FUNKY MONKEY BABYSラストツアー!そのセミファイナルをレポート!!【1日目】
FUNKY MONKEY BABYS | 2013.04.15
この日は、ファンキーモンキーベイビーズ(以下 : FMB)にとってのラストツアーのセミファイナル。全国21箇所を周り20万人を動員したラストツアー『WE ARE FUNKY MONKEY BABYS TOUR』の終焉を飾る、さいたまスーパーアリーナ2Daysの初日だ。
2万人を集め、文字通り、満場の中で行われたこの日のライブは、彼らにとって過去初めて起こったアクシデントに加え、そこを経ることでの負の出来事をプラスの力に変えてしまう機転と、文字通り百戦錬磨のライヴアクトの底力を間の当たりにすることが出来た。
このツアー各会場の開演前の気持ちに同化してくれた、羽鳥アナウンサーによる開場前の注意と会場への鼓舞、そして、万感の思いが大きな声でアナウンスされると、ライヴ前恒例の準備体操、ファンモン・エクササイズに移っていく。もちろんこれらもライブの一つ。相変わらず、老若男女が楽しそうに心も体もリフレッシュさせている。続いて、2万人のお客さんによる「WE ARE FUNKY MONKEY BABYS」の大コール。この日はやはりこれまでよりも一際大きく、みんながFMBの一員である自覚を高まらせていく。
会場からの力強い手拍子に合わせての、モンゴル800の「小さな恋の歌」が流れ終わると、恒例となったデパーチャーが大音量と共に映し出される。現れたDJ ケミカルの今回の姿は山伏。一通り走り終えると、爆発と白煙が。その中から現れたのは、おにぎりの着ぐるみに着替えた彼の姿であった。「おにぎりをた?んとおあがり?!さいたま?! 準備はできてますか?! いくぞ? WE ARE FUNKY MONKEY BABYSだ?!!」のケミカルの絶叫が1曲目の「Say!Joy!」を呼び込む。歌い出しと共に加藤、モン吉が勢いよく飛び出し、ステージの端から端を全力疾走で駆け回り、歌う。恐るべきフットワーク。「Say!」「Joy!」のコール&レスポンスが会場をぐっとステージに惹きつける。続く、「LIFE IS A PARTY」では、いきなり楽しさもマックス。ステージ後方のビジョンに映るビリー大佐とのミュージック・ビデオに合わせ、ファンモン版ブートキャンプが始まる。そして、会場を一端しゃがませ、大サビに入る前の「JUMPING NOW」の部分にて一斉にジャンプ。そのエネルギーに会場が揺れた。
最初のMC。加藤がまずは無言で会場中の拍手を煽る。「今日は2万人が集まってくれた。ステージまでが遠い人もいるかもしれないけど、心の距離は20cmだから。今日は一生分の元気、勇気、希望をあげるから、みんなで最幸のライヴを作り上げていこう」との力強いMCに、会場中が"もちろん!"と言わんばかりにコブシを突き上げる。「ALWAYS」「恋の片道切符」と初期から大切に歌い続けてきたナンバーを経て、前半のバラードゾーンでは、「この世界に生まれたわけ」「告白」といった、しっとりとした曲たちが会場の思いに寄り添っていく。
ここでMC。加藤が各レベル(各階)を煽り、各階のBABYS(FMBのファン)も嬉しそうに全力で呼応する。今回はアリーナいじりがツボのご様子の加藤。あえてアリーナでのコール&レスポンスをお預けにし、アリーナを焦らす。とは言え、後にはキチンとアリーナも呼応させたので、ご安心を。
やはりこの2Daysは全国各地からBABYSが集結していた。遠くは台湾から参戦した海外BABYSもおり、彼らの人気の高さと層の厚さ、年齢の幅広さに加え、もはや日本レベルの人気だけじゃないことを改めて実感した。また、今回のツアーが初参戦だというBABYSも数多く。未だ人気を上げてることも分かった。
恒例のケミカルのタンクトップ。この日は、デビュー日に、1stシングルを展開してくれた、八王子のタワーレコードにこっそり見に行き、それをファンに見られていたというお笑いエピソードを聞かせてくれた。
今回のツアーは、実質最新アルバム『ファンキーモンキーベイビーズ5』のレコ発ツアーでもあった。ここからのブロックは、その同アルバムの中の曲たち、中でもマイペース感漂う楽曲が次々披露される。
みんなの楽曲に合わせて振る腕が合致。ずんずん進んでいくような牧歌的で、どこかに旅や冒険に出たくなる、ケミカルのハーモニカや加藤の沖縄風指笛も郷愁を誘った「Journey」、心が素直になり、大らかな気持ちにさせてくれた、ビジョンに出る歌詞と一緒に会場中で歌った「幸せを抱きしめよう」。独特のエアリーさとドリーミングさの中、会場を心地良い世界へとトリップさせた「夢で逢えたら」が続けて歌われる。この辺りの曲は、アルバム曲ならではのニュアンスも含み、もしかしたら東京ドームでは聴けない可能性もあるので、今回は非常に幸せな体験だったのかもしれない。
そして、「我を忘れて一緒に歌ってくれ。踊ってくれ、騒いでくれ。みんなが一つになれば、あり得ない奇跡だって起こせるさ」との加藤のMC後、今回のツアータイトルでもある「WE ARE FUNKY MONKEY BABYS」が歌われる。ここではキャノン砲も飛び出し、中の金テープが会場をきらびやかにしていく。グループの自己紹介から始まりつつも、聴き進めていくうちに、自分たちと一緒であることに非常に誇りを持ちたくなる同曲に、みんながFMBになっていく。続いては、ドラムンベースの重低音が身体を震わせた「メロディーライン」。会場中がひときわ盛り上がって踊る。揺れる。
次のブロックのMCでは、BABYSへの思いや、今回のツアータイトルについて語られる。
「いつしかFUNKY MONKEY BABYSは、3人だけのものではなく、みなさんがいてこそ成り立つグループになっていた。一緒に叫べば、少しは悲しみも和らぐんじゃないかと、今日は2万人に会いに来た。やることはデビュー当初と変わらない。それは音楽で一つになること。2万人の心を最後まで寄り添わせて下さい。俺たちをずっと応援してくれたみなさんなの為だけに作りました。10年分の思いを胸に歌わせてもらいます」の後、歌われた「ありがとう」では、曲が進むに連れ、会場にすすり泣く声が増えていった。歌い終わると、会場中から無数の「ありがとう」の気持ちや声援がステージに向けて返される。
そして、そのまま間髪置かず、次の曲「あとひとつ」に移るはずだったのだが、ステージがザワザワしている。先ほどの「メロディーライン」の際に落下したスポンジ製吸音材の点検をしなくてはならず、FMB史上初、まさかのライヴ中断が起こった。やむを得ず、一度メンバーはステージを降りる。
場内の点検も無事に終わり、安全が約束された中、メンバーも再び現れる。会場にはまだ多少ザワザワや不安感、緊張感の類が残っている。こんな雰囲気でライヴを再開出来るのか?しかも、次は「あとひとつ」。みんなが心を一つに合わせたい歌だ。そんな不安は、次の1曲で吹き飛んだ。続いてはなんと、セットリストにはなかった「LIFE IS PARTY」が歌われた。本日2回目。意外だったが大正解だった。再び会場がみるみる一つになっていく。彼らの機転、そしてライヴパフォーマーとしての凄さに改めて気づかされた瞬間だった。
この一体感の後、歌われた「あとひとつ」は、よりみんなが心を一つにし、歌うことができた。そして、続く、歌の通り、これでサヨナラじゃない。お互いこれからも独自の道を歩き、いつまでも気持ちでは繋がり、同じ空の下で頑張ろうという気持ちにさせた「サヨナラじゃない」では、心の中でみんなが言い聞かせるように大合唱を生んでいった。
「みんなが思っている以上に僕たちはBABYSのことが大好きです。この10年、あなたが唯一の希望でした。BABYS愛してるぞ?!!」との大告白の後、伝えられた「希望の唄」が、これまたこれまで以上に自分の歌のように響いてくれば、「幸せになるために一緒になって歌ってくれ」」の言葉の後、歌われた「ちっぽけな勇気」では、「みんな負けるな!頑張れ!!」の連呼が力強く、会場も涙交じりでステージへと頑張れのエネルギーを送り返す。同曲のラストは、力強く、誇らしげに2万本の希望を握りしめたコブシが天に向け突き上げられた。本編ラストは、「悲しみなんて笑い飛ばせ」。会場中のタオルが楽曲に合わせフル回転していく。銀吹雪が舞う中、ステージではスタッフも楽曲に合わせタオルを大旋回。場内中で黄色いタオルが回る様は、まさに大壮観であった。
アンコールでは、よりステージと客席が身近になっていく。歌謡ロカビリー調のトラックに笑いと怒り混じりの、彼女への本音が痛々しいまでの情景描写と共に、会場の哀れみと同情を誘った「街中でケンカしてるカップルを見かけると大抵女性が怒ってる」。巨大ビジョンに、歌に合わせ家族と一緒に歌っているお父さんの姿が次々と映し出された「ヒーロー」では、改めて人気の幅広さを確認することが出来た。
ここでこの日最後のMC。ここでは「この10年」という言葉が耳を惹いた。
「楽しく終わりにしたい。10年間ありがとうございました」(モン吉)
「2万人にはそれぞれの役割がある。それぞれの道を歩んで欲しい。この10年間いい夢を見れました」(ケミカル)
「さよならはいいません。笑顔で10年間ありがとうございました」(加藤)
そして、彼らのブレイクナンバーとも言える「Lovin’Life」では、スクリーンに映し出された歌詞と共に会場中で大合唱の花を咲かしていく。会場中にハート型の桜の花びらが無数に舞い、それはさながら彼らからの素敵なラブレターのようでもあった。アンコールラストは彼らのライヴを締める代表曲「西日と影法師」。スクリーンには、過去の彼らの路上ライヴやインストアライヴ、卒業式サプライズライブ、リハーサル風景等の昔の映像が走馬灯のように流れ、笑顔になりながらもメンバーへの哀愁が一段と増して感じられる。明日へと力強く踏み出せるナンバーに、会場も合わせてジャンプ。最後の一体感を見せた。
彼らのライヴも東京ドーム2Daysを合わせ、あと3回。明日は、いよいよファイナルツアーの最終公演。明日も悔いのないように、彼らの歌に思いっきり心を寄り添わせて行こう!
【取材・文:池田スカオ和宏】
リリース情報
セットリスト
WE ARE FUNKY MONKEY BABYS TOUR SEMIFINAL
2013.3.30 @ さいたまスーパーアリーナ
- Say!Joy!
- LIFE IS A PARTY
- ナツミ
- ALWAYS
- 恋の片道切符
- この世界に生まれたわけ
- 告白
- Journey
- 幸せを抱きしめよう
- 夢で逢えたら〜I’m feelin’ you〜
- WE ARE FUNKY MONKEY BABYS
- メロディーライン
- ありがとう
- 大切 ※中断後・再開曲として2回目のLIFE IS A PARTY
- あとひとつ
- サヨナラじゃない
- 希望の唄
- ちっぽけな勇気
- 悲しみなんて笑い飛ばせ
- 街中でケンカしてるカップルを見かけると大抵女性が怒ってる
- ヒーロー
- Lovin’ Life
- 西日と影法師
お知らせ
おまえ達との道 FINAL~in 東京ドーム~
2013/06/01(土)東京ドーム
2013/06/02(日)東京ドーム
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。