って言ってたのが印象的でした。

SHIZUKA：大学の友だちとかに「3人って仲良いの？」って言われたりするんですよ。やっぱり女性だから、そういうイメージを抱きやすいんだと思うんですね。それで「仲良いよ」って言うのも違うなと思って。友達の仲の良さとは違って、家族的な仲の良さなんです。ケンカとか揉めたりとかもするけど、次の日になったら別に根に持つこともなくて、ふつうに接せられる。それが姉妹みたいだなと思って作りました。

AMI：この歌詞を見たとき、私たちの関係って友達ではないことは感じてたけど、シスターで表せるんだなっていうのはピンときましたね。

EMTG：サウンドはこれまでのシングル以上にアップテンポな曲になりましたね。

MIO：初めて聴いたときは最初のギターのフレーズを聴いて、めっちゃ好きだと思いました。すごく歌もハマったし、気持ちいい歌だなと思ってます。

AMI：わたしもデモを聴いたときから疾走感のある曲だなと思いました。イントロがすごく広がってるのに、Aメロはすごくタイトだし、展開が面白いんです。演奏するのも楽しんじゃないかなと思いましたね。

EMTG：Chelsyのサウンドはすごくストレートなバンドサウンドなんだけど、それがバンドの大きな特徴になってますね。

SHIZUKA：全員がそれぞれ作曲をするのでジャンルの幅は広いと思うんです。しかもMIOの声が特徴的なので、どんな曲でもMIOが歌うとChelsyになる。だからこういう曲を作ったらダメとか、向いてるとかは考えずに自由に作ってます。メンバーがみんなキャッチーなメロディを作るのが得意なのでそれは武器かなと思ってます。

MIO：一度聴いたら忘れられないメロディとかね。

AMI：いろんな人のそばにいるという意味で、日常に寄り添えるような音楽を作りたいなっていうのはずっと思ってますね。

EMTG：わかりました。最後にタイトルの表記にはどんな意味を込めましたか？

SHIZUKA：「スターになりたい」っていう気持ちを込めて、SisterとStarをかけたスペルにしました。私たちはずっとアリーナ会場でライブをしたいっていう夢があるんです。

EMTG：それぞれが抱くスターっていうのはどういう存在？

SHIZUKA：うーん、難しいんですけど。私たちは音楽をただやるだけがライブじゃなくて、エンターテイメントにしたいと思ってるんです。だからアミューズメントパークに行ったときのワクワクする感じあるじゃないですか。そういう風に終わったときに余韻が残るような、思い出に残るようなライブがしたいなと思ってます。

EMTG：イースターライブでは会場にいっぱい卵を飾ったりしてたしね。

SHIZUKA：ライブハウスに入った瞬間からウキウキした気持ちになってもらいたいなって。ワンマンとか、自分たちが自由にできるライブではいつもそうやって飾り付けをしてます。

EMTG：MIOさんは？

MIO：難しいなあ……頻繁に夢にはみるんです。

EMTG：寝てるときにみる夢？

MIO：そう。大きなステージに立って、お客さんを前にしてる夢をみるんです。たとえば好きなアーティストが東京ドームとかに立ってる姿は客席側からの景色だけど、ステージ側からお客さんを見てるような。それを実現させたいです。

AMI：私はバンドって塊だと思うんです。たとえばSHIZUKAがベーシストとして、わたしがドラマーとして、MIOもシンガーとして1人前になったとしても、3人でChelsyでいたい。歴代の有名なバンド……ビートルズにしろ、若い人たちがそれを目指すような存在って、そのバンド像に憧れて始めたりするじゃないですか。そういうキラキラした、自分たちを見て「うわーすごい」って言ってもらえるバンドになりたいです。

【取材・文：秦理絵】