ハードロックを取り入れたゴリゴリのバンドサウンドと、アイドル的な親しみやすさが融合した独自のスタイルで今年5月にメジャーデビューを果たしたがんばれ！Victory。前作からわずか3ヵ月でリリースされた2ndシングル『ラリラリラ』は、すべてのポンコツたちを笑顔に導く、がんばれ！Victoryらしいハッピーソングに仕上がった。“絶対生音主義”を合言葉に全国のライブハウスで精力的にライブを重ね、よりその演奏に磨きがかかった5人に、それぞれのパートの聴きどころを語ってもらった。

EMTG：「ラリラリラ」は7月のレンタル移籍（※西武鉄道100周年企画“ライオンズ イエローシリーズ”PR応援隊に就任して、ポニーキャニオンから西武ライオンズに一時的に移籍したミッション）の頃からライブでも披露されてますね。

れな（G）：もう「ラリラリラ」ってずっと言い続けてます（笑）。あのときは西武ドームの周辺で2万枚チラシを配るのが主なミッションだったんですけど、それを達成して、「ラリラリラ」のPVをドーム内で流していてだいて。その日のお昼はドーム前でライブもさせてもらいました。チラシを配る期間が何日間かあったので、それで名前を知って、ライブに来てくださった方とかも見えて。やらせて頂いて良かったなと思いましたね。

EMTG：「ラリラリラ」は、それこそ球場で初めて、がんばれ！Victoryを知ったような、予備知識ゼロの人にも楽しんでもらえるような曲になってますよね。

あやき（Vo）：そうなんですよ。曲中に振り付けとかかけ声もあったりするので、「ラリラリラ」を初めて見た方でも、その場で一緒にやってくださるんです。

まゆこ（Dr）：お客さんが喜んでくださってるのは感じますね。

EMTG：作詞・作曲は、インディーズ時代から「ふらいはい!!!」「KGSD」も手がけてる今城さんですが、デモを聴いた段階ではどう思いましたか？

れな：この曲はいくつかデモが届いてるなかの1曲だったんです。けっこう前に聴いたんですけど、そのときから、ぶっとんだ感があって。印象も強かったです。自分たちでは書けない曲ですよね。真面目な曲……いや、この曲も真面目じゃないわけじゃないんですけど（笑）、わたしたちの意外なところを掘り出してくれる曲なので、ちゃんと自分たちの曲にしたいなと思いました。

まゆこ：わたしにはこういうぶっとんだ曲は作れないから、「どんなことを考えて作るんだろう」って、実は悩まされたというか。自分のなかに、そういう感性も取り入れていかなきゃなっていうのは思いましたね。

EMTG：この、合言葉はラリラリラリラだ~！っていう歌詞とか、意味のない言葉なんだけど、言うだけでポジティブになれる響きがいいですよね。

れな：不思議ですよね。相当な引き出しがないと辿り着かない場所ですよ。

まゆこ：最初「何語だろう？」って思ったよね（笑）。

EMTG：間奏では、突然3拍子になったりするのも面白い。

しのぶ（B）：この曲はアレンジが5回ぐらい変わって、最終的にこれになったんです。

れな：レコーディングの日にアレンジャーさんたち（JIN TANAKA（BACK DROP BOMB）／角田崇徳）がコソコソ言い出したんですよ。そしたら、このワルツの音楽が流れてきて。まさか「ラリラリラ」のなかに入るとは思わないので、「何か別のお仕事をされてるのかな？」って思ってたんです。そしたら、曲中に入ってきてビックリしました。

EMTG：突然メルヘンというか、ファンタジーっぽい雰囲気になる。このオルガンみたいな音はライブではどうやって再現するんですか？

しのぶ：そこはけっこう悩んだよね。みんなで。

みなみ（B）：最初は（同期で）流すっていう話もあったんですよ。でも、それは“絶対生音主義”に反するっていうので、どうするか話し合って。

しのぶ：それでギターの生音でやることにしたんです。

れな：エフェクト系で。クランチを軽くかける（少し歪ませる）だけみたいな感じですね。クリーンまでいかないんですけど、わざとチープな感じで弾いてるんです。

EMTG：さすが絶対生音主義バンド。

れな：あと、もうひとつ（同期だと）その間に何をしていいかわからないから（笑）。

全員：あはははは！

みなみ：そこ重要かもね。

EMTG：あとは今回も、やっぱりイントロが鳴った瞬間にバーンと重たいバンドサウンドが、すごくVictoryらしくてかっこいい！

しのぶ：ありがとうございます！今回はイントロとアウトロでも、スラップをがっつり弾いてます。ベースを教えてくださる方がいるんですけど、「ここ違うよ」とか厳しい指導があって。「はい…はい…（か細い声で）」って言いながら練習して（笑）、やっとライブでも披露できるぐらいにはなったかな。力強い音を出せるようにがんばりました。

まゆこ：しのぶのスラップに合わせて、わたしは裏打ちで入ってるんですけど。どうやったら、音の面で一緒に前に出られるかなっていうのは考えましたね。ど頭のフロアで叩くところとかは、いかに重くできるかっていう。

れな：そういう意味では、ギターでも、しのぶの裏側で弾いてるリフとかはポイントなんです。イントロでドンって入ってくる感じがないと、曲の輪郭がなくなってしまうので。力が必要で難しかったんですけど、そこは自分でも好きなフレーズなんです。

EMTG：みなみちゃんはギタリストとして、聴きどころありますか？

みなみ：いままではソロでツインギターがあったんですけど、それをBメロでもやってるんです。フレーズは簡単なんですけど、れなと合わせるのが難しかったです。

しのぶ：めっちゃ怒られてたよね。ふたりが全く同じことを弾かないと、ユニゾンってすぐにバレるじゃないですか。でも、みなみはフレーズを端折って弾いてたらしくて（笑）。

みなみ：「アレンジもOK」って言われたんで……。

まゆこ：それ、アレンジじゃないよ！

みなみ：「みなみちゃん、ちゃんと弾いて！」って言われました（笑）。

まゆこ：いままではBメロは基本どっちか（れなかみなみ）がバッキングを弾いてるんですよ。でも、今回はふたりともメロを弾いてるっていうのが新鮮でしたね。

EMTG：あやきちゃんは今回は歌ってみてどうですか？

あやき：メロディがキャッチーなので覚えやすかったんですけど、少しキーが高いので苦労しました。あと、今回は曲のなかで入ってるホイッスルも吹いてます。いままで全部歌だけだったので、ある意味初めての楽器なんですよ。

れな：あやき、めちゃくちゃホイッスル上手いんです！

あやき：それで、今回は笛をグッズで作ったんです。「ラリラリラ」用みたいな感じで、「ラ」って書いてあるんです。そこは、お客さんと一緒に演奏したいですね。

れな：最近、少しずつライブでも浸透してるんですけど、お客さんが、ホイッスルの前になると演奏を見てないんですよ（笑）。

まゆこ：自分が用意するのに必死だよね。

みなみ：「準備しなきゃ！」って。

EMTG：（笑）。では、カップリング「DEAR」の話を。これは、すでにライブでも何回も披露されてる人気曲ですね。

しのぶ：ファンの方からも「早く音源化してほしい」って、ずっと言っていただいてた曲なので、今回はわたしたちも嬉しいです。「やっと来た！」みたいな感じですね。

EMTG：メンバーにとってすごく大切な曲だと思うんですけど、どうして表題曲ではなく、カップリングでリリースすることになったんですか？

れな：わたしたちのライブをすごく引っ張ってくれる曲ではあったんですけど、自分たちのストレートな感情が入ってるので、あんまりシングルの1曲目ではないかなっていう話はずっとあったんです。

しのぶ：それこそ知る人ぞ知るじゃなですけど、隠れた名曲みたいになってくれたらいいなみたいな感じですね。

EMTG：この曲は疾走感のある曲調ですけど、ちょっと切ない感じがいいですよね。

しのぶ：そうなんです。歌詞が、私たちのファンの方々への感情とリンクしてるというか。ファンの方々もそういうふうにわたしたちを想ってくださってるっていう話を聞いて。なんとなく一緒に作った感じがしてますね。

あやき：レコーディングでは、ライブでもやってるから歌い慣れてるのもあったんですけど、いままでお客さんと一緒にライブでも歌ってきたことを想像しながらというか、それを自分のなかでも思い浮かべて歌いました。感情を入れやすかったです。

EMTG：そして、いよいよ10月には佐賀での凱旋ライブです。

あやき：まだ東名阪ツアーも終わってないから、凱旋ライブはまだちょっと遠い感じもするんですけど。気持ちが若干そこまでおっついてないんです（笑）。

れな：いろいろ決めないとね。

しのぶ：でもやっぱり「東京に出て、成長して帰ってきたね」って言ってもらえるように、残り1ヵ月ぐらいなので、しっかり準備をしていきたいなと思ってます！

【取材・文：秦 理絵】