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UVERworld LIVE TOUR 2015 9月3日の代々木公演 ライブレポート

UVERworld | 2015.09.17

 7月から「UVERworld LIVE TOUR 2015」を行っているUVERworldが9月2日、3日、国立代々木競技場 第一体育館で「UVERworld 結成15周年&デビュー10周年記念LIVE」を開催した。このタイトルが示す通り、アニバーサリーとして行われたライブなのだが、UVERworldは“集大成”とか“振り返り”とはまったく違う、現在進行形のバンドの在り方を生々しく見せつけた。

 開演時間の18時30分ジャストに会場の照明が落され、派手なレーザービームーとともにメンバーがステージに登場。まずは真太郎(Dr)が豪快なドラムソロを響かせ、そのまま「collide」に突入。パーカッシブなバンドサウンドとしなやかなサックス、そして、「let it go 荒れ狂う世界をGoing」という歌詞がひとつになったこの曲によって、会場とステージの距離は一気に縮まっていく。さらに「俺も今日は何が起ころうと、一歩も引くつもりはないからな」というTAKUYA∞のシャウトを挟み「6つの風」。モダンヘビィロックとエレクトロ系のサウンドが同時に押し寄せてきて、オーディエンスは激しく体を揺らす。

「すげえ幸せな気分だよ。たった一音出しただけで、たった一言発声しただけで、何だかとてつもなく幸せなんだよ!」「UVERworldが10年持つわけねえなんて、誰が言った!?」という言葉に導かれた「誰が言った」(エンディングではTAKUYA∞と信人(B)が腕を取、ワルツのステップを披露)からは基本的に“TAKUYA∞のMC→そのメッセージを含んだ楽曲”という構成でライブは進行。あまりにもリアルな思いを込めた言葉の数々、そして、バンドの姿勢が生々しく刻み込まれた楽曲が重なるたびにオーディエンスの興奮は高まり、会場全体にエモーショナルなグルーヴが充満していく。その最初のピークは最新曲「I LOVE THE WORLD」。強靭なバンドアンサンブルとEDMサウンドが共存するトラックのなかで「僕らの笑う理由は 誰を見返すためじゃなくていい」というラインが鳴り響くこの曲は、最新型のUVERworldそのものと言っていいだろう。サビのフレーズの大合唱、観客に配布されたリストバンド型ライトのカラフルな光も凄いインパクトだ。

 ライブ中盤「今日はすげえグルーヴだな! このグルーヴはホントにやばい」と言いつつ、TAKUYA∞はめちゃくちゃ楽しそうな表情で“グルーヴ”についての説明を始める。「バンドは生モノなんだよ。ぜんぶ人間がやってて」「その音がここ(PAシステム)から出て、みんなが聴く。そしたら体を揺らしたり、手を上げたり、声を出たりして、その姿を見て、俺達がもっといいリズムを作っていく。その循環ですごくいい空気が生まれる。これをグルーヴと呼んでるんだよ」。さらに「彰、おまえのいちばん好きなフレーズを弾けよ」と促し、美しいギターのメロディをきっかけにして「志 -kokorozashi-」へ。オーガニックなグルーヴを含んだサウンド、“力を抜いて、もっと自分らしく生きよう”というメッセージが伝わるリリック。この静謐な雰囲気もまた、UVERWorldの魅力だろう。

 彰、信人、克哉(G)、誠果(Sax/マニュピレーター)がアリーナの後方に設置されたリフターに乗り込んで演奏さえた「Massive」(高いテクニックを駆使したフレーズがせめぎ合う光景はまさに圧巻だった)によって、ライブは後半に向かう。「ここからがUVERworldの真骨頂。これが、いま現在の俺達の最上だ!」という宣言とともに放たれた「ナノ・セカンド」。「Don’t Think.Feel」「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」など、ここ最近のライブアンセムが次々と披露される。どこまでも率直に、どこまでダイレクトに自らの感情を表現するバンド、そして、それをまっすぐに受け止め、激しいリアクションを返すオーディエンス。ロックバンドのライブによって、これはまさに最高の状態だ。

 そしてTAKUYA∞はライブ終盤、改めてオーディエンスに向かって語り掛けた。「デビューして10年、毎年のように“来年消える”って言われてたけど、何とも思わなかったよ」「俺達の音楽をいいって言ってくれて、こうやって会場に集まってくれて、最高の空間を作ってくれる人たちがこんなにいる。それが俺の強さになってます、本当にありがとう」「怒りの精神を音楽にぶつけるのは、もういいかな。こうやって最高に幸せなものを、ハッピーな時間を吸収して、それを力に変えていい音楽を作るようにするよ」。

 本編ラストは「Ø CHOIR」と「7日目の決意」。たくさんの悔しい出来事を経験しながら、“いまに見ていろ”という強い思いを音楽に変換してきたUVERworldは、ファンとの確かな絆によって、本当の意味でポジティブなパワーを発揮し始めた――この2曲からは結成15年、デビュー10年目で迎えた彼らの新たなフェーズがはっきりと反映されていたと思う。

 基本的にアンコールをやらないUVERworldだが、この日は強烈なコールに応えて再びステージに登場し、まずは「やり忘れた曲があるからさ、やっていいですか?!」と「IMPACK」を披露。じつはこの曲、本編のセットリストに入っていたのだが、TAKUYA∞が興奮のあまり(?)飛ばしてしまったのだ。さらに「これが本当のサプライズ!」と「MONDO PIECE」も。「UVERworldはここから始まる!」と明言したTAKUYA∞。このアニバーサリーライブによって、彼らの存在はさらに強く、大きくなる。そう確信させるに十分な、鮮烈かつ濃密なステージだった。

【取材・文:森朋之】
【写真提供:Sony Music Records】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル UVERworld

リリース情報

I LOVE THE WORLD(初回生産限定盤)[CD+DVD]

I LOVE THE WORLD(初回生産限定盤)[CD+DVD]

2015年08月26日

Sony Music Records

[CD]
1. I LOVE THE WORLD
2. PRAYING RUN
-Memorial track-
3. CHANCE!04

[DVD]
from KING’S PARADE at Yokohama Arena Live Special Multi Angle
7th Trigger
Wizard CLUB
UVERworld KING’S PARADE at Yokohama Arena Trailer

セットリスト

UVERworld LIVE TOUR 2015
2015.9.3@国立代々木競技場 第一体育館

  1. THE ONE
  2. collide
  3. 6つの風
  4. 誰が言った
  5. ENOUGH-1
  6. NO 1
  7. I LOVE THE WORLD
  8. ace of ace
  9. 7th Trigger
  10. シャカビーチ~Laka Laka La~
  11. LIMITLESS
  12. 志 -kokorozashi-
  13. 在るべき形
  14. PRAYING RUN
  15. Massive
  16. ナノ・セカンド
  17. Don’t Think.Feel
  18. 僕の言葉ではない これは僕達の言葉
  19. Ø CHOIR
  20. 7日目の決意
Encore
  1. 零HERE~SE~
  2. IMPACT
  3. MONDO PIECE

お知らせ

■ライブ情報

UVERworld “15&10”Anniversary Tour
2015/09/24(木)Zepp Fukuoka
2015/09/25(金)Zepp Fukuoka
2015/09/28(月)仙台Rensa
2015/09/30(水)Zepp Naogoya
2015/10/01(木)Zepp Naogoya
2015/10/03(土)高松オリーブホール
2015/10/04(日)高松オリーブホール
2015/10/06(火)Zepp DiverCity
2015/10/07(水)Zepp DiverCity
2015/10/12(月)なんばHatch
2015/10/15(木)Zepp Sapporo
2015/10/16(金)Zepp Sapporo
2015/10/31(土)広島グリーンアリーナ
2015/11/01(日)広島グリーンアリーナ
2015/11/05(木)沖縄ミュージックタウン音市場
2015/11/21(土)真駒内セキスイハイム アイスアリーナ
2015/11/22(日)真駒内セキスイハイム アイスアリーナ
2015/11/28(土)サンドーム福井
2015/11/29(日)サンドーム福井
2015/12/05(土)静岡エコパアリーナ
2015/12/06(日)静岡エコパアリーナ
2015/12/12(土)宮城セキスイハイム
2015/12/13(日)宮城セキスイハイム
2015/12/16(水)大阪城ホール
2015/12/17(木)大阪城ホール
2015/12/21(月)横浜アリーナ
2015/12/25(金)日本武道館
2015/12/30(水)マリンメッセ福岡
2015/12/31(木)マリンメッセ福岡

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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