様々な人気アーティストが所属するレーベル『unBORDE』のお祭り『unBORDE X’mas PARTY』の模様をレポート!
unBORDE | 2014.01.15
WARNER MUSIC JAPAN内のレーベルの1つ『unBORDE』所属アーティストが集結した『unBORDE X’mas PARTY 2013』。2年目となる今回の会場となったのは、先日オープンしたばかりのEX THEATER ROPPONGI。全10アーティストが約8時間に亘ってライブを行った。
【tofubeats】
最初に登場したのは、スタート直前までステージ上でDJをしていたtofubeats。1曲目は「水星 feat.オノマトペ大臣」。ターンテーブルなどを操作しながら時折ハンドマイクで歌うパフォーマンスのスタイルが目を引く。観客は軽快なビートに合わせて身体を揺らしながら堪能していた。その後も、「No.1 feat.G.RINA」などが披露されたが、途中で機材トラブルが発生。しかし、動じることなく持参していたケーブルを差し直したり、パソコンの音源に切り替えるなど、タフな対処で乗り切って喝采を浴びていた。「ここにマイクスタンドが……。何が起こるか考えてみてください」という意味深長なことを言って始まったラストの曲「Don’t Stop The Music feat.森高千里」では、なんとtofubeatsの衣装に合わせたスタートレック風のブルーのワンピースを着た森高千里が登場! 魅力的な歌声を響かせて、観客を沸かせた。
【RIP SLYME】
DJ FUMIYAがプレイを始めたのを合図にステージ上に登場したRYO-Z、ILMARI、PES、SU。オープニングを飾ったのは「GOOD TIMES」。絶妙なコンビネーションで展開するラップが、観客をみるみる内に開放的に踊らせる。続いて、「SLY(ALBUM ver.)」と「ジャングルフィーバー」も披露され、フロアの熱気の上昇はとどまるところを知らなかった。「今日はすごいラインナップですよ。ご安心ください。これ以上の年寄りは出てきません!」、RYO-Zのウィットに富んだMCが雰囲気を和ませた後、「熱帯夜」。濃厚なグルーヴが躍動し、観客のダンスは一層エネルギッシュさを増す。そして、ラストは「JOINT」。「タオルでもTシャツでも、なんでも振り回しちゃって!」とRYO-Zが呼びかけると、掲げられた色とりどりのタオルなどがフロアの全面で回転。様々なアーティストのファンが集まるイベントでも最高の一体感を生み出せるRIP SLYMEは、やはりさすがであった。
【バンドじゃないもん!】
SEが流れ、元気よくステージに駆け込んできた5人のメンバー。「雪降る夜にキスして」がスタートすると、会場は歓声で揺らいだ。鈴姫みさ子がダイナミックに叩くドラムの周囲で、目まぐるしくフォーメーションを変化させながら歌って踊る恋汐りんご、水玉らむね、七星ぐみ、望月みゆ。彼女たちのパフォーマンスに合わせ、ファンは掲げたカラフルなサイリウムを激しく振る。圧倒的な熱気が渦巻くオープニングであった。個性豊かなキャッチフレーズを交えた自己紹介を経て「イヌイットディスコ」が始まると、フロアはますます観客のダンスで揺らぐ。ハードコアテイストの激しい爆音やキレの良いビートが人々の興奮を加速していく。ラストに「タカトコタン-Forever-」も披露されると、盛り上がりは最高潮へと至った。エンディングSEが流れる中、「ありがとうございました!」と手を振りながらステージを後にしたメンバーたちは、とても清々しい笑顔を輝かせていた。
【ゲスの極み乙女。】
「行くぜ!怪盗少女」に合わせて踊る……というインパクト抜群の登場の仕方をしたゲスの極み乙女。。彼らはunBORDEからデビューすることが発表されたばかり。「どんなバンドだろう?」と様子を窺っていた観客も多かったようだが、4人が音を鳴らした瞬間に雰囲気は一転。1曲目「餅ガール」の序盤から早くもたくさんの人々が興奮を露わにして踊り始めた。シャープにギターを刻み、歌声を響かせる川谷絵音 (Vo/G/Syn)。心地よいビートとグルーヴを生み出し続ける休日課長 (B)&ほな・いこか (Dr)。スリリングなフレーズを連発するちゃんMARI (Syn)。あからさまに只者ではないサウンドが勢いよく広がっていく。曲のエンディング間際でメンバーが餅を観客に撒くという謎なパフォーマンスで煙に巻きつつも、素晴らしい演奏だった。そして、2曲目「キラーボール」以降も、息を呑む場面が続いた。彼らは間違いなく2014年の音楽シーンを沸かせる存在となるはずだ。
【近藤夏子】
ステージに登場すると「盛り上がってますか?」と呼びかけ、観客の力強い歓声を浴びた近藤夏子。「よっしゃ! その調子で行きましょう!!」と言い、スタートした1曲目は「リハーサル」。バンドメンバーたちの演奏と一体になり、ピアノを力強く弾きながら歌う姿が実にキュート。会場全体は一気にキラキラした魅力で彩られていった。続いて、「わたしなりにプレゼントとして新曲を持ってきました。みなさんもいろいろあると思います。でも、わたしはそういう時こそ笑っていこうと思っています」という言葉を添えて「笑ってこぉ」。しっとりとしたメロディが優しく観客を包み込む。そして、ラストに届けられたのは、ハジケたサウンドを響かせる「い?のい?の」。歌の掛け合いも交えつつ、どんどん観客を巻き込んだ。全曲の演奏を終えて手を振りながら去っていく彼女に送られた拍手は大きかった。このライブをきっかけにファンになった人もたくさんいたのではないだろうか。
【パスピエ】
1曲目「チャイナタウン」の時点で、早くも観客を全力で踊らせたパスピエ。数日前にワンマンツアーが終了したばかりの彼らは、絶好調の演奏を煌めかせた。凄腕のプレイヤーたち揃いのバンドサウンドに包まれながら歌声を響かせる大胡田なつき(Vo)の存在感も堂々たるもの。「フィーバー」でさらに盛り上げた後、MCタイムとなった時も、場内はすさまじい興奮に包まれていた。「初めてパスピエを観る人も多いと思うけど、来年、SHIBUYA-AXで2マンライブをやることになりました。気に入った人がいたら、これからもよろしくお願いします!」という成田ハネダ(Key)の挨拶を挟んで突入した後半は、どこか和的な風味を漂わせる「とおりゃんせ」、叙情的なメロディが際立つ「最終電車」を披露。そして、ラストの「S.S」は、スピード感あふれるダイナミックなサウンドが会場全体を揺さぶる。ライブバンドとしての評価も高まっている彼らの実力を濃密に発揮したステージであった。
【高橋優】
バンドメンバーたちがスタンバイした後、ステージに登場した高橋優。彼がアコースティックギターを手にすると、「(Where’s)THE SILENT MAJORITY?」がスタート。イントロ中に「大声を聴かせてくれるか? 一緒に歌おうぜ、六本木!」と呼びかけ、歌声をエモーショナルに響かせながら観客をどんどん巻き込んでいった。続いて、2曲目「こどものうた」が我々の興奮を一層加速。力強くアコギをストロークしながら咆えるように歌う高橋の姿は、鬼気迫るものがあった。「来年もみなさんのもとに祝福が訪れますように!という願いをこめて歌いたいと思います」という言葉を添えて披露された「泣ぐ子はいねが」は、観客の大合唱も高橋の歌声に負けないくらいにパワフル。そして、「来年もみなさんと会って大声を張り上げられるのを楽しみにしています!」と言い、ラストに届けたのは「同じ空の下」。温かい手拍子に彩られながら、瑞々しいメロディをじっくりと響かせた。
【チームしゃちほこ】
ファンのすさまじい歓声に出迎えられた6人のメンバー、秋本帆華、咲良菜緒、安藤ゆず、大黒柚姫、坂本遥奈、伊藤千由李。「いいくらし」がスタートすると、一層熱い声がフロア中から起こり、ステージに向って届けられた。6色の衣装に身を包んだメンバーたちは4つ打ちのビートに合わせて踊り、フォーメーションを次々と変化させながら盛り上げる。続いて華々しいシンセサイザーの音色が響き渡り、スピード感たっぷりに展開した「勝手にハイブリッド」。激しいコールと大合唱を誘った「乙女受験戦争」。アッパーなサウンドの3曲をほぼ休むことなく披露しながらも、実に楽しそうに笑顔を輝かせている彼女たちの姿が印象的だった。自己紹介などを挟み、ラストに届けられた「大好き!」は、曲の途中でメンバーが次々とプレゼントを観客のもとへと投げ込む(楽屋にあったものをいろいろかき集めて用意したらしい)。全篇でフレッシュな魅力を輝かせたチームしゃちほこであった。
【神聖かまってちゃん】
メンバー自らが行っていたサウンドチェックの流れのまま、いつの間にやら本番をスタートさせた神聖かまってちゃん。「怒鳴るゆめ」で観客を踊らせた後、「もう今年が終わるんだぞ。年忘れとか抜きにして、1回きりの瞬間を分かち合おうぜ!」との子(Vo/G)が叫んで煽り、さらに演奏を繰り広げた。みさこ(Dr)がドラムを叩きながら歌った「熱いハートがそうさせないよ」。力強く躍動しつつも、どこか哀愁の漂うメロディを聴かせた「雨宮せつな」。イントロが始まるや否や歓声が上がり、圧倒的な盛り上がりとなった「ロックンロールは鳴り止まないっ」。メンバー同士の賑やかなやり取りなども合間に挟みつつ、バンドの強烈な個性を示し続けた。ラストの「夕方のピアノ」は、の子が喉が張り裂けんばかりの勢いでシャウト。そんな姿を目の当たりにした観客は、ますます力強い歓声で応えた。一瞬たりとも目が離せないスリリングなライブであった。
【きゃりーぱみゅぱみゅ】
「なんだこれくしょん」と「インベーダー インベーダー」をダンサーチームと一緒に踊りながら歌い、みるみる内に独自の世界で会場全体を包んでしまったきゃりーぱみゅぱみゅ。「昨年は声が出なかったんですけど、今年はなんと左足が痛い(笑)。でも、ライブ中は、みんなが盛り上がってくれれば痛くないよ」などと語り、unBORDEの他のアーティストとの交流エピソードも紹介した後、「にんじゃりばんばん」がスタート。一緒に歌いながら踊る人々で満杯のフロアは実に楽しそうな雰囲気。そして「もったいないとらんと」でますます盛り上げた後、再びMC。「明日はクリスマスイブです。楽しい日々を過ごしてください。次はわたしの中で一番ロックでかわいい曲です」と言い、ラストに披露したのは「ファッションモンスター」。ダンサーたちとステージ全体を使って繰り広げるパフォーマンスは、まるでファンタジー映画の一場面のよう。エンディングへと勢い良く雪崩れ込んだ時、観客の間からものすごい歓声が上がった。
全てのライブが終了した後、『unBORDE』のレーベルヘッド・鈴木竜馬氏が「このレーベルは時代感をテーマにしています。それぞれジャンルは違えど、時代感は一貫していると思います。いい形で盛り上げてくれて、素晴らしいパーティーになりました」と挨拶。そして、各アーテイストを呼び込んで改めて紹介。サイン入りカラーボールが客席へ投げ込まれたり、記念撮影も行われ、「来年はもっとでっかいところでやるからな!」という鈴木氏の力強い言葉と共に終演を迎えた。
【取材・文:田中 大】
ライブ イベント unBORDE RIP SLYME バンドじゃないもん ゲスの極み乙女。 近藤夏子 パスピエ 高橋優 チームしゃちほこ 神聖かまってちゃん きゃりーぱみゅぱみゅ
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