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終始会場を魅了したレミオロメン初の豪華編成でのスペシャルコンサート

レミオロメン | 2011.03.28

 場内が暗転し、ステージの前面に張りめぐらされたベールの向こう側からストリングスとピアノの調べが柔らかに流れ始めた。1曲目は、まさしく今日という日にふさわしい「3月9日」。マイクスタンドの前で直立し、一心に歌う藤巻のシルエットが浮かび上がる。やがて前田のベースと神宮司のドラムも合流して一気に厚みを帯びたサウンド。ベールが開き、眩いライティングに照らされながらメロディとハーモニーが場内いっぱいに響き渡った光景は、夢のような美しさであった。

 藤巻がギターを手にし、イントロを奏でた瞬間に歓声が上がった「春夏秋冬」。観客の手拍子が曲と一体になる様が心地よかった「Sakura」の後、最初のMC。「こうしてストリングスと一緒に演奏するのは初めてです。リハで毎日ワクワクしていました」。藤巻が語り、岡村美央ストリングス、サポート・ギタリスト田中義人、キーボーディスト皆川真人を紹介。「今日のテーマは“Your Songs”。すべてのあなたと特別で親密な時間を作れたら良いなと思います」。藤巻の言葉を経て、再び演奏が始まった。このバンド編成によって透明感あふれるサウンドが生れるだけでなく、躍動感のあるエネルギーも大いに発揮されたのは、多くの人にとって予想外だったのではないだろうか。この魅力は中盤の「流星」や「アイランド」などで特に実感させられた。また、タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)、後関好宏、滝本尚史によるホーン・セクションが加わって披露された「まめ電球」「モラトリアム」などは、とびっきり楽しいダンスチューンと化していた。

 ストリングスと共にすがすがしく盛り上げた「スタンドバイミー」。温かい横揺れで包んでくれた「太陽の下」。メロディがストリングスに彩られる様が本当に美しかった「粉雪」。……この特別なライヴを観ることができる幸福が、我々の胸を温かく満たしていった。「今日ここで皆さんと出会うことができました。大切なあなたにこの曲を届けたいと思います」と藤巻が語り、本編の最後に聴かせてくれたのは「Your Song」。大型のミラーボールがゆっくりと回転する中、観客はうっとりと聴き入っていた。

 「楽しいアンコールにしていきたいと思います!」という藤巻の言葉通り、リラックスしたムードでアンコールへ突入。ストリングスがしなやかなダンサブルさを添え、ピースフルな一体感で皆を踊らせた「南風」。レミオロメン、ストリングス、キーボード、ホーンが一体となり、コール&レスポンスも交えながら笑顔たっぷりに展開した「明日に架かる橋」。「レミオロメンの11年目の最初に、こんなライヴをできて、とても嬉しいです。素晴らしいミュージシャン、スタッフ、皆との出会いが僕らの宝物になりました。これからも自分たちの音楽を信じて、前へ進んで行こうと思います。そんな気持ちをこめてお届けします」と藤巻が語って始まったのは「もっと遠くへ」。ピアノ伴奏と藤巻の歌のみで幕開け、ストリングスやホーンが合流して壮大に高鳴っていった。固唾を呑んで聴き入るほかない圧倒的な演奏であった。

 バンドを支えたミュージシャンたちを誇らしげに紹介し、ステージにはレミオロメンの3人のみが残った。そしてラストに披露されたのは、今日2回目となる「3月9日」。シンプルだが表現力豊かな3ピース・サウンドが広がっていった。演奏を終え、爽やかな余韻が漂う中、笑顔で手を振りながらステージの隅々までを巡った藤巻、前田、神宮司。レミオロメンと観客の双方で幸せな時間を共有したことを心から喜び合う、実に幸福なフィナーレであった。

【 取材・文:田中 大 】

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リリース情報

'Your Songs'with strings at Yokohama Arena

'Your Songs'with strings at Yokohama Arena

2011年04月27日

ORS

01.Opening Theme
02.3月9日(with strings)
03.春夏秋冬
04.Sakura
05.夢の蕾
06.永遠と一瞬
07.Wonderful Beautiful
08.プログラム
09.海のバラッド
10.傘クラゲ
11.流星
12.アイランド
【DISC 2】
01.Strings Medley(茜空~コスモス~波)
02.リズム
03.五月雨
04.雨上がり
05.まめ電球
06.モラトリアム
07.スタンドバイミー
08.太陽の下
09.粉雪
10.Your Song
(ENCORE)
11.南風
12.明日に架かる橋
13.もっと遠くへ
14.3月9日

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