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話題のアーティストが集結した“R-BROS FEST.2013”をレポート!

R-BROS FEST | 2013.09.27

 テレビ東京で放送中の音楽番組『ロック兄弟』が、初のライブイベント【R-BROS.FEST 2013】を開催! 早速、足を運んでみた。
 オープニングアクトのLyu:Lyuのパフォーマンスが終わると、番組MCの田中美里がイベントMCとしてステージに登場して、番組ファンの若いオーディエンスたちにフェスの開幕を告げる。最初にコールされたのは、石崎ひゅーいだった。

 バックはドラム、ベース、ギター、キーボードにバイオリンという編成。バンドが位置に着いた後、すっと登場した石崎がいきなりマウスハープ(ハーモニカ)を吹き始める。いかにも男性シンガーソングライターらしいスタートだ。そのままアップテンポのロックナンバー「シーベルト」へ。バイオリンが印象的なイントロのメロディを奏でると、オーディエンスは話題のニューカマーを目の前にした喜びを爆発させる。重いバスドラムの音の壁から楽々と抜け出す石崎の歌声のパワーは、そんな期待に応えて余りあるものだった。
 激しいステージアクションの果て、次の「夜間飛行」を歌い終わると、石崎は床に倒れ込む。すると女性ファンから「ひゅーい、起きて」と声がかかった。2曲目にしてこのパフォーマンスに、一方では笑いも起こるが、石崎は気にすることなく、ステージの床を這っていって水を飲んだのだった。
 石崎はどうやらマイペースなヤツらしい。起き上がって歌ったミディアム・バラード「花瓶の花」が、この日、いちばんの出来だった。
 ロックンローラー、政治家、アンチクショウ、怪獣、パレード、ゼンマイのロボットなど、石崎の作る歌では多くの名詞が連呼される。そうした名詞の羅列が、リスナーのイメージを広げるのか、それとも狭めるのか。そこが彼の勝負どころだろう。
 シーンに鮮烈な印象を与えた「第三惑星交響曲」ではアーティストとしての底力を発揮。「飛べよ、赤坂」と叫んで、自らスピーカーによじ登って飛び降りたり、一瞬たりとも目が離せないライブだった。

 ねごとは一人一人、別々のアクションで登場。ドラムの澤村小夜子は頭上でクラップしながら、ベースの藤咲佑はタオルを掲げながら、ギターの沙田瑞紀はドレッシーな仕草で、ボーカル&キーボードの蒼山幸子は両手を高々と挙げながら、ステージに入って来る。最初の「sharp♯」から、抜けのいいボーカルと、他の3人がコーラスに参加するというこのバンドの魅力が全開になる。3曲目の「メイドミー…」では蒼山がハンドマイクで前に出て、ハスキーなのにキラキラする声でオーディエンスを魅了する。
 この春、大学を卒業して音楽活動に専念できるようになった4人は、演奏力が格段にアップしている。特にリズムの進化は強烈で、曲のあちこちで切れ味抜群の仕掛けを決めてみせる。
 しかも、そんな実力をこれでもかと見せつけるわけではなく、女子バンドとしてのキュートな印象が先に立つから不思議だ。この日もカラフルなコスチュームで、彼女たちのファンタジックなリリックの世界観を具現化していたのが素敵だった。
 くるりの名曲「ばらの花」をねごとらしい超ユニークな解釈でカバーしたり、「ループ」では蒼山が右手で複雑なアルペジオを弾きながら、左手を振り上げてオーディエンスを煽ったりの離れワザ。後で蒼山に聞くと、「難しいけど、その方がお客さんも楽しいでしょ」と笑って答えてくれた。いい意味でバンドの意識が高 まっていることを痛感するライブになった。
 ラスト「カロン」では、あくまで伸びやかなメロディを中心に置いて、沙田と藤咲が追っかけコーラスを取ったり、澤村がタイトなロールビートを繰り出したりして、ねごとの秘めている音楽の豊かさを改めて実感したのだった。

 ここで突然、MCの田中美里の“ミニショー”が始まる。女子ダンサーを従えて、歌ったのは「オレ!オレ!俺ノミクス!(仮)」。氣志團の團長・綾小路 翔が書き下ろした“デビュー候補曲”で、ラテンリズムの面白ソング。きっちりやり切った美里ちゃんに、場内は大興奮&大爆笑だ。「この曲、イケてるかどうか、アンケートに協力してくださいっ」。何でもアンケート次第で、デビュー曲として採用されるかが決まるのだそうだ。さて、結果はどうなったのやら……。

 トリは「ロック兄弟」最多出演アーティストのSPYAIR。ヤバいサイレンの音が鳴り響き、真っ赤なライトが回転する中、巻き起こる大歓声を掻き分けて4人が現われた。オーディエンスが一気に前に詰めかける。
 いつものようにステージ最前にセットされた台に、ボーカルのIKEとギターのUZが上がって、爆音で「OVERLOAD」がスタート。IKEが「TOKYO、暴れろ?」 と叫ぶと、観客はさらに前に押し寄せる。続く「0 GAME」では、KENTAのドラムとMOMIKENのベースがどっしりしたいい感じの重さを醸し出す。  「調子はどう? 楽しめてますか? SPYAIRと一緒に遊んじゃおうぜ!」とIKEが思い切り煽って始まった「Rock’n Roll」が良かった。全身全霊でぶつかるSPYAIRに応えて、オーディエンスもガチで反応する。♪イェイ イェイ イェイ♪とコブシを上げて大合唱し、モッシュが起こる。と、IKEが「オレの知ってるブリッツは、こんなもんじゃねーんだよ」とカツを入れる。オーディエンスはさっきより大きな声を張り上げ、体をぶつけ合う。
 そういえばこの「Rock’n Roll」という曲は、昨年、同じブリッツで武道館公演を発表した際に初披露された。生演奏を主体にしたこの曲は、SPYAIRが本格派ロックバンドとしてシーンに名乗りを上げた記念碑的ナンバーなのだが、昨年の演奏はやや頼りなかった。だがこの日、SPYAIRはついにこのロックチューンを自分たちの血肉で染め上げた。“真夏の3番勝負”など多くのライブを経験して、完全に吹っ切れた4人のSPYAIRがそこにいた。
 ライブでの人気曲「サムライハート(Some Like It Hot!!)」では、みんながタオルを回す。IKEは自分たちとオーディエンスの成長を実感して、目の前に広がる楽しい光景を眺め回しながら「いーね!」と叫ぶ。
 「初めてSPYAIRを見る人、よろしくね。落ちてるときでも、オレらと一緒にライブを作ってったら、元気が出ると思います。最後に、SPYAIRのニューアルバム『MILLION』の中の曲を、しっかり届けます。みんなに会えて、よかったよ」と、ビッグスケールの名曲「虹」。この曲の表現も、以前とは比べものにならないくらい豊かになっていた。しかも、もっともっとスケールアップする予感がひしひしとするライブになった。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:上飯坂一】

tag一覧 ライブ SPYAIR ねごと 石崎ひゅーい 田中美里

セットリスト

R-BROS FEST.2013
2013.9.13@赤坂BLITZ


石崎ひゅーい
  1. シートベルト
  2. 夜間飛行
  3. 花瓶の花
  4. 第三惑星交響曲
  5. 3329人

ねごと
  1. sharp♯
  2. Re:myend!
  3. メイドミー…
  4. メルシールー
  5. ばらの花
  6. ループ
  7. Lightdentity
  8. カロン

SPYAIR
  1. OVERLOAD
  2. 0 GAME
  3. Rock’n Roll
  4. WENDY〜It’s You〜
  5. サクラミツツキ
  6. サムライハート(Some Like It Hot!!)
  7. 現状ディストラクション

お知らせ

「ロック兄弟」がニコニコ生放送にお引っ越し!
MC:田中美里が豪華ゲストと熱いトークを展開します。
初回は10/4(金)21:00〜、ゲストにSCANDAL迎えオンエア!

『ロック兄弟』ニコニコ生放送の番組URL
http://ch.nicovideo.jp/rock-kyoudai

10/4(金)21時〜の回の視聴はこちら。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv153265519

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