3月15、16日の2日間にわたって、FTISLANDやCNBLUEなどが所属する音楽事務所FNC Entertainment主催の イベント“2013 FNC KINGDOM-Fantastic＆Crazy-”が行われた（ちなみに、15日が“-Fantastic day-”、16日が“-Crazy day-”）。会場となった日本武道館は、両日とも客席を360度解放して行われ、2日で2万6千人を動員。大きな盛り上がりを見せた。しかも、事務所の所属アーティスト、FTISLAND、CNBLUE、JUNIEL、AOA、N.Flying、さらにスペシャルゲストとして俳優のイ・ドンゴンや人気タレント ソン・ウンイとFTISLANDのスンヒョンによるユニット、TWO SONG PLACEが総出演するということもあり、場内には独特のお祭り感が漂う。

　もともとは、昨年の12月に開催予定だったのだが、FTISLANDのボーカル、イ・ホンギのケガにより、この3月に延期されたもの。結果的には、春めいた時期のおかげでイベントのスペシャル感が増したように思う。　ここでは、2日目“-Crazy day-”の模様をお伝えしよう。

　さて、一番手に登場したのは前日トリをつとめたCNBLUE。彼らは「Like A Child」「Can’t Stop」（いずれも韓国で発売された最新アルバム『Can`t Stop』収録曲）などの聴かせるナンバーを前半にまとめ、後半は「Robot」など、ハードなレパートリーで場内を熱くしていく。ボーカルのヨンファは、時にワイルドなシャウトを響かせ、ワイルドなパフォーマンスでも盛り上げた。

　続いてはN.Flying。FTISLANDやCNBLUEにとっては、かわいい4人組の後輩バンドだ。しかし、彼らが叩き出すのはアグレッシヴなミクスチャーロック。LADY GAGAを大胆にカバーした「Poker Face」からグイグイと観客を引き込み、フレッシュなパワーで強い印象を残した。

　3番手はガラリと空気が変わってガールズグループAOAが登場。バンドとダンスというふたつのコンセプトを持つ彼女たちは、前半はバンド編成で曲を披露。後半は美脚を活かし、セクシーなダンスをフィーチャーした「揺れる」や「ミニスカート」で、華やかさをふりまいた。

　4番目はスペシャル･ゲストのTwo song place。ソン・ウンイとソン・スンヒョンのユニット（同じ名字＝songのユニットというのがポイント！）。何と、AOAのメンバーをバックダンサーにしたがえ、「Nai-ki」を披露。しかも、この日は途中からCNBLUEのドラマー・ミンヒョクが参加するというサプライズもあり、ファミリーコンサートらしく楽しませてくれた。

　5番手には女性シンガー、JUNIELが登場。キュートな彼女は透明感のあるボーカルで「Bad man」を聴かせ、場内をさわやかな空気に変えていく。MCでは、「昨日は社長と面談しました！」と、前日のエピソードを語り、場内をなごませるひと幕も。3曲目は「Sakura」。タイトル通り、この時期にピッタリのナンバーで締めくくってくれた。

　次に登場したのは韓国の人気俳優、イ・ドンゴン。ドラマ『パリの恋人』や映画『B型の彼氏』など、多くのドラマや映画に出演してきた彼は、安全地帯の「悲しみにさよなら」をボサノバ調にカバー。甘い歌声で瞬く間に観客を酔わせていく。そして、ラストには新曲のバラード「Oh I Love You」を熱唱し、大人の魅力で圧倒した。

　そして、トリをつとめたのはFTISLAND。彼らの時間となるやいなや、場内にはイエローのペンライトが点灯。「シアワセオリー」から、元気いっぱいでプレイするメンバーに、場内はどんどんヒートアップ。「Wanna go」や「Let it go」「FREEDOM」など、パワフルな曲を連発し、メンバー全員でステージを楽しんでいるようだった。ホンギのケガもすっかり回復した模様。アンコールでは、出演者全員を呼び込み、「鳥のように」をオールキャストで披露。暖かい空気の中、イベントは無事に終了した。4時間という時間を感じさせなかったのは、出演者全員が、個性豊かで勢いのあるアーティストだったからではないだろうか。これだけ豪華なファミリーコンサートも希だと思う。そして、出演者全員の今後の活躍にも期待したい。

【取材･文：海江敦士】