いつもとは一味違うDREAMS COME TRUEの魅力を満喫した「裏ドリワンダーランド」
DREAMS COME TRUE | 2013.02.25
「なんたって“裏ドリ”だよ。ってことは、『うれしい!たのしい!大好き!』はやんないよ。『LOVE LOVE LOVE』もやんないよ(笑)。ライヴでは毎回、みんなからリクエストをもらって、だいたい30位以内から曲を選ぶんだけど、40?50位にずっと入ってる曲があるのね。中には久々にやりたい曲もあって。それを“裏ドリ”っていったら、みんなダマされて来てくれるんじゃないかって」と、吉田美和が笑ってMCで語るように、“裏ドリワンダーランド2012/2013”では「おっ?!」と思うナンバーが歌われる度に、オーディエンスはひと呼吸置いて、「おおっ!」と喜びの声を上げる。シブ過ぎず、派手過ぎず、いつもとは一味違うドリの魅力が味わえるのが“裏ドリ”と いうわけだ。
さいたまスーパーアリーナのアリーナ部分に、真四角のステージが組まれている。その中に可動式の円形ステージが設置されていて、360度の観客に“裏ドリ”を楽しんでもらおうという演出だ。実際、バンドが反対側を向いているときは、文字どおり“裏ドリ”になっちゃう、なんつって(笑)。もちろん裏のお客さんには、上方4方向にスクリーンがあって、それでオーケー。明りが落とされると、すり鉢状の会場にサイリウムの光があふれて、その意外な美しさに感動したオーディエンスから歓声が上がる。その中を、フラッグを先頭に出演者が入場。手を振る吉田美和と中村正人の姿が見えると、開演前の興奮はピークに達した。
まずは「SWEET REVENGE」と「嵐が来る」のロック色の濃いナンバーからスタート。パワフルな幕開けとなった。「さいたまベイビーズ、元気だった? 胸がいっぱい過ぎてヤバい!」と吉田。「ゴムゴムの実を食べてきたから、手がビューンと伸びてみんなとシェイクハンド!」と中村。2人はステージが回転しても常に反対側に位置取ることで、観客を“裏ドリ・ワールド”に引き込んでいく。ライヴでやるのは20年ぶりという「戦いの火蓋」では、振付を会場全員が踊って、序盤のハイライトになった。
次のブロックは、一転。“裏ドリ”らしいコーナーが待っていた。
「みんな、座って、座って。ドリには、ド悲しい曲、ド立ち直れない系が多いんだけど、たまにはそういうのをまとめてやってみるのって、どう? 名付けて“どん底コーナー”!」と吉田。と、中村が 「吉田のソロアルバム、やっちゃうよ」。
“どん底コーナー”のショッパナは、中村の言葉どおり吉田の傑作ソロアルバム『beauty and harmony』収録の「バイバイ」。ヒロインが明るく振る舞う別れの曲に、オーディエンスはじっと聴き入る。個人的な話で恐縮だが、この曲が大好きな僕は「“どん底コーナー”って、悪くない」と思ってしまった。そして「2人のDIFFERENCE」 から「夢で逢ってるから」まで、ドリカムの“悲しい歌”が怒涛のように並ぶ。
バックバンドは、DCT records所属のロック・トリオ、FUZZY CONTROLの3人が中心。幅広い音楽性をカバーするメンバーは、ロックの範疇をはるかに超えるドリのサウンドを見事に表現していく。“どん底コーナー”のラストを飾った「夢で逢ってるから」はオールドジャズ風味の楽曲で、FUZZY CONTROLはその実力を発揮していた。
さすがに”裏ドリ“だけあって、展開は目まぐるしい。次はちょっと珍しい”ドリ一族“が登場する。
まずは“アンドレ中村とオホーツク・ボーイズ”が歌う「せちゅなくて?オホーチュクにたたずむ男(トレイン)?」で笑わせた後、吉田の“表じゃやれないモンキーガール・シリーズ”で弾ける。当時のジャケットに使用した“モンキーのしっぽ”を吉田と中村が付けて、ステージも客席も大騒ぎ。
お次は“黒ドリコーナー”。ちょっとセクシーでワルなドリを披露する。このあたりからバックバンドのハートに火がついて、パワフルでスリリングなライヴになっていく。バンドの繰り出すヴィヴィッ ドなグルーヴに乗って、ダンサーたちも上半身裸で妖しい雰囲気を増幅させる。ここまで来ると、もう“裏”の意味が変化して、“裏から攻めるエンターテインメント”という感じ。ヒット曲の連打とはまた違う盛り上がりが、アリーナに充満する。極めつけは本編のラストだった。
「まだまだ大丈夫? ドリには冬の曲がいっぱいあるから、 やっちゃおうかな」と吉田が言って、冬の名曲「SNOW DANCE」。かつて東京ドームでのライヴで、ドームに雪を降らせたロマンティック・チューンが、ライヴの終盤を彩る。「WINTER SONG」では大量の銀テープが会場に舞って、裏表なしのドリのエナジーが感動を呼んだのだった。
アンコールでは配信シングルで、同時にこのツアーのグッズCDでもある「愛して笑ってうれしくて涙して」、最後の最後は昨年リリースの「MY TIME TO SHINE」で締めた。“裏”と聞いて少しだけ緊張していた心が、すっかり晴れ上がったライヴになった。
【取材・文:平山雄一】
【PHOTO:YOJI KAWADA/TEPPEI KISHIDA】
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リリース情報
お知らせ
U-EXPRESS LIVE 2013
2013/03/02(土)幕張メッセ国際展示場 9-11ホール
FANCL Presents
裏ドリワンダーランド 2012/2013
2013/03/10(日)郡山市民文化センター~ドリカムの夕べ IN 福島~
2013/03/17(日)岩手県民会館~ドリカムの夕べ IN 岩手~
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。