噂のMY FIRST STORY! アルバムレコ発ツアーファイナルのワンマンを詳細レポート!!
MY FIRST STORY | 2013.04.22
「MY FIRST STORYの新たな1ページが、筆圧高く新たに書き加えられ、その瞬間に立ち会えた」。そんな気高く、誇らしげに映ったライブであった。
今年2月に発売したニューアルバム『THE STORY IS MY LIFE』を引っさげて、初のレコ発ツアーを行った、MY FIRST STORY。そのツアーのファイナルが4月6日、渋谷 CLUB QUATTROにて行われた。
過去2枚のアルバムでの作品内容や、ここ最近のライブに於けるパフォーマンスの堂の入り方、そして放つサウンドやメッセージを欲している人々が多勢いることを立証するかのように、この日の会場も超満員。チケットは早々にソールドアウトだったと聞く。開演前のフロアは、待望感や期待感に満ち、"一緒に歌い、ノリ、暴れるゾ!!"といったアクティブなキッズで溢れていた。
オープニングアクトのMY LAST DECEMBERのプレイが終わり、フロアの密度が更に上がる。待ちきれないキッズたちが、MY FIRST STORYのナンバーをアンセムのように高らかにシングアウトしている光景がフロアの各所で見える。いよいよ彼らの登場だ。ゾクゾクする。
ここで、MY FIRST STORYについて軽く説明させて貰おう。
2011年結成のツインギターを擁する、ボーカルのHiro、ギターのSho、Teru、ベースのNob、ドラムのMasackから成る5人組である彼ら。2012年4月に1stアルバム『MY FIRST STORY』を発表し、それがインディーズにも関わらず、オリコン初登場16位を記録。その後も各所でライブを敢行し、初の自主企画も即ソールドアウト。出演した数々のフェスやイベントに於いても、入場規制を数多く叩き出す。前述の『THE STORY IS MY LIFE』も、同じくオリコンチャート初登場15位を記録。それを引っさげての今回のツアーは自身初。各地を朋友バンドたちとプレイし、この日のファイナルに限っては、ワンマンライブとあいなった。
アルバムのオープニングを飾っていた「preservation」がSEとして流れる中、まずは、Sho、Teru、Nob、Masackの4人がステージに現れる。各々がMy楽器を持ったところで、ボーカルのHiroがステージに登場。1曲目の「The Reason」が放たれる。ハードエッジながら景色を広げていく同曲。出だしのストーリーはバッチリだ。マイクスタンドを両手で掴み、片足を足元のモニターにかけ、歌うHiro。サビでの上昇感が情景をブワーッと広げていく。真ん中にセッティングされたお立ち台に移ると、両腕を広げ、「全てを受け止めてやるぜ!!」とゼスチャー。そこに会場中が信頼感を寄せ、これから始まっていく物語への期待を募らせていく。同曲のサビの部分では大合唱。間に挟んだ、「今日はお前たちのためだけに歌うぞ!!」が頼もしい。ラストのサビは、なおのこと彼らの勇姿を神々しく魅せていた。
Masackのスピーディなキックに、Teruの美しいアルペジオが乗り、そこにShoが性急的なカッティングをかぶせていく。2曲目は「Calling you」だ。同曲ではHiroも歌で物語を作っていく。ダウンピッキングで勢いを加えるNobのベースと、彼が交えるコーラスが楽曲に甘さを加えていく。そこから中盤の怒涛さに入ると、温まったフロアに向け、Hiroが「お前らまだまだそんなんじゃないだろ! 本気を見せてみろ!!」と油を注ぐ。それを呼び声に突入したラストの大疾走たるや。うーん、かっこいい…。
ライヴはさらに加速していく。3曲目は「Deserve!!」であった。やはりこの曲の魅力は、ミドルでダイナミックな楽曲が、パッと眺めの良い景色に、会場全部を連れ出してくれるところ。間ではHiroが。「ダイブしているヤツがいたら転がしてやれ。倒れているヤツがいたら起こしてやれよ。お前ら一人ひとりがこのライヴの大切な一部なんだから!!」と叫び。同志感を得た会場が、それに力強く呼応する。
ここでMCが入る。「このツアーで得たものを全てこの空間にぶつけて帰るから、そのつもりで挑め。暴れる準備は出来てるか?」の扇動の次に現れたのは、一際激しいヘッドバンキングを巻き起こした「Lose your mind」。メタリックで疾走感溢れるギターリフに合わせて会場中が首を激振させる。性急さとは裏腹に、一辺倒に終わってないのが特徴の同曲。間では6/8のリズムも組み込み、楽曲にドラマ性をもたらせる。加えて、Hiroのグロウルなデスボイスが高揚感とエヴィル度を上げていく。続いての「Take it Back!!」では、切ない哀愁性がフロアに満ちていく。時折美しささえ感じる、Hiroのその歌声に合わせ、会場も大合唱&大呼応。ラストのギター2人にベースの楽器フロント3人による前傾姿勢のカッティングが魅せ場を作る。イントロでのShoのきらびやかなギターに、Nobのベースが歪みで重みをつけ、合わせて運指による躍動感も楽曲に加わっていく。続いては「Gift」だ。この曲の前半部では会場中も一緒に歌い、現れた2ビート部では、会場も合わせて走り出す。
ここでMC。この項は、Hiroの心情吐露が、楽曲のイントロデュースへとつながっていく。「自分に疑問を感じる時があり、そんな時にこの曲を書いて、そのモヤモヤが吹き飛んだ気がします」の紹介後、入った「Silence word」では、ミディアムでダイナミズム溢れる曲にHiroの込められ、綴られた心の奥底に隠していた感情が歌と共に溢れ出していく。より感情を込めて歌うHiro。フロアの多くが聴き入っている光景も印象的であった。
続いてのMCは、よりフロアとステージとの信頼関係と共闘感を増させるものであった。
「俺は今日ここに立って確信しました。誰が何と言い、どう思おうが、ここにいるみんながいるから大丈夫。最後までついてきてくれますか? 言いたいことも言ったんで、ここでみんなで一緒に歌ってみませんか?」と、まずは一緒にデモンストレーション的にコール&レスポンスを始める。温まったところで、「頭を振る準備は出来てますか?」のHiroの問いに、間髪置かずフロア中が呼応する。雰囲気が一変し、ライヴが再び転がり出していく。ハンドマイクで歌うHiroと、Shoのライトハンドが空間を彩っていく。曲間では、フロアの真ん中に、ウォールオブデスを作れとのジェスチャーをするHiro。フロアの真ん中に、フォールオブデスが作られていく。とはいえ、そこでは実際にぶつかり合うのではなく、あくまでもモッシュピット的な役割を果たしていく。大きなモッシュピットをみんな楽しそうに走り回っている。と、同時にSho、Teru、Nobのフロント3人による分厚いカッティングの疾走感が会場中の高揚感を高めていく。Masakickのツインペダルによるバスドラがまるで地響きのように会場に轟く。
この日は、2枚のオリジナルアルバム以外からも、maximum10のコンピ盤にのみ収録されていた「EXPERIENCE」もプレイされた。哀愁性と3声のコーラス、そして抜き差しが活きる同曲。この曲できらびやかさを加えるのは、Teruのライトハンドだ。
「お前らこの曲を聴きに来たんだろ?」のHiroの言葉から入った、このアルバムのテーマでもあり、表題曲でもあった「The Story Is My Life」が本編ラストに誇らしげに鳴らされる。Hiroもフロア最前のバーに乗り、歌う。当然ラストサビは大合唱。Hiroがフロアのキッズたちと合わせていくコブシが力強く映った。
ここからはアンコール。Hiroも再びスタンドマイクの前に立つ。ここからは1stアルバムからの2曲が伝えられる。まずは「みなさんは大切な人はいますか? その大切な人を思い浮かべながら聴いて下さい。普段ライヴでは、あまり演らないんですけど、こんな機会だから久々に演ってみます」の言葉の後、現れた「Still」は、Sho、Teruのギターのアンサンブルからブワッと景色が広がっていったナンバー。聴かせる要素も多い同曲に寄り添うように、会場中の思いが重なっていく。続いての「Bullet radio」では、イントロに入るとすさまじい歓声が上がる。ハンドマイクにし、お客さんの中で歌うHiro。ラストは、これでもかというぐらいのクラウドサーフの嵐が起こり、凄かったとの感想やスカッとしたとの印象を残し、彼らはステージを去った。
彼らの新しいアンセムが会場中に響いた、この日のライヴ。一人で綴るのではなく、みんなで書きあげていくことにより、この日のライヴが成立していたのが、非常に印象的であった。いつか彼らが書き上げた、この物語が読み返される時、今日のこのみんなと綴った1ページは、とても大切でとても思い入れ深い項目になりそうだ。
【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:鈴木万祐子】
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リリース情報
セットリスト
『THE STORY IS MY LIFE TOUR』
O.A. MY LAST DECEMBER
2013.4.6 @ 渋谷クラブクアトロ
- 1.The Reason
- 2.Calling you
- 3.Deserve!!
- 4.Lose your mind
- 5.Take it Back!!
- 6.Gift
- 7.Silence word
- 8.Warning
- 9.Awake
- 10.Second Limit
- 11.EXPERIENCE
- 12.The Story Is My Life
- En-1.Still
- En-2.Bullet radio
お知らせ
THE STORY IS MY LIFE TOUR 追加公演
2013/04/26(金)渋谷O-WEST
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2013/07/20(土)愛知県名古屋大高緑地公園特設ステージ
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「MORNING RIVER SUMMIT 2013 」
2013/07/27(土)大阪城野外音楽堂
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。