GOING UNDER GROUNDが主催した日比谷野外音楽堂でのライブの模様をレポート!
SOU FES | 2013.05.24
ゴールデンウィーク最終日の5月6日、汗ばむほどの陽気となった日比谷野音。絶好のシチュエーションに恵まれて、二年目のSOU FESは幕を開けた。今日のホストである松本素生も「晴れましたー!」とゴキゲンに登場。なんせ、去年は豪雨だったのだから! さらに「ジャンルに囚われず、自由に音楽をやっていて、ライブの後に、音楽好きでよかったって思えるバンドを呼んでいます」とラインナップの趣旨を説明。バラバラのように見える3組だけれど、この一言が、全てを繋ぐ気がする。ますます楽しみになってきた!
トップはPeople In The Box。まだ強い日差しと彼らのライブは、どんな化学変化を起こすのだろうか?……なんて心配は無用だった。「はじまりの国」を伸びやかに響かせて、青空とオーディエンスを包み込んでいく。波多野裕文(Vo&G)の様子も、「ニムロッド」ではジャンプし、「ダンス、ダンス、ダンス」ではハンドマイクで歌い、とても軽やかだ。最初のMCは「バックドロップの素生さんの(絵の)安らかさを見て下さい」なんて言って、和ませる。さらに、昨年リリースしたアルバム『Ave Materia』が良い作品だ、という話では、「お金があったら買って下さい。ない人には貸します」なんて、フレンドリーな姿勢で歩み寄る(笑)。続く「親愛なるニュートン街の」では、柔らかなハンドクラップが巻き起こっていた。心地よく身を委ねていると、突如「呼んだ?」と、ハイテンションで客席に問いかける山口大吾(Dr)の声が空気を切り裂く。笑いと戸惑いが渦巻く中、「そういうのも、嫌いじゃないからね。最後は全力でぶっ殺しにいきます!」と宣言。ラストの「旧市街」まで、果敢に己の世界観を貫いた。
再び松本素生が登場。「10年もやってるのに、あんなキラキラしてて。俺の中では沖縄のビートルズ」という、最高の紹介からORANGE RANGEが登場。いきなりバラード「もしも」で意表を突きながら、野音を一つにまとめあげる。次は、HIROKI(Vo)の「汗かく準備はできてますか?」という一喝から、「お願い!セニョリータ」でぐいっと一足早い夏へ連れていく。「今夜はtonight」では、誰もがタオル回し。やはり彼ら、パーティピープルのハートを掴むのが物凄く上手い。HIROKI曰く「バンドとしては、野音が10年振りくらいなんです!」とのことだが、それが信じられないくらい似合っていた。中盤には、リクエストを募って「上海ハニー」に雪崩れ込むという粋な場面も! しかし、曲中にカチャーシーを踊り出したら、何と雨が降ってきた……いや、RYO(Vo)によると「降ってないからね、俺たちの汗です!」とのことで、オーディエンスも、汗まみれで踊り続ける。最新曲「オボロゲナアゲハ」で盛り上げ、「ソイソースのTheme」でコール&レスポンス。ラストは「キリキリマイ」。NAOTO(G)とYOH(B)も前に出て、全員攻撃体制でトドメを刺した。
最後はもちろん、GOING UNDER GROUND。スターの如く手を振りまくる中澤寛規(G&Vo)を筆頭に、石原聡(B)、河野丈洋(Dr)が登場し、中澤が松本を呼び込む。そして一曲目から、いきなり「トワイライト」!という展開に、ざわめくオーディエンス。そして、アウトロからハンドクラップで繋ぎ、「TWISTER」へ。サビでは、ステージも客席もジャンプ! 演奏も歌も、圧倒的な安定感。名曲の魅力が余すことなく伝わってくる。
「いろんなところで宣言しているけれど、今日雨が降ったら、もう野音はやらないという。最後の野音へようこそ!」と松本。そ、そんな!? すると、すかさず中澤が「俺たちの時間には、まだ降ってないよね?」と言うと、客席からは安堵の歓声があがっていた。そして、明日からも駆け抜けていくためのガソリンのような「Breakthough」、SUEMITSU & THE SUEMITHのカバー「allegro cantabille」と畳み掛けていく。どっぷりと世界観に浸っていると、中澤が「呼んだ? 俺、ナカザスキー!」と空気を切り裂く……ピープルの山口に続き、今日二回目だけど!(笑)。さらには松本も、「ここまで雨に恵まれるバンドは、世界に必要とされる。来年あたり、ゴビ砂漠にツアーにいきます」なんて世界規模な話に飛んでいく(笑)。しかし、感動的な場面はこの後やってきた。「最後(の野音)なんて言ったけど、まだまだやりたい。音楽好きな奴、手をあげてくれ!」と言い、『LISTEN TO THE STELEO!!』へ。途中、シンガロングが起こると、「心で歌おう」と呼び掛け、静まり返った客席に向けて「俺には聞こえる。恥ずかしい人も、これなら大丈夫」と言ったのだ。これは、ハッとした後に、こみ上げるものがあった。続く『ナカザのディスコ★』では色とりどりのペンライトが舞い、『Holiday』ではタオルが掲げられる。加速していく祝祭感。その空気の中で、松本の「難しいことを考えずに、やっと音楽を楽しめるようになった」という言葉からニューシングル『カモメトゥモロー』を披露した。最後は、「感無量です」とピープルとレンジに拍手を送ると、ピープルの波多野が再び登場! 松本と共に『東京』を歌い、見事にライブを締め括った。
アンコールに応え、出てきたのは松本と中澤。そして、二人だけで『ブルーハーツより愛をこめて』のカバーを披露! そして本当のラスト『グラフティー』で万感の終演を迎えた。中澤が去り際に「リキッドに会いに来てくれなきゃ、俺、拗ねちゃう」と言っていたけれど(笑)、今、彼らはツアー『Roots & Routes』の真っ最中で、ファイナルは7月13日の東京・恵比寿リキッドルームになる。音楽が好きだ、そうしみじみ噛み締められる今の彼らのライヴを、ぜひ一人でも多くの人に目撃して欲しい!
【取材・文:高橋美穂】
リリース情報
リリース情報
【ORANGE RANGE】オボロナアゲハ / もしも(完全初回生産限定盤)
発売日: 2013年04月17日
価格: ¥ 1,200(本体)+税
レーベル: ビクターエンタテインメント
収録曲
1.オボロナアゲハ
2.もしも
3.となりのジョセフィーン
4.Restart
5.Hello Sunshine Hello Future
6.Baby Baby
※M4〜6: Bonus Live Track from ORANGE RANGE LIVE TOUR 012 〜NEO POP STANDARD〜 2012.07.04 at 渋谷公会堂
セットリスト
SOU FES
2013.5.6@日比谷野外大音楽堂
People In The Box
- はじまりの国
- ニムロッド
- ダンス、ダンス、ダンス
- 親愛なるニュートン街の
- 割礼
- 球体
- 完璧な庭
- 旧市街
ORANGE RANGE
- もしも
- お願い!セニョリータ
- 今夜はtonight
- papa
- 上海ハニー
- HIBISCUS
- オボロナアゲハ
- ソイソースのTheme
- キリキリマイ
GOING UNDER GROUND
- トワイライト
- TWISTER
- Breakthrough
- Allegro Cantabile
- LISTEN TO THE STEREO!!
- ナカザのディスコ★
- Holiday
- カモメトゥモロー
- 東京
- グラフティー
お知らせ
GOING UNDER GROUND
TOUR 2013「Roots&Routes」
2013/05/26(日)広島CLUB QUATTRO
2013/06/01(土)盛岡club Change WAVE
2013/06/02(日)秋田CLUB SWINDLE
2013/06/08(土)大阪 Music Club JANUS
2013/06/22(土)千葉LOOK
2013/06/23(日)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
GOING UNDER GROUND
TOUR 2013「Roots&Routes」FINAL
上半期大感謝祭「カモメたちトゥモロー」
2013/07/13(土)恵比寿LIQUIDROOM
ORANGE RANGE
「NEW ALBUM SHOWCASE LIVE at SHIBUYA-AX」
2013/06/27(木)SHIBUYA-AX
People In The Box
「空から降ってくる vol.5〜劇場編〜」
2013/08/08(木)名古屋アートピアホール
2013/08/09(金)大阪 高槻現代劇場文化ホール
2013/08/11(日)福岡 博多百年蔵
2013/08/18(日)仙台シルバーセンター
2013/08/22(木)東京 芝メルパルクホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。