ステージ前に張られていた幕が外され、真夏の太陽のように明るいライトを浴びた平井 大とOhana bandのメンバーたち。ステージは椰子の木や色鮮やかな花で飾られていて、ハワイのビーチのような雰囲気が醸し出されている。華々しくスタートした1曲目「ALOHA」は、まさしくこの空間にピッタリ！　爽やかな躍動感に満ちた2曲目「Sparkling」。観客も一緒に歌ったエルヴィス・プレスリーのカバー「Can’t Help Falling in Love」……冒頭の3曲で、場内は早くも素敵な一体感に包まれていた。

　盟友ALEXXXがステージに合流し、平井と共に歌ったラブソング「Island Girl feat. ALEXXX」。この曲の続編である「Island Queen feat. ALEXXX」「Island Princess feat. ALEXXX」も2人で歌い、ハッピーエンドへと至る3部作を爽やかに表現。ステージの両サイドにセットされていたマシンから放出された大量のシャボン玉が観客の頭上を舞い、ロマンチックなムードを醸し出した「Angel?First Love?feat. ALEXXX」が終わると、ステージ上にはALEXXXだけが残った。「俺たちが初めて一緒にステージに立った時、お客さんは3人。0人だった時もあったんだよね。今日はこんなに来てくれて嬉しいです。これからも大くんについて行ってください！」、平井の晴れ舞台を心から祝福する言葉を述べた彼は、ソロ曲「KIRA KIRA」を披露してくれた。

「まだまだ続くからね！」と手を振りながら楽屋へ戻ったALEXXXと入れ替わりに、ステージに現れた平井。手にしたウクレレのチューニングを合わせた後、バンドメンバーに目で合図。始まったのは「ISLANDream」だった。歌いながらウクレレをプレイする平井は、とても楽しそう。平井の華麗なソロも奏でられた「The Road to Happiness?ISLANDream part. 2?」など、中盤で演奏された曲たちは、ウクレレプレイヤーとしての彼の魅力も存分に堪能させてくれた。

「レジェンドの曲です。一緒に歌える人は歌ってください」という呼びかけに応え、観客も共に歌ったボブ・マーリーのカバー「No Woman No Cry」。Ohana bandによるインストメドレーを経て、ライヴはいよいよ佳境へ。軽快なビートに合わせて観客が手拍子し、爽やかな疾走感と共に駆け抜けた「Surf Time」を皮切りに、場内の親密度は一層上昇していった。マイクをしっかりと掴み、一心に歌った「祈り花」、瑞々しいメロディを響かせた「Last September」。この2曲での平井の歌声は、胸に深く迫るものがあった。

「本当に幸せな時間でした。これからも一緒に夢に向かって歩いて行きましょう！　今日はツアーのファイナルだけど、ここからがスタートだから。これからも一緒にいてくれる？　絶対だよ！」、観客に呼びかけ、本編ラストを飾ったのは「For The Future 2012」。観客が拳を掲げて共に歌う光景は、実に力強かった。

　熱い歓声と手拍子に呼ばれ、ALEXXXと一緒にステージに戻ってきた平井。アンコールの1曲目は「ALOHA-REMIX-feat. ALEXXX」。タテノリを強調したリミックスが施されていたこのアレンジは、本編の1曲目で聴いた「ALOHA」とはまた別の開放的な楽しさがあった。「ずっとOHANA（ハワイ語で“家族”という意味）でいてくれる人？　ありがとう！　そんなみんなにこの曲を」という言葉を添えてスタートし、ピースフルな一体感を生んだ「OHANA feat. ALEXXX」を歌い終えると、2人はとびっきりの笑顔を浮かべながら手を振り、ステージ袖へと入っていった。

　フロアを埋め尽くしている観客の間に漂う、名残惜しそうな雰囲気。起こったダブルアンコールを求める歓声は、いつしか「The Road to Happiness?ISLANDream part. 2?」の大合唱となった。皆の歌声に包まれながら再登場した平井は感無量の表情で観客たちを眺め、「Ohana bandのみんなを紹介させて！」と、メンバーの1人1人を紹介。「Ohana bandは僕の一部。今日、集まってくれたみんなも僕の一部だから！」とも語った。「次の曲は2年前くらいに書いた曲です。この曲で1つになれればと思います」。そしてラストに披露されたのは、「ONE LOVE?Pacific Harmony?」。平井の歌声、ウクレレの調べ、Ohana bandの演奏、観客の手拍子が一体となる様が、堪らないほど心地よい。幸福感に満ちた最高のフィナーレであった。

【取材・文：田中 大】