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Silent Sirenメジャーデビュー一周年記念ツアーのファイナルをレポ

Silent Siren | 2013.12.16

 全国8か所に及ぶツアー『Silent Siren Live Tour 2013冬?サイサイ1歳祭この際遊びにきちゃいなサイ!?』のファイナル公演が、この日、Zepp DiverCity TOKYOにて行われた。タイトルにも表れている通り、このツアーは彼女たちのメジャーデビュー1周年を記念して行われたもの。自身最大規模のステージの広さやキャパシティもなんのその。チケットも早期に完売し、当日は2500人を集客。演奏、パフォーマンス、演出、動員等様々な面で、彼女たちのこの1年の成長と安定、今後の伸びシロを確信させてくれた。

 客電が落ちると、まずはステージ前の紗幕(しゃまく)にSilent Sirenのこの1年の軌跡を振り返るように、これまでの写真や動画が次々と映し出される。移り変わる度に高まる歓声。それがピークを迎えた時、その紗幕にドラムの<ひなんちゅ>こと梅村妃奈子のシルエットが浮かび、タイトで重いドラミングが会場に放たれる。1曲目は「Remember」。曲に入ると同時に紗幕が落ち、パーッと明るいステージが目に飛び込んできた。高さの違ったひし形の雛祭り模様の舞台上に立つ4人。「東京のみんな、盛り上がっていくよ。一緒にコール&レスポンスをしよう」とキーボードの黒坂優香子こと<ゆかるん>がステージ前方までせり出て、同曲のサビ部で現れるタオル大旋回を煽る。1曲目からライヴを走り出させた4人。切なさを帯びたボーカルと、それを振り払うような疾走感溢れるサウンドがたまらない。頭の3曲は春の装いの曲が続いた。発表当時のMVともリンク。会場にポップさを呼び込み、歌われるあの日、あの場所へとみんなを誘った「stella☆」、「みんなのもとに届きますように」とのボーカル&ギターの<すぅ>こと吉田菫の言葉より入った「LOVEのしるし」では、上昇感溢れる同曲と共にウキウキドキドキな気持ちが会場に広がっていく。

 この日は彼女たちのこの1年を振り返るように、色々な季節の曲が楽しめた。ブロック毎に着替える衣装も各楽曲の持つそれぞれの季節感とリンクしている。さしずめ次のブロックは夏。夏の夜空にキラキラとした幻想を浮かばせてくれた「Starmine」、"戻ってきてよ"の切ない気持ちが溢れ、そこにみんなが気持ちを重ねた「Milky☆Way」、「Soda」ではスプラッシュさと爽快感で会場をいっぱいにし、しかもこのツアー各地での同曲の際に登場していた謎の「ソーダマン」が、この日も登場。実はそれがハイキングウォーキングの鈴木Q太郎だったことがこの日判明し、場内がそれを大歓迎する。Q太郎は手に持っていたソーダならぬコーラを一気飲みし、ゲップをせずに山手線の全駅名を一気に言う持ちネタを披露。ライヴとはまた違ったエンタテインメント性が盛り込まれる。
 その後、ツアーを振り返るトークやサイコロトークコーナーを挟み、会場全体のフリを交えた「LOVE FIGHTER!」にて愛の格闘者に向けてのエールを放つと、続く「サイレン」「まだ見ぬ明日を」のギターロック的アプローチゾーンでは、正反対にシリアスなロックバンド、Silent Sirenが顔を覗かせる。中でも、このゾーンでの<あいにゃん>こと、山内あいなによる軟質と硬質を使い分けるベースには目を見張るものがあった。

 中盤での見どころは、「チラナイハナ」「I×U」、そして新曲「Delay」の流れであった。過去、現在、未来を味あわせてくれたこのブロック。彼女たちが結成後初めて作った「チラナイハナ」は、ストリングスの音色も交え、会場中の郷愁を誘い、彼女たちのここまでの成長と表現力のアップを感じさせ、また最新曲「I×U」では、同じ切ない曲ながら、感情移入や楽器での演出部分にて現在の彼女たちの表現の幅や深みを堪能させてくれた。また、MCを挟んでの本邦初公開の新曲「Delay」に至っては、歌に入る前のすぅによる「目の前のことに一生懸命になり過ぎて自分を見失ったり、悔しいって思うその頑張りを見てくれている人がいることを信じて作った」との言葉通り、聴く者の心に秘めた決意や夢を応援してくれる同曲を経て、今や彼女たちが多くの人の心に寄り添える曲を作るまで至ったことを改めて知ることが出来た。

 ラストの3曲は<パーティバンドSilent Siren>が楽しめた。タオル大旋回の壮観を生んだ「イブニングスター」、みんなが作ったハートサインが会場中に咲いた「ランジェリー」、そして、メジャーデビューシングル「Sweet Pop!」では彼女たち独特の極上のスイートポップがキュートにカラフルに炸裂。会場中いたるところにハッピーの花を咲かせた。

 アンコールは3曲。それらはどれも盛り上がりソングであった。と、その前に、ここでは重大発表が幾つかされた。中でも次の全国ツアー中に日比谷野外音楽堂が含まれていることが報じられた際には会場中が沸騰。その歓声から、かなり高い待望感や期待値を感じた。
 アンコール1曲目は新曲「ぐるぐるワンダーランド」。ゆかるん初作詞担当曲だ。サビでは会場中で曲に合わせてタオルが回され、そのキャッチーで覚えやすいフレーズに、曲の終盤には既に覚え一緒に歌っている方も多くいた。そして、みんなでジャンプを一斉に繰り返し、「All Right」を叫び合った「All Right?“今”を懸ける?」、キャノン砲からピンクの銀テープも飛び出し、会場の熱さと楽曲の熱さに今年の暑かった夏を、もう一度思い返させてくれた「ビーサン」で、この日のライヴは終了した。

 メジャーデビューからのこの1年を、季節やそこに込められた想いそのままに再体感させてくれた4人。2年目、3年目と、これからも彼女たちは吸収し、成長し、Silent Sirenらしいポップソングの数々を次々と私たちに届けてくれるに違いない。彼女たちを追いかけるまた新しい楽しみが増えた夜だった。

【取材・文 池田スカオ和宏】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル Silent Siren

リリース情報

31Wonderland(初回生産限定盤)[CD+DVD]

31Wonderland(初回生産限定盤)[CD+DVD]

2014年02月12日

Dreamusic

ディスク:1
1. ビーサン
2. I×U (他、収録予定)

ディスク:2
1. ビーサン (ミュージックビデオ)
2. I×U (ミュージックビデオ)
3. ライブハウスツアー・ドキュメント (他、ミュージックビデオ収録予定)

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セットリスト

“Silent Siren Live Tour 2013冬〜サイサイ1歳祭この際遊びにきちゃいなサイ!〜”
2013.12.7 @ Zepp DiverCity Tokyo

  1. Remember
  2. stella☆
  3. LOVEのしるし
  4. Starmine
  5. Milky☆Way
  6. Soda
  7. LOVE FIGHTER!
  8. サイレン
  9. まだ見ぬ明日を
  10. ユメオイ
  11. チラナイハナ
  12. I×U
  13. Delay(新曲)
  14. サイサイメドレー(「→」(イントロ)〜「want CHU?」〜「恋哀」〜「Crazy Lady」〜「→」)
  15. イブニングスター
  16. ランジェリー
  17. Sweet Pop!
Encore
  1. ぐるぐるワンダーランド(新曲)
  2. All Right〜“今”を懸ける〜
  3. ビーサン

お知らせ

■ライブ情報

Silent Siren きょうはクリスマス!〜サイサイはまだチキンライスでいいや〜
2013/12/25(水)恵比寿LIQUIDROOM

Silent Siren Live Tour 2014 春
〜31Wonderland ぐるぐる全国まわっちゃうよツアー〜

2014/03/15(土)横浜ベイホール
2014/03/22(土)仙台RENSA
2014/03/23(日)郡山#9
2014/03/28(金)福岡 DRUM LOGOS
2014/03/29(土)広島CLUB QUATTRO
2014/04/05(土)新潟LOTS
2014/04/06(日)富山MAIRO
2014/04/11(金)水戸ライトハウス
2014/04/20(日)高崎 club FLEEZ
2014/04/25(金)名古屋ダイアモンドホール
2014/04/27(日)札幌sound Lab mole
2014/04/29(火・祝)浜松 窓枠
2014/05/01(木)なんばHatch
2014/05/03(土)日比谷野外 大音楽堂
2014/5月某 沖縄(ツアー番外編)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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