SONOMI、赤坂ブリッツで3年ぶりの単独公演を完遂!自信を胸にさらに上へ。
SONOMI | 2013.07.30
ワンマンとしては実に3年ぶりとなるSONOMIの赤坂ブリッツ公演。この日のライブはSONOMIにとって大きなチャレンジであると同時に、さらに上を目指すには絶対に成功させなければならない通過点でもあった。先に書いてしまうが、アンコール後のMCでSONOMIは、「私の実力だとこんな大きなところではライヴはさせてもらえません」と打ち明けている。マネージャーをはじめ、プロデューサーとしてSONOMIを全力でサポートしてくれるKREVAの後押しがあってこそ実現したのだと。だからこそプレッシャーも感じていただろう。緊張を隠しきれない場面もあった。それでもSONOMIは、強い責任感と持ち前のショーマンシップで会場に集まったファンの期待にこたえ、2時間のステージを自分らしいスタイルで完遂させてみせた。
これまた先に書いてしまうと、この日のラストソングは「何とかなる」だった。その歌詞には、《誰かが言ってました 「神様は超えられない試練は与えない」と》というフレーズがある。《私を信じられない日もありました》とも。そして、《何とかなる》と歌うのだ。本来は失恋をふっきる歌なのだけど、今の等身大のSONOMIの気持ちにも通じるようで、この日のライブを締めくくるのにすごくぴったりだと思った。もともとSONOMIはシンガーとしてのセンス、表現力、バランス感覚は優れたものを持っている。ただもし彼女に何か欠けているものがあるとすれば、それは自分を信じる力なのだと思う。そういう意味でこの日の赤坂ブリッツでのワンマンを成功させたことは、SONOMIにとって大きな自信になったのではないだろうか。
少し前置きが長くなったが、この大きな意味のあったライブ。彼女がこの先歌い続けるかぎり忘れることはないであろう7月15日赤坂ブリッツの模様を以下でレポートする。
開演が15分押したこともあり、SONOMIの登場を待ちわびるオーディエンスは割れんばかりの手拍子でSONOMIを迎えた。オープニングナンバーは「Hey!」。ゴリゴリのトラックをさらりと乗りこなすSONOMIの澄んだ歌声が会場に響き渡り、いきなりのコール&レスポンスで客席との距離を縮めていく。それは3年ぶりの再会とは思えない、親密な「おひさしぶり」のあいさつだった。「赤坂ブリッツ!楽しむ準備はできていますか?」というSONOMIの声を受けて、いよいよライブはスタートする。
この日はベストアルバム『S.O.N.O.M.I』を引っ提げたツアーということで、初盤は人気曲が続く。お客さんとの掛け合いで作り上げた「愛が足りないよ」、何気ない朝のひと時をレゲエでつづった「Everyday☆エビデー☆」、大きな身ぶり手ぶりと共に歌い上げた「こっちきてBaby」など、アッパーなナンバーでフロアを温めていく。6曲終えて、「(お客さんと)いろいろな気持ちを共有できるワクワクが止まりません」とこぼした一言に、この日のライブをSONOMI自身が心待ちにしていたことが伝わってきた。
中盤はお客さんを椅子に座らせて、SONOMIは鍵盤を弾きながら。「おやすみ」ではひとつひとつのフレーズを噛みしめるように、決して何にも揺るがない強く大きな愛を歌い上げた。穏やかな時間は続き、ここでKREVAのカヴァーで「EGAO」を。数あるKREVAの楽曲の中でこの哀愁ただよう切ない1曲をチョイスするのがなんともSONOMIらしい。
その後、相棒・熊井吾郎によるDJコーナーでは夏ソングの連投でフロアを盛り上げていると、夏らしい鮮やかな衣装にお色直ししたSONOMIも「SUMMER」を投下した。歌詞の《二人だけの夏を あなたとの夏を》を、《キミとの夏を KREVAとの夏を》に替えて歌ったかと思えば、スペシャルゲスト、KREVAが登場!その堂々たる佇まいで一気に会場を掌握する。ここまでひとり満員のお客さんを前に自分を奮い立たせて歌っていたSONOMIも、KREVAという大きな存在を隣に感じ、気負いやプレッシャーを忘れて純粋な気持ちで音楽に身をゆだねているのがわかる。そのままKREVA+熊井のダブルDJで「I miss you」「Day and Night」。さらに「遠くまで」で再びSONOMIと共にマイクをとったKREVAは、曲が終わると登場した時と同じように、颯爽とステージを去っていった。
KREVAと共に作り上げた会場のテンションを引き継いだSONOMIは「名前を呼んで! S.O.N!」と客席を煽ると、「名前を呼んで」で会場の盛り上がりは最高潮に。いよいよライブは終わりを迎えようとしている。「みなさんと、みなさんの大切な人が幸せでありますように」という祈りと共に、最後に歌ったのは「I PRAY」。人生に、音楽に、自分自身に、真面目すぎるほど真面目に向き合うSONOMIの人柄そのままを映し出したようなこの楽曲に、会場は静かに聴き入っていた。
束の間の暗転を経て、アンコール。まずはSONOMIが人生で初めて書いた楽曲「赤い光」。続く「一人じゃないのよ」では再びKREVAが登場。お客さんも歌に参加して、ひとつの空間を作り上げていく。そして会場をかき回すだけかき回した後、KREVAが放った言葉はまさにその日のライブの意味をズバリ言い表していた。「『S.O.N.O.M.I.』が完成して、今日のライブがあって、SONOMIはこっからオギャーって(生まれた)感じだと思う」と。そして、この先まだまだ歩みを止めず、SONOMIがシンガーとして成長してほしいとエールを贈った。その言葉を受けて、いよいよ本当に本日最後のナンバー「何とかなる」へ。聴き手と気持ちを共有したい、気持ちは伝わらなくては意味がない、この日のMCで何度も口にしていた想いがこの曲に集約されていた。
この日、全22曲を歌い切り、大きな歓声を受けながらステージ上で何度も何度も「ありがとう」を繰り返していたSONOMI。赤坂ブリッツという大きな舞台で得たかけがえのない経験と、目の前でたしかに「SONちゃ?ん!」と自分の名前を呼んでくれるお客さんの存在を力に、いま新たな一歩を踏み出そうとしている。
【取材・文 秦理絵】
セットリスト
SONOMI CONCERT 2013
「S.O.N.O.M.I」
2013.7.15@赤坂BLITZ
- 01.Hey!
- 02.愛が足りないよ
- 03.Everyday☆エブリデー☆
- 04.こっちきてBaby
- 05.Midnight
- 06.流れ星、流れないで
- 07.Highway of Love
- 08.ツモリツモッテ -short ver-
- 09.You can see?
- 10.感情リテラシー
- 11.おやすみ
- 12.EGAO(KREVA COVER)
- ~GORO KUMAI CORNER~
- 13.SUMMER Re-Mix
- 14.サプライズ
- 15.I miss you(HOUSE MIX)-short ver
- 16.Day and Night
- 17.遠くまでfeat. KREVA
- 18.名前を呼んで
- 19.一瞬でも
- 20.I Pray
- 赤い光
- 一人じゃないのよfeat. KREVA
- 何とかなる
リリース情報
S.O.N.O.M.I(CD+DVD)
2013年04月17日
rhythm zone
1. 遠くまで feat.KREVA
2. 一人じゃないのよ -Vintage Moderns Version-
3. Everyday ☆エビデー☆
4. midnight
5. I miss you -Re-mix 2013-
6. SUMMER
7. ミラクルチョコレート
8. 愛が足りないよ
9. 何とかなる
10. 一瞬でも
ディスク:2
1. Hey! -Re-mix 2013-
2. 感情リテラシー
3. 名前を呼んで
4. 流れ星、流れないで
5. こっちきてBABY
6. I Pray
7. You can see? -2013 ver-
8. Day and Night
9. 赤い光 -2013 ver-
10. おやすみ
ディスク:3
1. 一人じゃないのよ -Music Video-
2. Everyday ☆エビデー☆ -Music Video-
3. midnight -Music Video-
4. I miss you -Music Video-
5. SUMMER -Music Video-
6. ミラクルチョコレート -Music Video-
7. 愛が足りないよ -Music Video-
8. 何とかなる -Music Video-