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a flood of circle主催対バン・イベント、憧れ的先輩グループ、勝手にしやがれを迎え敢行!!

a flood of circle | 2012.01.28

 「What’Going On」と聞き、マーヴィン・ゲイの、あの代表曲がパッと浮かぶ人は多いのではないだろうか? ニューソウルとカテゴライズされる、1970年代初頭に発表された同曲。おおよそ、そのようなことが歌われているとは想像もつかない程の軽快さとスムーズさを擁し、その軽やかさとは裏腹に、"今、世の中には何が起こっているか?"を、当時の公民権運動やベトナム戦争の泥沼化、信仰心等を交え、問うナンバーだ。そしてそれは、発表されて40年以上経った今でも、世界のどこかで起こっている諍いを嘆き、戒めるかのように、多くの人に聴き継がれ、歌い継がれている。  結成以来、不定期ながら継続的に対バン形式の自主企画「What’ Going On」を行なってきたa flood of circle(以下 : afoc)も、そのタイトル通り、"今、何が起こっているのか?"を、都度彼らがフェイバリットとするバンドたちと明示してきた。

 これまで様々な会場で行なわれてきた同イベントだが、9回目となる今回の舞台は下北沢SHELTER。ここは彼らが初めてライヴハウスのオーディションに出演した、思い出深い場所だ。
 前回より約1年4ヶ月ぶりの開催となった同企画。これまでにTHE NOVEMBERSやPeople In The Box、SISTER JET、THE BAWDIES等、同世代の共闘的なバンドとの共演が印象的であったが、今回の共演は「勝手にしやがれ」。afocがかねてから憧れていたバンドであり、昨年ボーカル&ギターの佐々木と、勝手にしやがれのボーカル&ドラムの武藤が邂逅し、以後、親ぼくを深め、今日の共演へと至った。個人的には、音楽性や世代、楽器編成も違うが、非常に近い”匂い”を持っている2組だと思う。

 まず先にステージに登場したのは、勝手にしやがれ。1997年の活動開始以来、スイングや4ビートをパンクロックのスピリッツにて昇華。更にポルカ、ラスティック、ブルース、歌謡曲、ケルティック等々の風味をブレンドし、独自の音楽性として奔出させてきたグループだ。ギターレスにして、4本の管楽器にピアノ、ウッドベースにドラムスがヴォーカルを担当する独特のスタイルが魅力的な7人組だが、果たしてあの大所帯が、無事この狭いSHELTERのステージに収まるのだろうか?そんな心配どこ吹く風。多少の窮屈感はあったにせよ、かえってその密接や密度が、彼らのパワフルさやダイナミズムを引き出すことに成功した。

 定刻を10分ほど過ぎ、ワラワラと7人のメンバーがステージに現れる。ドラム&ボーカルの武藤を中心に円陣を組み、それが解かれ、各々がフォーメーションに着くと、ドラムロールに合わせ、デモンストレーションを開始。そこから1曲目の「黒い瞳」が現れる。ポルカ的哀愁インストとも言える同曲。分厚い4管のプロウが曲のモチーフを繰り返し、高揚感が引き上げられる。途中、トロンボーンの福島の煽りも入り、そこにフロアも呼応。早くも熱狂具合がレッドゾーンを指し示す。続いて、武藤がボーカルを取る、ラ・ポエーム感漂う「デッド・ローラー」へ。
ここでは田浦のテナーサックスもむせび泣き、武藤のしゃがれた歌声が会場を場末の酒場へと惹き込む。この曲を始め、この日はニューアルバム『メロディ』からも何曲か披露された。パンピンな斉藤の鍵盤と浦野のグイグイと引っ張るベース、4管のソロのリレーションも目を惹いたインスト曲「モカンボ」や、ジワジワと暗闇から光や明るさを取り戻して行くかのような、ささやかな幸せを祈ったり、見守ったりしているかのような「罠のような午後」、武藤がフロントに出て、ピアノをバックにソウルフルに、ジェスチャーも交え歌い上げられた「星座と涙」、はたまた会場を一体化させるような「Ch 541」が、ニューアルバムの充実具合を伝える。後半戦では、アイリッシュ風にアレンジされたTHE CLASHの「I Fought The Law」のカバー、攻め攻めのスイング・パンクな「ロミオ」が会場をダンスフロアへと変え、ラストの「円軌道の外」では、4管が順にソロを回し、間にはシャープでタイトな武藤のドラムソロが会場を魅了する。最後は武藤がドラムキットを飛び越え、ステージ前方へとジャンプ。「次は最高のバンド、afocです」と繋ぐ。

 続いて、より前方の密度が濃くなっていく。後攻は、こちらも2011年末にニューアルバム「LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL」を発表したafocだ。佐々木のダルでルーズなブルーズフレーズの上、渡邊のドラム、HISAYOのベース、サポートの曽根のギターが加わり、ニューアルバム収録の「Hide&Seek Blues」へと入る。途中でアップテンポに急転する箇所では、ステージ目がけて会場全体が呼応する。続いても新作から「Blood Red Shoes」がフロアを強襲する。サビでは会場から無数のコブシが挙がり、ラストはモータードライブ感たっぷりに、一気にフルスロットルで駆け抜ける。

 旧知のライヴハウスにて、憧れの先輩との共演ということもあったのだろう。この日の彼らは、いつも以上に濃度の高いライヴを展開した。タムを活かした突進してくるようなドラミングと、裏打ちの軽快さが同居した「フェルディナン グリフォン サーカス」、躍動感のあるビートを与えておきながら、ストゥージーズ・ライクな粗野なロックンロールが場内に騒乱を呼んだ「Black Masic Fun Club」等がフロアを振り回す。また、この日も古くからの代表曲が冴え渡る。”これでもついてこれるか?”の怒濤もたまらない「泥水のメロディ」、サビのフレーズが会場に大合唱を生んだ「ブラックバード」、お馴染みのメンバー紹介も交え、佐々木もモニターに乗りフロアを煽った「プシケ」が、昔、このステージに立っていた時とは比べ物にならないぐらいの熟練感を交え、鳴らされる。
また、メジャーデビュー後の代表曲もしっかりとプレイされた。土煙を上げるがごとくフロアに楽曲が突進、それ全力で会場全体で受け止めた「Buffalo Dance」、ギターと歌を中心に、夜が明け、徐々に光に包まれていくような気持ちに浸らせてくれた「コインランドリー・ブルース」、更に会場の緊迫感を暴発させ、一気に戦場へと引きずり込んだ「Sweet Home Battle Field」や、ロカビリーライクなロックンロールナンバー「賭け(Bet! Bet! Bet!)」と、ニューアルバムからの曲たちも負けじと、熱狂のフロアに次々と放たれる。そして本編最後は、このステージで昔から歌われていた、ミディアムなロックンロールナンバー「象のブルース」で締める。

 アンコールでは驚き&’サービスな2曲が。まずはニューアルバムを発売したにも関わらず、早くも新曲「見るまえに跳べ」が披露される。これは間もなく始まる全国ツアー「LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL -見るまえに跳べ-」のテーマ曲。続く、イベントタイトルにもなっている、マーヴィン・ゲイの「What’s Going On」の日本語カバーでは、勝手にしやがれの武藤も再びステージに現れ、2番をブルージーにソウルフルに歌い上げる。最後は、勝手にしやがれファンも、afocファンも大団円。佐々木の「また会おうぜ」の言葉と共に彼らは去っていった。

【取材・文 : 池田スカオ和宏】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル a flood of circle

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リリース情報

LOVE IS LIKE A ROCK ’N’ ROLL

LOVE IS LIKE A ROCK ’N’ ROLL

2011年11月23日

ビクターエンタテインメント

ディスク:1
1. I LOVE YOU
2. Blood Red Shoes
3. Whisky Bon-Bon
4. Sweet Home Battle Field
5. 賭け (Bet! Bet! Bet!)
6. Hide & Seek Blues
7. YU-REI Song
8. Boy
9. The Beautiful Monkeys
10. King Cobra Twist ~-session #6-
11. 感光
ディスク:2
1. I LOVE YOU (Video Clip)
2. Blood Red Shoes (Video Clip)
3. Miss X DAY (Live Video Clip)
4. Sweet Home Battle Field (Live Video Clip)

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リリース情報

メロディ

メロディ

2012年01月18日

UK.PROJECT

1. 罠のような午後
2. フェラーリをブッ飛ばせ
3. ロマンス・ガール
4. モカンボ
5. デッド・ローラー
6. ジェイムズ・キャッツ・ウォーキン
7. 五月の美術館
8. Ch 541
9. ディスジャジー
10. メロディ・ママ
11. ヌーヴェル・バンディット
12. 星座と涙

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セットリスト

勝手にしやがれ

  1. 黒い瞳
  2. デッド・ローラー
  3. モカンボ
  4. ブラック・マリヤ
  5. 罠のような午後
  6. U-K
  7. オール・ザ・マッドメン・ブルーズ
  8. 星座と涙
  9. オルメカ
  10. Ch541
  11. I Fought The Law
  12. ロミオ
  13. 円軌道の外

a flood of circle

  1. Hide&Seek Blues
  2. Blood Red Shoes
  3. フェルディナン グリフォン サーカス
  4. Black Masic Fun Club
  5. 泥水のメロディー
  6. Buffalo Dance
  7. Sweet Home Battle Field
  8. ブラックバード
  9. プシケ
  10. コインランドリー・ブルース
  11. 賭け(Bet! Bet! Bet!)
  12. 象のブルース
  13. ENCORE
  14. 見る前に跳べ
  15. What’s Going On

お知らせ

■ライブ情報
a flood of circle
Oneman Tour 2012"LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL -見るまえに跳べ-"

2012/02/18(土)千葉LOOK
2012/02/23(木)神戸太陽と虎
2012/02/25(土)岡山ペパーランド
2012/02/26(日)広島CABE BE
2012/03/01(木)京都磔磔
2012/03/03(土)福岡BEAT STATION
2012/03/04(日)大分club SPOT
2012/03/10(土)高松DIME
2012/03/11(日)高知X-pt.
2012/03/18(日)盛岡CLUB CHANGE
2012/03/20(火)水戸LIGHT HOUSE
2012/03/24(土)金沢van van V4
2012/03/25(日)新潟CLUB RIVERST
2012/03/29(木)横須賀かぼちゃ屋
2012/04/01(日)札幌COLONY
2012/04/07(土)名古屋CLUB QUATTRO
2012/04/08(日)大阪JANUS
2012/04/15(日)渋谷AX

勝手にしやがれ
KATTENI-SHIYAGARE 2012~MELODY MAMA TOUR~

2012/03/02(金)名古屋APOLLO THEATER
2012/03/09(金)福岡the voodoo lounge
2012/03/10(土)大阪府大阪Shangri-La
2012/03/18(日)東京CLUB QUATTRO
2012/04/15(日)札幌BESSIE HALL

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