“murffin discs”レーベルイベントでCzecho No Republic、テスラは泣かない。、SUPER BEAVERらが集結!!
murffin discs LABEL NIGHT | 2015.02.20
2015年の仕事始めとなった1月5日。渋谷eggmanで「murffin discs LABEL NIGHT vol.0」が行われた。
Czecho No Republic、テスラは泣かない。、SUPER BEAVER、YUEY、Hermann H.&The Pacemakers、sumikaらが在籍するレーベル&マネージメントの“murffin discs”が、2016年の創立10周年に向けて、初のレーベルナイトのキックオフイベントである。
最初にステージに登場したのは“murffin discs”が、初めて行ったオーディションでグランプリを獲得したAmelie。リズム感抜群の女性ボーカルを軸に、ラウドなサウンドを響かせる4人組バンド。女性特有の高音が魅力ながら、シャウトがキンキン声にならないボーカルは、迫力あるバンドサウンドに飲み込まれることなく、解放感あるメロディーをしっかり印象付けた。2015年内にリリースも決定している。
2番手はSUPER BEAVER。オープニングを飾った「証明」に続いて放たれたのは、両A面の最新シングル「らしさ/わたくしごと」から「らしさ」。♪ 自分らしさってなんだ? ♪ というワンフレーズから始まる、自問自答を綴ったストレートなギターロック。滑らかでスピード感あるメロディーが、ライブハウスの壁にぶち当たる。自分の中で整理できなくて臨界点を迎えた情熱に目を背けず、楽曲とパフォーマンスに落とし込んでいる。と思えば、サビではメロの爽快感を後押しするように、ロマンチックなコーラスが入る。紆余曲折も含んだバンドの歴史が、サウンドの迫力になっている。ボーカルの渋谷の「ここへ来ているあなたのために歌います。今夜、来てくれて本当にありがとう」という言葉から「ありがとう」へ。自分を取り巻くすべてに、ありがとうと叫ぶ1曲に、観客が一斉に声をあげた。正直すぎるくらい正直。照れずに正論をシャウトする。これがこのバンドのコアになっているとするならば、非常に肝っ玉が据わったバンドだと思う。なぜなら、正直に、丸裸になって1番傷つくのは、いつも自分自身だと思うから。傷だらけになっても、変えられない自分を鼓舞し曲にする。しかも、めっちゃ生き生きした眼差しで演奏し、時に笑顔を見せながら歌い続ける。いいバンドだ。最後は「一目ばかり気にしてしまうことがあるかもしれない、それでも帰ってくる場所があるから」と「home」。全6曲を披露して、彼らはステージを後にした。
テスラは泣かない。の4人がステージへ。ライブは「めんどくせえ」からスタート。村上学と飯野桃子の男女ツインボーカルの魅力が光るスピードチューン。続いて、村上と飯野のサビのシャウトが楽曲のカラーになっているエモーショナルなナンバー「Cry Cry Cry」へ。中盤では、3月4日リリースのメジャー・ファーストEP『ONE』から、新曲「国境はなかった」も披露。このバンドの演奏スキルをフルに使った、カラフルで細かいリズムの上をウェットで情熱的なメロディーが堂々とたゆたうミディアム・アップチューンだ。哲学を感じる文語的な単語が並ぶ歌詞も、このバンド特有=村上学節が炸裂しているが、以前に比べいい意味で“隙”が出てきた印象だった。男女間の恋愛を匂わすような直接的なワンセンテンスが、ズバンと耳に入ってくる。この新曲に、観客は、それまで大きく揺らしていた身体を休ませるように、聴き入っていた。この日、オープニングアクトを除き、出演した3バンドの中で、最も後輩だったテスラは泣かない。。諸先輩方に敬意を示して村上からこんなMCが飛び出した。歌うのは大好きだが、歌うのが辛くなることもあると切り出した後、こう続けた。
「そんな時、レーベルヘッドに“チェコ(=Czecho No Republic)も辿ってきた道だ。そういう時、武井(=Czecho No Republicのボーカル)は1人でカラオケで練習してたんだぞ”って言われました。だから僕もカラオケに1人行って練習しました。そしたらある日、武井さんに会って“1人でカラオケで何を歌うんですか?”って質問したら“カラオケなんて行ったことないよ”と(笑)」
渋谷eggmanにいた全員がドッと笑う。後方やステージ脇に待機しているレーベル&マネージメントスタッフも笑っている。気を良くした(?)村上が、自分も満面の笑顔でこう締め括った。
「みなさん、murffin discsは、そんなレーベル、そんな事務所なんです!」
観客から拍手。“いいぞー”“大好きー”の声も飛んだ。観客の両手があがった「Shake your hands saying goodbye.」、サビで合唱になった「アンダーソン」など、合計9曲を畳み掛け、テスラは泣かない。のライブは終わった。
イベントのトリを飾ったのは、2月に東名阪のワンマンツアーが控えているCzecho No Republic。オープニングはポップナンバー「Yeah Oh!!!!!!!」。イントロから繰り返される鍵盤のキャッチ―なフレーズが印象的。1度聴いたらすぐ覚えちゃう、そんな魅力あるバンドサウンドが司る、時にパンキッシュなエレクトリカルパレードのスタートだ。……と思ったら、機材トラブル発生。しかしメンバーは慌てることなく、MCと「アケオメ」「コトヨロ」のコール&レスポンスで切り返す。予定になかった(?)下ネタトークを始めるなど、ステージも観客もアクシデントを楽しんでいた。「今までのリハね! これから本番!」と叫んだ後「Come On」、ケルティックなメロディーが軽快なパンキッシュなナンバー「Sunday Juggler」と、アップチューンを立て続けに披露。
ライブは中盤から後半へ。ボーカル武井がMCのためにマイクをとった。「現段階ではリリースする予定も決まっていない曲です。今日、初めてやります」という言葉に観客から大きな拍手。この拍手を受け放った新曲は、この日、このイベントに集った人々にとって、これ以上にない“お年玉”になったのではあるまいか。間髪入れず「MUSIC」。イントロからAメロのサウンドアプローチは、80年代後半?90年代前半のネオアコor英国マンチェスターサウンドを彷彿させ、当時それらにどっぷりはまっていた筆者は、冒頭からノックアウト。このバンドのもう1人のボーカル、タカハシマイとの掛け合いのテンポの良さも、楽曲の爽快感に一役かっていると思った。しかし、タカハシマイさんの声質はとっても素敵ですね。特にファルセット。透明感、半端ないです。ふとフロア(=客席)に目を移せば、ステージのライトがこぼれて、観客たちの表情が浮かび上がっている。笑顔で歌うその様に、しっかり観客に向き合ってサウンドを放つバンドのパフォーマンスと音楽は、笑顔を生むんだと改めて思った。最後は、昨年(2014年)11月にリリースされた最新シングル「Oh Yeah!!!!!!!」からタイトル曲の「Oh Yeah!!!!!!!」。ど頭の ♪ Yeah!!!!!!! ♪ から、ステージと一緒に観客もシャウト。どんぴしゃタイミングのレスポンスに、観客がこの曲を待ち望んでいたことが伺えた。
Czecho No Republicというバンドの面白いところは、ケルティック・パンクを思わせるタイトなバンドサウンドを基盤にしながらも、ステージ上でライブPA的なアプローチを展開するところだろう。メロも歌詞もシンプルながら、コーラスやバンドサウンドの余韻を効果的に使い、楽曲の表裏、深淵を垣間見せていく。アレンジはバンド全体でやっているのかもしれないが、ステージ上では、ギター担当ながら、シンセも操る八木の存在が大きい。今後、どんな楽曲を世に送り出してくるのか、楽しみです。
アンコールに応えて、再びステージに揃ったCzecho No Republic。武井が話し始めたのは、テスラは泣かない。の村上と街でばったり出会い、飲みに時のエピソード。曰く「“テスラは泣かない。”というバンド名なのに、泣いてばかりだった」とカミングアウト。後輩・村上学は「泣いてないですよ!」と反論するも、先輩・武井に「でも泣き言は言ってたよね」とさらに詳細を暴露され、会場の笑いを誘っていた。
最後の最後は、Czecho No RepublicのTシャツを着たテスラは泣かない。のボーカル村上学も加わり「ダイナソー」(by Czecho No Republic)。途中からSUPER BEAVERの柳沢亮太(ギター)もステージに上がり、宴の終わりを盛り上げた。
「ダイナソー」のワンフレーズがリフレインする。
♪カーニバルが始まるよ さぁもう行かなくちゃ ♪
「murffin discs LABEL NIGHT」というカーニバルは、この日、渋谷eggmanから始まった。
【取材・文:伊藤亜希】
リリース情報
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セットリスト
murffin discs LABEL NIGHT vol.0
2015.1.5@渋谷 eggman
【SUPER BEAVER】
- 証明
- らしさ
- ありがとう
- 歓びの明日に
- 東京流星群
- home
【テスラは泣かない。】
- めんどくせえ
- Cry Cry Cry
- パルモア
- Lie to myself
- my world is not yours
- 国境はなかった
- Shake your hands saying goodbye.
- アンダーソン
- Someday
【Czecho No Republic】
- Yeah Oh!!!!!!!
- No Way
- Amazing Parade
- Come On
- Sunday Juggler
- 新曲
- MUSIC
- Oh Yeah!!!!!!!
- ダイナソー(テスラは泣かない。村上学Vo.ver)