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電大、全国ツアー“DD01”の東京公演をレポート!

電大 | 2012.12.03

 今年6月に1stアルバム『Δ結線』でデビューして、ツアー“DD00”をやったと思ったら、10月には2ndアルバム『D-SHOCK』を出してツアー“DD01” に出ちゃった“電大”。ドラム川西幸一を筆頭に、ギター手島いさむ、ベースEBIの3人はけっこうベテランだけど、年寄りのセッカチにもほどがある(笑)。しかも『D-SHOCK』は1stツアー後、速攻制作されたにも関わらず、クオリティは前作以上。つまり「調子出ちゃった」アルバムなのだ。だから2ndツアー後半の下北沢GARDENに、勇んで行ってみた。

 前回の東京公演は新代田フィーバーだったから、下北沢GARDENはスケールアップ。しかも4日間だから大スケールアップである。チケットが少し手に入れやすくなったせいか、フロアには男性オーディエンスの姿が目立つ。彼らがライブで、前回ツアーにはなかった反応をすることになる。

 ぞろっと出てきた3人は、まずはジャジャーンと轟音で音合わせ。そのままロック・ブギーの「Chuo Free-Way」に突入。『D-SHOCK』のオープニングを飾ったハードなナンバーだ。この曲の魅力は、なんといっても3人のボーカル。電大の基本である「3人で曲を作って、3人で歌う」スタイルの代表曲だ。いきなり魅力全開の中、川西が「トーキョー!」と叫ぶと、フロアは拳を上げて応えたのだった。絶好調の幕開けだ。

 川西・作のユニコーン・ナンバー「メダカの格好」が終わると、拍手の後、「てっしー、今日もかっこいいー!」と男性客から声がかかる。川西が「サクラ、入れてんじゃねーの」、続いてEBIが 「友達なんじゃねーの」。するとてっしーが「サクラだとすると、時給、いくらぐらいかな?」と、ボケともツッコミともつかない微妙な対応。さっそく爆笑が起こる。女性客が「かっこいい」と言っても笑いにはならないが、男性客だからこそのリアクションだ。お陰で、電大のもうひとつの武器である“グダグダしゃべり”が、しょっぱなから炸裂する。

 レゲエをベイスにしたポリリズムの「Beautiful Sunday」や、ギターリフがかっこいいハードロック「炎のモーニングコール」、川西・作のユニコーン曲「キミトデカケタ」では大合唱が起こる盛り上がり。

 しゃべりが始まると、川西がシンバルを外す。「今日はシンバルでてっしーが見えないから、しゃべる時は見えるように外すね。てっしー、淋しがり屋だから」。シンバルがなくなって、川西と目が合ったてっしーがしゃべり始める。「今回のツアーは、21本プラス学祭。電大(現・広島国際学院大学)の大学祭に出たんですが、学祭に呼ばれる年じゃありませんよ」。するとEBIが「てっしーと僕は中退なんで、学祭に出たら卒業扱いになりませんかって交渉したんですけど、決裂しまして」と、本当か冗談かわからないセリフ。
 そんな調子でライブは進む。演奏が文句なしにかっこいいから、笑いも含めてオーディエンスは安心してライブを楽しんでいる。ユニコーンでは主に“椅子の付いたホール”でライブを行なっているが、電大が選んだ“ライブハウスの道”は、大いに正解なのだ。

 凄かったのは、3人それぞれがリードボーカルを取った後半の3曲のブロックだった。まずは川西の「豪快男児」は、文字どおり男らしい迫力。続く「BLACKTIGER」 はEBIがハイトーン・ボイスで「ワンワン」とカウントを取るところから、オー ディエンスは大ノリ。てっしーの私生活を赤裸々に描いた「オッサンマーチ」で、会場はピークに達する。それにしてもエネルギッシュなパフォーマンスだ。3人は、だいじょぶか?! 腕がパンパンじゃないのか?!

「ほんとにもう、ライブ終わったら、アイシング大会よ。電大はこれからもライブハウスでやってきます。武道館が目標じゃないから。日数増やすだけだから」と川西が切り出せば、「そっち? 30連泊とかするの(笑)。でも、今回のツアーはあっという間だった。これで電大のライブは固まった…そうでもないですか?」とEBIが観客に恐る恐る聞いたから、またまた爆笑が起こる。必殺の 「ハイウェイスター」で、本編が終わった。

 この日のアンコールは、特別に「ロック幸せ」が追加された。てっしーが弾くギターのコードに合わせて、ブルースの弾き語りのように3人が自由に歌い出す。こうしたパフォーマンスは前回になかったもので、ここにも“電大の進化”が見られる。バンドとしての自由度が増せば増すほど、電大の可能性は広がる。3人がお互いに補い合い、足を引っ張り合いながら(笑)、ユニークなトライアングルを形成する。ラストのロックンロール「白くぬりつぶせ」は、そんな電大の楽しさを凝縮したプレイで楽しませてくれた。

 終わってから楽屋を訪問すると、メンバーは手首や肘をアイシング中。それは痛々しい光景ではまったくなく、明日への準備の屈託のない笑顔の景色だった。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:柴田恵理】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル 電大

リリース情報

D-SHOCK

D-SHOCK

2012年10月11日

Line Drive Records

1.ハイウェイスター
2.太陽の季節
3.Body Guard
4.D-SHOCK
5.Beautiful Sunday
6.ROUTE 31
7.Chuo Free-Way

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セットリスト

電大 TOUR “DD01”
2012.11.21@新代田FEVER

  1. Chuo Free-Way
  2. メダカの格好
  3. Beautiful Sunday
  4. 太陽の季節
  5. 炎のモーニングコール
  6. Body Guard
  7. キミトデカケタ
  8. D-SHOCK
  9. 野生の証明
  10. By The Way
  11. 豪快男児
  12. BLACKTIGER
  13. オッサンマーチ
  14. 風天
  15. ROUTE 31
  16. ハイウェイスター
ENCORE
  1. ロック幸せ
  2. 白くぬりつぶせ

お知らせ

■ライブ情報

「電大 TOUR "DD01"」
2012/11/29(木)広島ナミキジャンクション
2012/11/30(金)広島ナミキジャンクション

rockin’on presents
COUNTDOWN JAPAN

2012/12/28(金)幕張メッセ国際展示場1~8ホール/イベントホール

大晦日ワンマンLIVE
2012/12/31(月)新代田FEVER

電大「沖縄単独公演」
2013/01/12(土)桜坂セントラル(那覇)

『TESAGURI SMAイベント』
2013/02/19(火)Shibuya O-EAST

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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