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武道館で開催された“SMA AWARDS 2014”の様子をレポート!

SMA AWARDS 2014 | 2014.05.02

 SMAらしさとはなんだろうか?
 4月19日に日本武道館で開催されたライブイベント「SMA AWARDS 2014?輝く!日本エスエムエー大賞?」には、設立40周年を迎えたソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)に所属する22組のアーティストが出演した。“特命係長”に任命され、同イベントのプロデュースと、各アーティストへの賞の選定を行った氣志團・綾小路 翔。影アナを担当し、オープニングアクトとして「冷やし中華はじめました」のメロディで「40周年迎えました」と絶叫したAMEMIYA。司会を務めた徳光和夫と渡辺満里奈。プレゼンターとして登壇した倉科カナ、ミッツ・マングローブ、バイきんぐ、国生さゆり。メッセージを寄せたYUKI、木村カエラ。そして、5時間に及んだイベントをバックバンドとして支え、栄えある<日本エスエムエー大賞>を受賞した、桜井秀俊とザ・キラーストリート・スライダーズ(仮)。ミュージシャン、タレント、俳優、お笑い芸人……と幅広いフィールドのアーティストが次々に登場したイベントだったが、“SMAらしさ”を教えてくれたのは、やはり奥田民生であった。

【最優秀スキマ賞】氣志團
 最初の受賞者は、<SMA永遠の鉄砲玉>として紹介された氣志團。“時代に寄り添い、時代の隙間を泳ぎ続け、ロックを表現する”彼らには<最優秀スキマ賞>が贈られた。大ヒット曲「One Night Carnival」や、この日が初披露となった、現在オンエア中の月9ドラマ『極悪がんぼ』の主題歌「喧嘩上等」に加え、奥田民生がSPARKS GO GOの3人と結成していたバンド、THE BAND HAS NO NAMEの1989年の名曲「Blue Boy」をカバーした。

【最優秀名誉顧問賞】奥田民生/【アジア最優秀純真賞】PUFFY
 続いて、スーツ姿で登場した奥田民生が<最優秀名誉顧問賞>を授賞。奥田は「なんすか? 名誉顧問賞って!? 賞じゃなくて肩書きじゃないですか」とクレームを入れながらも、徳光に「故郷のおかあさんにひと言」を振られると、「おかあさん、ありがとう!!」と叫び、「イージュー★ライダー」を歌った。そのままステージに残ってプレゼンターとなり、奥田がプロデュースを務めた愛弟子のパフィーに<アジア最優秀純真賞>を贈呈。ド派手な振り袖姿のパフィーに「長持ちしてんな!」と毒づくが、徳光に「みなさんには見えないかもしれませんが、奥田民生さんとパフォーは涙を流してます」と実況中継され、苦笑いを浮かべつつ、「渚にまつわるエトセトラ」をパフォーマンス。ギターとコーラスで参加した民生の「難しいなよね、この曲」というぼやきに、由美が「誰が書いたんだよ」とつっこむシーンもあった。

【SMA世界文化遺産認定賞】フジファブリック
 15歳のときに見た奥田のライブに衝撃を受けて音楽の道を志し、氣志團とはスタジオでのアルバイト時代の先輩後輩の間柄だった志村正彦が結成したバンドであるフジファブリックは、<SMA世界文化遺産認定賞>を授賞。氣志團との対バンがきっかけでSMAに所属することになり、デビュー後は“ユニコーンの再来”と称された彼らは「夜明けのBEAT」や「ダンス2000」「銀河」などトランシーなダンスロックで会場を盛り上げた。

【最優秀スターな男達賞】UNICORN
 そして、<SMAベストドレッサー賞>を授賞し、夜の7時ぴったりに「東京は夜の七時」を歌い出して歓声をあびた野宮真貴に続いて、<最優秀スターな男達賞>を授与されたユニコーンがツナギ姿にヒゲダンスで入場。奥田が「途中、全くSMAに貢献してなかった16年間がありましたが、何事もなかったかのようにやっております。自分たちの出番を全うします」とあいさつし、事務所の住所や電話番号を歌ったパンク「CSA(CBSソニーアーティスツ)」の歌詞を「SMA」に変えて熱唱。ABEDONのヴォーカルからはじまり、奥田が歌うブルースロック「KEEP ON ROCK’N ROLL」、川西からEBI、手島と歌い継いでいく「あなたが太陽」と、唄い手が次々と自由自在に変わっていく。さらに、「スターな男」「大迷惑」といった初期の曲から、再結成の幕開けを飾った「WAO!」、そして、最新アルバムの楽曲まで、全8曲を披露。デビューから27年の歴史を凝縮して見せるとともに、現在、全国ツアー中ならではの生感にあふれたグルーブを聞かせてくれた。

【最優秀世界周遊賞】東京スカパラダイスオーケストラ
 <最優秀会いたい賞>を贈られた西野カナらのスペシャルアクトを経て、團長が「フェス最強」と称し、「国境なき音楽隊」と命名された東京スカパラダイスオーケストラが登場。<最優秀世界周遊賞>を受け取った彼らは、冒頭からテンションマックス。「5 days of TEQUILA」「ルパン三世’78」で観客を総立ちにして踊らせ、「DOWN BEAT STOMP」ではまるで野外フェスのような盛り上がりをみせた。さらに、谷中が「コラボ好きの我々としては今日もコラボしないわけにはいかない。せっかく、SMAのお祭りなので、今までお聞かせしたことのないコラボをお聞かせしたいと思います」と語り、コラボコーナーへ突入。スカパラと同じ配色のスーツで登場したフジファブリックと12人で、フジファブリックの「Surfer King」を演奏。イントロが鳴った瞬間に歓声があがった「美しく燃える森」では、2002年当時のグレーのスーツにサングラスをつけた奥田民生が「何度もすみませーん」と謝りながら、エモーショナルに歌い上げ、田島貴男をヴォーカルに迎えていた「めくれたオレンジ」はスカダンス風のスキップで入場した團長がヴォーカルを務め、谷中と熱い抱擁を交わした。


 ここまでで、奥田民生の出番は4回あった。ソロアーティストとして、プロデューサーとして、バンドマンとして、ヴォーカリストとして。解散じゃないソロ活動もあれば、別ユニットもある。この、ミュージシャンなんだから、音楽を楽しんで、いろんなことを、いろんなタイミングでやろう! という柔軟な姿勢と遊び心が、先輩や後輩、ジャンルも関係なく、全ての所属アーティストや社員に共通している社風なのではないかと思う。いつだって音楽を、芝居を、仕事を楽しんでいく。そのやり方自体が、最大のSMAらしさなのではないだろうか。

 また、この日は最大の出演数となった奥田に焦点を絞ったが、その奥田と地球3兄弟を組み、オオトリで<最優秀兄弟賞>を授賞した真心ブラザーズのYO-KINGも、SMAらしさを体現するひとりだ。
 最後に9月20日と21日に、日比谷野外大音楽堂で「YO-KING&奥田民生 presents『顧問豊作』」が開催されることが発表された。現SMA顧問であるYO-KINGが9月20日、同社名誉顧問・奥田民生が21日をプロデュースするイベントで、どんな違いがみれるのか、いまから楽しみにしている。

【取材・文:永堀アツオ】

tag一覧 ライブ イベント 氣志團 奥田民生 UNICORN PUFFY 東京スカパラダイスオーケストラ フジファブリック 真心ブラザーズ

セットリスト

SMA AWARDS 2014
~輝く!日本エスエムエー大賞~
2014.4.19@日本武道館


<受賞者リスト>
最優秀スキマ賞:
氣志團

最優秀名誉顧問賞:
奥田民生

アジア最優秀純真賞:
PUFFY

QUEEN OF SMA賞:
YUKI

SMA世界文化遺産認定賞:
フジファブリック

SMAベストドレッサー賞:
野宮真貴

最優秀木村賞:
木村カエラ

最優秀スターな男達賞:
UNICORN

最優秀会いたい賞:
西野カナ

最優秀世界周遊賞:
東京スカパラダイスオーケストラ

最優秀兄弟賞:
真心ブラザーズ

日本エスエムエー大賞:
桜井秀俊とザ・キラーストリート・スライダーズ(仮)

お知らせ

■ライブ情報

SMA 40th YO-KING&奥田民生 presents
顧問豊作

2014/09/20(土)日比谷野外大音楽堂
2014/09/21(日)日比谷野外大音楽堂

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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