バンドの名前を冠した4thフルアルバム『androp』は、超前向きな意欲作となった。昨年3月に行なわれて大成功を収めた国立代々木競技場第一体育館でのライブを起点に、自分たちの世界を広げようという強い意志のもとに作られた『androp』は、間違いなく最高傑作と呼べるだろう。このアルバムをひっさげ9月からは7都市10公演のツアーが発表されている。
　集中連載第2回目、セルフライナーノーツ前編では『androp』収録曲のM-1からM-7までを、内澤崇仁(vocal & guitar)本人の言葉で解説してもらうことにしよう。ファン必読の内容である。

１「Yeah! Yeah! Yeah!」

内澤：TVCMソングを作るのは初めてでしたけど、三ツ矢サイダーのコンセプトがしっかりしていたので、そのイメージで作りました。こういう明るい曲をやってみたかったんです。ターゲットの年齢層も、若い世代に向けてって決まっていたし、爽やかで、青春な感じ。10代や20代の前に進もうとしてる人たちに対して、背中を押せるようなイメージの曲っていう。
ライブハウス・ツアーでやってみたら、発売前なのにめちゃくちゃ盛り上がったので「あ、よしよし」と思いましたね。今回のアルバムの顔になるような曲だと思います。

２「From here」

内澤：この曲、速いんです。自分たちの曲の中で、多分いちばんテンポが速いんですよ。しかも言葉を詰め込んでるので、歌うのが大変です(笑)。
バックトラックはすごく洋楽に寄せてカッコよくしたとしても、日本語が乗ると、ちょっと重たくなっちゃう。ジレンマはありますが、自分がいちばん伝えたいことは日本語でしか伝えられないので、大変でも日本語で歌いますね。聴いている人も多くは日本人なので、そこで勝負できなきゃなって思っています。

３「Shout」

内澤：ドラマの原作が小説だったので、小説読んだり、脚本読んだり、台本も２、３話までできていたのでそれを読ませてもらって、イメージをふくらませて作っていきました。
自分たちのやりたいこととドラマの重なる部分を落とし所にしようと思って作っていきました。

４「Answer」

内澤：この曲は去年の秋のツアーを終えてすぐに作って、そのままレコーディングに入りました。ツアーで得た“ライブ感”っていうのを意識して作って、そのライブの感触がまだ残ってるうちにレコーディングしたかったんです。
どの楽器も速いフレーズが多いので、レコーディングは楽しみながらも大変でしたね。朝までずっとレコーディングしてました（笑）。

５「Paranoid」

内澤：リフ中心の“隙間”のある感じがいいなと思っていて。隙間のある曲を作りたかったんです。
音数は少ないけれども、それで成立してカッコイイっていうものを作りたかった。リフから開ける感じの曲ができたので、よかった。これは新境地です。今回はいろいろチャレンジしてますが、これもその一つです。

６「Star」

内澤：これは「Paranoid」と正反対で、歌詞も曲も、どストレート。歌詞も全然ひねってない。
今までだったら、こういう曲はドラムの手数を増やしてみたり、普通にすんなり流れるような感じにしないようにしてたんですが、アレンジもストレートにしました。この曲を作ろうと思ったとき、気がつけばアコギを手に持ってたので、アレンジもアコギ主体になってます。

７「Dreamer」

内澤：これもストレートですね。でも最初は長さが倍くらいあったんですよ。ちょっと置いておこうと思ってたら、ベースの前田くんがデモの段階から好きでいてくれてたみたいで、「なんとかこれ、やらない？」ってずっとプレゼンをしてきてた。構成を練りに練って、どんどん削っていきました。

　■次回、集中連載最終回!!
　セルフライナーノーツ、＜後編＞をお届けします。お楽しみに!!

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