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宇宙をテーマとしたミュージカル風ライヴ!

きゃりーぱみゅぱみゅ | 2013.12.05

 アルバム『なんだこれくしょん』を引っさげ、9月から始まった『なんだこれくしょんツアー?きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター?』が、11月23日、大宮ソニックシティでファイナルを迎えた。

 今回のツアーは、21都市23公演というスケジュールで行われたのが、いつものように、“来てくれた人たちを最高に楽しませたい!”というきゃりーの想いから、ストーリーを立て、ミュージカル風に仕立て上げた構成となっていた。

 事前に配布された、『きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター』というパンフレットに描かれた物語の内容は、宇宙船に乗ったスーパークール大臣(KISSのようなメイクと衣装の悪役風な出で立ちの大臣)と、キューン(大きな猫のお化け)と、宇宙ダンサーたちが、きゃりーぱみゅぱみゅと共に地球を政略しにやって来たというモノだった。

 「なんだこれくしょん」からの幕開けに、オーディエンスが客席を色とりどりのペンライトで埋め尽くすと、宇宙ダンサーたちがステージへと華々しく飛出してきた。間髪入れずに「インベーダーインベーダー」が始まると、ステージ中央の宇宙船がゆっくりと回転し、そこから、スーパークール大臣とキューンに囲まれたブルーの衣装を着たキャリーが登場したのである。

 オーディエンスは大興奮! きゃりーのライヴには、パパとママと一緒にやって来たちびっ子たちも多いのだが、そんなちびっ子たちも、精一杯背伸びをして、きゃりーを力一杯呼んでいた。

 続いて届けられた「くらくら」では、ダンサーもきゃりーも、ハタキを持った振り付けで盛り上げたこともあり、より一層ミュージカル感が増していったのだった。

 と、ここで、スーパークール大臣とキューンが、この地球を政略しようと下見にやって来たという流れを芝居として挟み、ステージは第二幕へと移り変わった。

 ここから並べて届けられた「Super Scooter Happy」「Drinker」では、「Super Scooter Happy」を、スクーターに乗って登場したキューと、「Drinker」をスーパークール大臣とキューンと、ミュージカルテイストな演出で魅せていき、CMでもお馴染みの「み」では、曲中にオーディエンスと“HiHiHi!”の掛け声を加え、純粋なライヴ感でフロアを盛り上げるなど、いつもとは違った景色の盛り上りを作っていったのだった。

 そして。再びスーパークール大臣とキューンが登場し、更にお芝居を繰り広げていく。

 それは、“この星(地球)が、きゃりーを必要とするならば、きゃりーをこの星に置いていってもいい”というモノ。オーディエンスの盛り上り次第では、きゃりーを宇宙へ連れ帰ると言うのだ。スーパークール大臣の言葉を真っ直ぐ受け取ったちびっ子たちは、きゃりーを連れて行かないでと、枯れんばかりの大きな声できゃりーの名を叫んでいた。そんなちびっ子の声を聞き、童心に戻り、この物語の中に入り込んでいたオーディエンスも多かったことだろう。大きなきゃりーコールに応え、衣替えを終えたきゃりーが再びステージに現れた。ピンクのスイートな印象の衣装に身を包み、「ぱみゅぱみゅレボリューション」「ふりそでーしょん」「きゃりーANAN」という人気曲で盛り上げたきゃりーは最高にキュートだった。ん? いやいや、しかし。よ?く見るとこの衣装、単にスイートなだけではなさそうだ。デッカイ目玉や、カラフルなゲボ(←本人談)などがモチーフとなってくっついているではないか………。【グロ可愛い】をテーマとする、揺ぎない彼女のコンセプトを、まじまじと見せつけられたヴィジュアルだったのである。MCでも衣装について解説していたきゃりーだが、今回の衣装も自分でデザインしてスタイリストさんに具現化してもらったモノだったそうで、オープニングでのブルーの衣装は、ナント、ゴミ袋で出来ていたのだと言う。【可愛い!】と思うモノ、【面白そう!】と思うモノはすべて取り入れていこうとする貪欲なファッションモンスター・きゃりーぱみゅぱみゅ。足元は、さすが原宿ッ子。原宿ファッションには欠かせない、そして、きゃりーファッションの必須アイテムでもある、TOKYO BOPPER風の厚底靴。と、そのバランスは絶対的である。

 とにもかくにもキュートなきゃりー。彼女はここで、少し長めのMCを取った。

「大宮のみなさん! 『きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター』へようこそお越し下さいました!
 9月から3ヵ月やってきたツアーも、今日で最後です! みんなもいつもよりも元気な気がするので、一緒に歌って楽しんで下さいね! 武道館ではサーカスがテーマで、ZEPPツアーでは遊園地がテーマだったので、今回は、みんなをどやって楽しませようかいろいろと考えたんです。それで、ミュージカル風にしたんです! ちっちゃい子に夢を与えられたらな、大人のみなさんには、毎日の嫌なことを忘れられる時間であったらいいなと思って、一生懸命考えました! 嫌なこと全部忘れて、きゃりーぱみゅぱみゅの世界を楽しんで下さいね! 私と言えば、昨日髪をピンクにそめたばかりなので、さっきからピンクの汗がいっぱい出ているんですよ。もぉね、ほとんどカバですが……(笑)」

 ナント、カバの汗がピンクであることを知っているとは、きゃりー、なかなかの雑学王である。  そんなほんわかしたMCの後も、「みんなのうた」「キミに100パーセント」で会場を盛り上げ、さらに、今回のコンサートならではの企画であった、【質問コーナー】を設けたのだ。それは、挙手したオーディエンスを、きゃりー自らが選び、直接対話して質問に答えていくという、客席との距離をグッ縮めたアットホームな時間であった。

 後半は、アカペラでメロを歌いながら、「にんじゃりばんばん」の振り付けをオーディエンスに伝授したり、“フェスではウケがイマイチだったんですよ?”などと、今年参加したフェスでの様子をみんなに話した流れで、シュールな印象の「のりおとのりこ」を披露したり、ヴィジョンに、ダリの絵のような不思議空間を背負いながら、キュートなグロ可愛いさで「つけまつける」を歌って盛り上げたりと、最高の時間をプレゼントしてくれたのだった。

 きゃりーを地球に置いていくことを決心したスーパークール大臣と、ちょっぴり寂しそうな表情を浮かべるキューンの幕間芝居を挟み、ライヴは終幕へと繋がれた。ラストブロックでは、純白の少し大人っぽい衣装に着替え、「Unite Unite」「おとななこども」をしっとりと届けて、本編の幕を下ろしたのだった。

 鳴り止まないアンコールに応えたきゃりーは、いつものようにピンクのウサ耳姿で登場し、2014年からスタートする海外ツアーを告知。さらに、お城がテーマになるという1月18日19日に控えた横浜アリーナでの単独公演への熱い想いを語り、最新シングル曲「もったいないとらんど」を披露し、長かったツアーを締めくくったのだった。

【取材・文:武市尚子】
【撮影:石井亜希】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル きゃりーぱみゅぱみゅ

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リリース情報

もったいないとらんど[初回限定盤](CD+DVD)

もったいないとらんど[初回限定盤](CD+DVD)

2013年11月06日

ワーナーミュージックジャパン

[CD]
1. もったいないとらんど
2. すんごいオーラ
3. にんじゃりばんばん -extended mix-
4. もったいないとらんど ?instrumental-
5. すんごいオーラ?instrumental-
[DVD]
もったいないとらんど ふりつけビデオ by きゃりーダンサー

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セットリスト

なんだこれくしょんツアー
〜きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター〜
2013.11.23@埼玉・大宮ソニックシティ

  1. なんだこれくしょん
  2. インベーダーインベーダー
  3. くらくら
  4. Super Scooter Happy
  5. Drinker
  6. ぱみゅぱみゅレボリューション
  7. ふりそでーしょん
  8. きゃりーANAN
  9. みんなのうた
  10. キミに100パーセント
  11. ファッションモンスター
  12. にんじゃりばんばん
  13. のりことのりお
  14. さいごのアイスクリーム
  15. つけまつける
  16. Unite Unite
  17. おとななこども
アンコール
  1. もったいないとらんど
  2. ちゃんちゃかちゃんちゃん

お知らせ

■ライブ情報

きゃりーぱみゅぱみゅのマジカルワンダーキャッスル
2014/01/18(土)横浜アリーナ
2014/01/19(日)横浜アリーナ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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