Mrs. GREEN APPLE、破格の才能が光るメジャーデビューミニアルバム『Variety』

Mrs. GREEN APPLE | 2015.07.03

 EMTG MUSICで僕の担当している番組“探せ袖の下”で聴かせてもらって、「これは!」と思ったバンド、Mrs. GREEN APPLEが早くもミニアルバム『Variety』でメジャー・デビューを果たす。
 大森元貴(vo&g,18才)、若井滉斗(g,18才)、山中綾華(dr,20才)、藤澤涼架(ky,22才)、髙野清宗(b,23才)とニューカマーの中でも飛び抜けて若いメンバーで構成されるこのバンドは、“探せ袖の下”に紹介してくれたライブハウス“渋谷ミルキーウェイ”の田中さんが「外側に向かって表現しようという意欲が強い」と言う通り、オーディエンス参加型のライブでぐんぐん人気を集めている真っ最中。『Variety』もポップな曲や、強いメッセージを含む6曲が揃っている。
 誰かに聴かせたい欲求を人一倍持っているMrs. GREEN APPLEに、メジャー・デビュー直前にインタビューしてみた。

EMTG:Mrs. GREEN APPLEは、どんな風に始まったんですか?
大森:僕は小学校6年のときにバンドを組んで、もうその頃から曲を作ってたんですよ。
EMTG: 早っ! どんな音楽を聴いてたの?
大森:兄ちゃんの影響で、モンパチとかを聴いてました。中学になってからは、ワンオクとかラドとか。でも、あんまり音楽に詳しくはないです。中学時代も弾き語りで曲作りは続けてました。ただ、デモテープを作ると、どうしてもバンド・サウンドになっちゃって(笑)。
EMTG: 弾き語りだったけど、バンド指向だったんだ(笑)。
大森:そうです(笑)。で、中学の同級生にギターの若井がいて、バンドを組もうと思ってたら、近くに涼ちゃんと綾華がいて。
藤澤:元貴が音楽をやってるのは知ってて。僕もちょうど音楽をやりたいなって思ってた時期だったんで、バンドに参加しました。ただ元貴は僕より3才下なのに、そこまで音楽活動を真剣に考えてたから、ちょっと怖い存在だなと思ってました。その分、自分も成長できるかなとも思ってたんです。
山中:私はドラムをやってたけど、自分で歌も歌いたくなってた時期だったから、いいタイミングで誘ってもらって入りました。でも・・元貴の書く言葉が怖かった。
EMTG: 怖いって、どうして?
山中:高2でこんな歌詞を書けるのかって。
EMTG: あは、確かに。大森くんは年上の藤澤さんと山中さんをビビらせる存在だったんだ(笑)。
藤澤:元貴の歌詞は、聴く人に判断を委ねるような言い方が多いんですよ。それが高2とは思えなかったりして。
大森:映画も、見終わって、答がいくつもあるような作品が好きなんです。
EMTG: 確かに今回のアルバムでも、Mrs. GREEN APPLEには♪人生はリスキーゲーム♪とか、人間の生き方について鋭い歌が多いね。
大森:ラドとかは、恋愛観や死生観の教えとして聴いてたんですよ。あのぅ、僕は中学に半分も行けてなかった。友達が話してることを聞いても、どこが面白いのか全然わからない。つまらないから、学校に行けずに哲学の本を読んだりしてた。とにかく音楽がやりたかったんです。それでも、そういう自分に劣等感があって、クズになりたくな かった。
EMTG: 若いのに、哲学者だなあ。中学でいろんなことを考えて、高2でバンドをスタートさせて、最初にやったことは?
大森:一昨年、ライブハウスで活動を始めて、去年と今年にミニアルバムを出した。その2枚と今回の『Variety』で、自分としては3部作になってます。1枚目の『Introduction』では無常観、2枚目の『Progressive』では人生が終わっちゃう前に大事にしなきゃいけないこと、今回の 『Variety』では喜怒哀楽を表現する中で、傷つくことで人の優しさに気付くことができるっていう。
EMTG: なんだかやっぱり哲学的! その3部作で伝えたかったのは?
大森:伝えるっていうか、この3部作がMrs. GREEN APPLEの取り扱い説明書みたいなものなんですよ。
EMTG: 難しい取り扱い説明書だ!(笑)。 でも実際に『Variety』を聴くと、1曲目の「StaRt」はすごくポップで聴きやすい。
大森:そういう中学時代だったから、僕は承認欲求がすごく強いんです(笑)。できるだ け多くの人に、僕の曲をかみ砕いて欲しいからポップに作りました。
EMTG:2曲目の「リスキーゲーム」もスカっぽくて楽しいよ。あ、でも歌詞はさっきも言ったように怖いところもあるけど。
大森:楽しそうな曲だけど、歌詞は刺さる。逆に言えば、歌詞に意味があるから、音楽はただ楽しんでもらえばいいと思ってます。
EMTG: その意味では4曲目の「VIP」は、♪内容が薄すぎて反吐が出ちゃう♪とか、歌詞がめっちゃ厳しいんですけど?
大森:えー、そうですか? どの曲よりもラブソングになってると思ってるんですけど。僕が憎まれ役になってもいいから、この歌が何かを考えるキッカケになってくれればいいと思ってます。自分の中の愛を書いたら、こうなりました。
山中:あ~、さらに怖さが増してるって(笑)。
EMTG: あはは。大森くんが新曲を持ってきたとき、メンバーはどんな反応をするの?
藤澤:みんなで「これはどういう曲かな」って話し合ったりしますよ。そういう考え方もあるんだって、気付けたり。
EMTG: 前向きだな(笑)。
若井:みんな、前よりはカッコつけずに話せるようになってきたと思います。
大森:でも、もっと自分の汚いところも出せばいいのに。メンバーの人柄がちゃんと出るようになったら、Mrs. GREEN APPLEは“次のステップ”に行けると思う。
EMTG: 言うねえ(笑)。ところ で、大森くんはライブでお客さんをちゃんとコントロールしてるように見えるけど。
大森:そうですか? 実は、打たれ弱いんです。シャボン玉以下(笑)。夏フェスも、 テーマは「倒れない」。
EMTG: あはははは。ちなみに大森くんと若井くんは未成年だけど、ライブ後の打上げとかはどうするの?
若井:パスタ屋とか行きますね。
大森:ロックバンドとしてのプライドもルーツもない(笑)。ま、僕らはJ-POPを歌ってるつもりなんで。
若井:普通のバンドはカッコつけてやらないこともやります。
髙野:僕と若井くんで“振付”とかやるし(笑)。
EMTG:面白いね。さて、現在の野望は?
大森:早くフルアルバムを作りたい! ミニアルバムの6曲では、表現の幅がどうしても狭くなる。だから今回は、喜怒哀楽をそれぞれの曲に託して“バラエティ”ってことになったんですけど、フルアルバムだったら自分たちのルーツも出て来るし、ジャケットもイメージが湧いてくるし。総合的なものとして表現できると思うんです。早く作りたいなあ。あ、それと、紅白歌合戦に出たいです。
EMTG: そこかぁ!(笑) 楽しみにしてますよ、ありがとう。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル Mrs. GREEN APPLE

リリース情報

サラダデイズ

サラダデイズ

発売日: 2018年05月23日

価格: ¥ 1,667(本体)+税

レーベル: MASH A&R

収録曲

1.真昼の月
2.あとの話
3.曇りのち
4.コンタクトケース
5.メトロノウム
6.世界の果て
7.バンドワゴンに乗って

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ビデオコメント

リリース情報

Variety

Variety

2015年07月08日

ユニバーサル ミュージック

1. StaRt
2. リスキーゲーム
3. L.P
4. VIP
5. ゼンマイ
6. 道徳と皿

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お知らせ

■ライブ情報

Mrs. GREEN APPLE メジャーデビューミニアルバムリリースパーティー 『Variety is Variety』
2015/07/20(祝月)Shibuya eggman
[出演] Mrs. GREEN APPLE / HOWL BE QUIET

赤色のグリッター×Mrs. GREEN APPLE presents 「赤と緑のホショクツアー」
2015/08/18(火) 福岡 graf
2015/08/20(木) 香川 TOONICE
2015/08/24(月) 愛知 CLUB ROCK’N’ROLL
2015/08/25(火) 長野 ALECX
2015/09/01(火) 広島 CAVE -BE
2015/09/02(水) 京都 MOJO
2015/09/04(金) 宮城 PARK SQUARE
【出演】赤色のグリッター / Mrs. GREEN APPLE / and more…

Mrs. GREEN APPLE presents 「Mrs. ONEMAN LIVE ~武装と創と造~」
2015/09/26(土) Shibuya WWW

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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