クリープハイプ、SAKANAMON、N’夙川BOYSが出演した「GMpV」主催イベント「MUSIC TAGS」の模様をレポート!
MUSIC TAGS | 2013.05.13
ビクターエンタテインメント内の4レーベル(Getting Better、MOB SQUAD、plusGROUND、Victor)によって構成されている音楽制作セクション『GMpV』主催のライブイベント『MUSIC TAGS Vol.1』。開演前の影アナを担当したのは、なんとTHE BAWDIESのROY。「最高にロックンロールな1日を!」という彼の声を聞き、観客は大喜びで歓声を上げた。そして、“リコメンド・スペシャル・アクト”として最初に登場したのは、札幌を拠点に活動している5人組バンド、本棚のモヨコ。何度も観客に向ってお辞儀をしながらスタンバイし、スタートした1曲目は「僕らのメモリーズ」。森脩平(Vo & G)とゆちよ(Vo & Key)による歌声のコンビネーションが抜群に心地よい。観客は穏やかに身体を揺らしながら惹き込まれていった。続いて「夢子とアンダーグラウンド」と「夢見る子さん」によって、さらに場内いっぱいに広がった和やかな一体感。そして、6月8日に渋谷LUSHで行う自主企画イベントの告知などをした後、「これからどんどんのし上がっていくのでよろしくお願いします!」という力強い言葉を脩平が放ってラストの曲「魔法の条件」へ。展開するにつれて熱量を高めていくサウンドが観客の興奮を加速する。全4曲で大いに存在感を示した本棚のモヨコであった。
サカナクション・山口一郎のメッセージ映像、N’夙川BOYSの担当ディレクターのインタビューVTRを経てN’夙川BOYSのライブ(その後も各アクトの前に担当ディレクターのインタビューが流れた)。轟く爆音が観客の興奮に一気に火をつけた「プラネットマジック」。凄まじいタテノリを起こした「Freedom」。マーヤLOVEとシンノスケBoysが並んでギターをかきむしるシーンが超スリリングだった「アダムとイブがそっと」。3曲が終わった時点で、場内の誰も彼もが汗だく。そして、「飴ちゃんみたいなあなたたちに捧げる曲、いくで!」とリンダdadaが呼びかけ、「Candy People」へ突入。シンノスケBOYsがドラムを叩く中、マーヤLOVEとリンダdadaはステージ中を激しく巡り、さらに観客を煽りまくった。「まだまだ遊ぼうぜ!……って言うたけど、ウチらは次でラスト」(リンダdada)、「リンダ、ホンマか!? オーライ。ビクターじゃ、俺ら不良だぜ! でも、時間も押さず、こまめにキチンとすることでいろいろやるのを許してもらえるようになった。ロックンロールは厳しいぜ!」(マーヤLOVE)。2人の息の合ったやり取りを経て、最後に演奏されたのは「物語はちと?不安定」。時折メンバー間でパートチェンジをしつつ、3人が一丸となって観客を巻き込んでいく。シンノスケBoysがクラウドサーフィングをしたのに続き、フロアに飛び込んだマーヤLOVE。観客に持ち上げられ、フロアの真っ只中で立ち上がると、コール&レスポンスを皆と全力で交わす。肉体と魂を完全燃焼させて痛快なサウンドを響かせた彼らは、まさしくロックンロールの申し子であった。
キラキラした同期サウンドと一体になってビートを高鳴らせる「マジックアワー」で幕開けたSAKANAMON。観客の手拍子がどんどん力強さを帯びながら広がっていった。「AXへようこそ。期待の新人、SAKANAMONです!」、森野光晴(B)の元気のよい挨拶を挟んで、2曲目「SAKANAMON THE WORLD」。躍動感に溢れつつも、透明感も全開で醸し出すメロディが気持ちいい。そして、立て続けに演奏した「空想イマイマシー」と「かくれんぼ」が、さらに盛り上げてインターバルへ。彼らのライブ前のVTRに登場したディレクターのお茶目なエピソードを紹介しつつ、「ビクターはライブ重視のレーベルだと思っているので、出させてもらって嬉しいです。偉い人が喜ぶので、ビクターに大きな拍手を!」と森野が飄々としたトークで和ませ、藤森元生(Vo&G)が「みなさんの正しいと思う道を進めばいいと肯定している曲です」という言葉を添えて「シグナルマン」。この曲を皮切りに、ますます素敵な一体感に包まれた場内。木村浩大(Dr)のスティックのカウントと共に勢い良くスタートした「ミュージックプランクトン」は、イントロが始まるや否や歓声が上がり、観客は夢中になって腕を振り上げながら踊る。そして、ラストを飾ったのは「妄想DRIVER」。メンバー同士が全力で爆音を交わし合うテンションに刺激されて場内の気温と湿度は上昇し続け、藤森と森野のジャンプ&着地を合図に迎えたエンディング。観客の拍手を浴びながら、3人はステージを後にした。
尾崎世界観(Vo & G)、小川幸慈(G)、長谷川カオナシ(B)、小泉拓(Dr)が円陣を組んだ後、「イノチミジカシコイセヨオトメ」からスタートしたクリープハイプ。エモーショナルさの中に何処か翳を帯びたサウンドが、場内全体を瑞々しく満たしていく。続いて疾走感溢れる「手と手」と「愛の標識」。切ないメロディが胸にヒリヒリ沁みる「蜂蜜と風呂場」も披露された後、MCタイム。「盛り上がってますか? 盛り上げて欲しい理由は……もうすぐ2年に一度の契約更新があるから(笑)」という尾崎のとぼけた言葉が観客を沸かせる。そして、「HE IS MINE」へ。クライマックスへとジワジワ近づき、尾崎が《今度会ったら》と歌ったのを合図に、皆が一丸となって《セックスしよう!》と叫ぶ。フロアはますます熱い興奮で包まれていった。
殺気に満ちた歌声が爆発した「身も蓋もない水槽」、《もっと普通の恋を歌えばいいのに》という部分を《CMソングを歌えばいいのに》と歌ったのが粋だった「社会の窓」の後、メンバーは一旦ステージを後にしたが、止まない歓声と手拍子に応えてアンコールが行われた。「大事な曲をやります。いろんな人と作って、大事な曲になりました」と尾崎が言って、資生堂アネッサ2013のCMソング「憂、燦々(ゆう、さんさん)」が始まったのだが、小川のエフェクターの設定が間違っていたらしく、笛のような音色が流れて演奏がストップ……。しかし、「Tシャツ買わなくていいから、アネッサ買ってくれ!」という尾崎の言葉と共に再開。甘酸っぱいメロディが広がり、素敵な余韻と共にこのイベントを締め括ってくれた。
観客が帰り支度を始めると、場内に流れた影アナ。「バンドマンの未来は、現場に来てくれるあなたに懸っています。Dragon Ash、Kjでした!」という声が響くと、場内の人々は一斉に拍手。『MUSIC TAGS Vol.1』は、バンドマンと観客の間で素敵なエネルギーが交わされている空間であった。ぜひ、今後も開催され続けて欲しい。
【取材・文:田中 大】
リリース情報
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[N’夙川BOYS]THANK YOU !!!
2013年03月20日
ビクターエンタテインメント
2. CANDY PEOPLE (新録)
3. マジシャン (新録)
4. 死神DANCE (新録)
5. THE シーン
6. フェアリー
7. ~天空の!?LOVE BELLS~
8. 物語はちと?不安定
9. アダムとイブがそっと
10. I’m Waiting for the AH~
11. メロディー (THANK YOU edition)
12. ~流星☆彡通信~
13. プラネットマジック
14. ミッドナイトエンジェル
15. シャンソン
16. ~ドリー夢らNなー~
17. 24hour
18. Freedom
19. homework
20. ~ありが’T CRY (ボーナストラック)
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セットリスト
Victor GMpV presents
『MUSIC TAGS Vol.1』
2013.04.25@SHIBUYA-AX
本棚のモヨコ
- 僕らのメモリーズ
- 夢子とアンダーグラウンド
- 夢見る子さん
- 魔法の条件
N’夙川BOYS
- プラネットマジック
- Freedom
- アダムとイブがそっと
- Candy People
- 物語はちと?不安定
SAKANAMON
- マジックアワー
- SAKANAMON THE WORLD
- 空想イマイマシー
- かくれんぼ
- シグナルマン
- ミュージックプランクトン
- 妄想DRIVER
クリープハイプ
- イノチミジカシコイセヨオトメ
- 手と手
- 愛の標識
- 蜂蜜と風呂場
- HE IS MINE
- 身も蓋もない水槽
- 社会の窓
- 憂、燦々