クリープハイプ、SAKANAMON、The SALOVERS、The MirrazがSHIBUYA-AXに集結!
ロック頂上決戦 | 2013.03.07
EMIミュージック・ジャパンとビクターエンタテインメントが共同で立ち上げたロック情報サイト『ROCKfun』。同サイト主催の初イベントが、『ロック頂上決戦 ver1.0 EMI VS VICTORの巻』。開演時間となり、オープニングVTRが、両社所属アーティストを次々紹介。今夜の出演バンド以外の写真が映し出されても、大きな歓声が観客の間から起こる。ロックを心から愛する人々がたくさん集まっていることを強く実感させられた。
司会を務めるダイノジが前説を行い、大地洋輔のエアギターが観客を沸かせた後、いよいよ最初のアクトへ。トップバッターは誰なのか? スクリーンに浮かび上がったのは「The Mirraz」という文字と写真。そして、ステージにメンバーたちが登場し、1曲目「スーパーフレア」がスタートした。全員が一丸となって轟かせた爆音に合わせて、ステージを照らすライトがフラッシュのように瞬く。シャープなビート、言葉を溢れ返らせる歌声に刺激され、フロア全体にみるみる内にすさまじいトランス状態が広がった。人々の興奮をさらに劇的に加速した「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」。《あー気持ち悪りぃ》と、誰も彼もが心底気持ち良さそうに大合唱した「気持ち悪りぃ」。骨太なビートが場内全体を不敵に震わせた「S.T.A.Y.」……などなど、お馴染みの曲から最新アルバムの収録曲まで、あらゆるサウンドが観客の興奮をグイグイ引き出していく。「楽しいね。今日出るバンド、全部好きでしょ? 俺も昔、そういうのがあった。大好きなミクスチャーバンドばっかり出るイベントが」、畠山承平(Vo & G)のMCからも、この空間を心底楽しんでいる様子が伝わってきた。そして、「ラストナンバー」と「僕らは」を演奏して、彼らのライブは終了。4人がステージを去った後も、実に清々しい残響音が場内に漂っていた。
各出演者のステージ機材の転換中は、ダイノジがトークを展開。観客がツイッターに載せたライブの感想なども紹介した後、次のライブへ。2番目に登場したのはSAKANAMON。メンバーたちが勢い良くステージに駆け込み、1曲目「カタハマリズム」がスタート。「よかったら手拍子をお願いします!」と呼びかけ、観客と共に軽快なビートを刻んだ「空想イマイマシー」。爽やかなタテノリを起こした「脳内マネジメント事情」。冒頭からフレッシュな魅力が満開であった。「本日はお越し頂き、ありがとうございます! 今日は仲良く、楽しいライブをできたらいいなと思います!」、藤森元生(Vo & G)が溌剌としたトーンで語りかけると、観客も精一杯の歓声で応える。そして、「マジックアワー」や「ミュージックプランクトン」など、あらゆる曲がさらにフロアを激しく揺さぶった後半戦。「架空のヒーローのテーマソング。東京でやるのは今日が初めてです!」と森野光晴(B)が紹介し、新曲「シグナルマン」も披露された。ラストを飾ったのは「妄想DRIVER」。3人が一丸となり、全身を震わせて熱いアンサンブルを奏でる姿が、最高にスリリング! 曲の終盤、藤森がストラップを外し、ギターをぬいぐるみに弾かせるアクションをするなど、弾けたテンションを露わにしていたのが印象的であった。
「最年少で頂上に立ちました! よろしく!」、古舘佑太郎(Vo & G)の言葉と共に幕開けたThe SALOVERS。1曲目でいきなり必殺のライブチューン「サリンジャー」が放たれ、フロア全体が激しい興奮状態で揺れる。続いて「仏教ソング」と「チンギスハンとヘップバーン」を、曲間を一切開けずに連発! ぶっ倒れる寸前までエモーションをむき出しにするバンド&観客、ガチンコ勝負のような双方のエネルギーが凄まじい。「4月3日にシングルを出します」と言い、早速披露した新曲「床には君のカーディガン」は、古館のブルースハープ、メンバーのコーラスワークを交えつつ、ロマンチックに高鳴っていった。「今日、俺とドラムの雄太とAXの外を歩いたんですけど、誰も声をかけてくれなかった(笑)。俺たちがThe SALOVERSです!」と古館が挨拶をして、後半戦は「SAD GIRL」からスタート。特に凄まじい盛り上がりとなったのは「オールド台湾」。サビで観客全員が一斉に《台湾!》と叫び、明るい笑顔を輝かせた。時には咆えるように、感情をむき出しにしながら甘酸っぱいメロディを歌った「愛しておくれ」で、The SALOVERSのライブは終了。急成長中の彼らの勢いを存分に感じるステージであった。
「今話題のバンドです!」という尾崎世界観(Vo & G)の人を喰った一言が観客を早速沸かせ、「イノチミジカシコイセヨオトメ」で幕開けたクリープハイプ。「手と手」と「愛の標識」も一気に演奏され、場内の気温は瞬く間に上昇した。「ファンレターを頂くことがあります。“この間、ライブ行きました。元気を貰いました。ただ、前半の尾崎さんの固さがとれれば、もっと良くなるかと”とか書いてありまして……」という尾崎のMCが皆を爆笑させて突入した後半戦も、「オレンジ」「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」など、強力なナンバーが続く。長谷川カオナシ(B)がリードボーカルの「火まつり」も演奏するなど、多彩な魅力が煌めいていた。アマチュア時代にライブハウスで経験した悔しい出来事を語り、「みなさんも2年半あったら大抵のことはひっくり返せますよ!」という尾崎の言葉の後に演奏された「ウワノソラ」は、いつにも増して感動的であった。そして、恒例の《セックスしよう?》という観客のコールが轟いた「HE IS MINE」でライブは終了。しかし、鳴り止まない拍手に応えてアンコールへ。演奏したのは、新曲「社会の窓」。歯切れの良いビートを感じながら、観客は夢中で踊る。熱いエネルギーと開放感に満ちたあの光景は、『ロック頂上決戦』という名のこのイベントを締め括るのにふさわしいものであった。
【取材・文:田中 大】
セットリスト
「ロック頂上決戦 ver1.0 EMI VS VICTORの巻」
2013.2.23@SHIBUYA-AX
クリープハイプ / SAKANAMON / The SALOVERS / The Mirraz
The Mirraz
- スーパーフレア
- CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
- 気持ち悪りぃ
- ふぁっきゅー
- シスター
- S.T.A.Y.
- 僕はスーパーマン
- check it out! check it out! check it out! check it out!
- ラストナンバー
- 僕らは SAKANAMON
- カタハマリズム
- SAKANAMON THE WORLD
- 空想イマイマシー
- 脳内マネジメント事情
- マジックアワー
- 僕の登下校
- ミュージックプランクトン
- シグナルマン(新曲)
- 妄想DRIVER
- サリンジャー
- 仏教ソング
- チンギスハンとヘップバーン
- 床には君のカーディガン(新曲)
- SAD GIRL
- ディタラトゥエンティ
- オールド台湾
- 愛しておくれ
- イノチミジカシコイセヨオトメ
- 手と手
- 愛の標識
- オレンジ
- おやすみ泣き声、さよなら歌姫
- 週刊誌
- 火まつり
- 風にふかれて
- ウワノソラ
- HE IS MINE
- 社会の窓