前へ

次へ

メジャーデビュー以降の集大成。LUI FRONTiC 赤羽JAPAN、全国ツアーファイナルをレポート!

LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN | 2016.04.26

 シングル「リプミー」「ワンダーループ」を含む1stフルアルバム「UP! UP!! UP!!!」のリリースに伴うLUI FRONTiC 赤羽JAPANの全国ツアーのファイナル「UPPPPP!!! Tour Final “ルイと嵐と天使と小原”」(下北沢CLUB QUE)。メジャーデビュー以降の集大成とも言えるこのワンマンライブで“ルイフロ”は、ロックバンドとしての矜持と魅力、そして、この先の未来をしっかりと示してみせた。

 ライブはインディーズ時代からのライブアンセム「スターライト」でスタート。竹内亮太郎(G)のフィードバックノイズに導かれた超アッパーなサウンドのなかでプールイ(Vo)が「ツアーファイナル“ルイと嵐と天使と小原”、いけますか!?」と叫び、オーディエンスのテンションはあっさりとピークに達する。「もっともっと!」(プールイ)「オイ!オイ!オイ!オイ!」(観客)というコール&レスポンスも楽しい。
 ここからはアルバム「UP! UP!! UP!!!」の収録曲が続けざまに披露される。メロディック&ファストなギターリフから始まる「スマッシュヒット」ではプールイが「這い上がっていくんだ 下北沢!今に見てて」とシャウト、大きな歓声が巻き起こる。アルバムリリース時のインタビューでプールイは「自分の思いがすごく出てるし、『リプミー』に続く、ルイフロらしい歌詞。去年の10月に(恵比寿)リキッドルームのライブでソールドアウトできなくて、まさに『諦めないで、ここからがんばっていこう』という気持ちだった」と語っていたが、ライブでは曲のなかに込められた感情がさらに増幅され、大きな感動と凄まじいばかりの興奮を同時に巻き起こしていた。 
 さらに小原晋太郎(B)の作曲によるメロコア系ナンバー「明日から」、「下北沢、踊るよ!」(プールイ)という声にリードされたダンサブル・ポップ・チューン「シェアプリ」、そしてエッジの効いたギターサウンドと「どんな大事なもんでも 気が付けばもう過去になる」というフレーズがぶつかり合う「ワンダーループ」も。アルバム「UP! UP!! UP!!!」の楽曲は今回のツアーのなかで確実に進化を果たしていた。メロコア、ギターポップ、ダンスミュージックなどをナチュラルに取り入れたバンドサウンド、そして、楽曲によって表情を変えながら、オーディエンスをグイグイ引っ張っていくルイフロのステージングもさらに向上。「“ケンケン”(エンジェルス健/Dr)が入って、やっと4人組のバンドになれて、成長したからさ。その成長した姿をみんなにぶつけていきたいと思います!」(プールイ)というMCからも現在のルイフロの充実ぶりが伝わってきた。

 ライブ中盤では「今回はアルバム『UP! UP!! UP!!!』を引っ提げたツアーだったんですが、ケンケン、懐かしい曲とかもいけんの?」(プールイ)とバンド初期の楽曲が放たれる。ヘビィロック系のリフが炸裂する「bells」、殺伐とした恋愛を描いた歌、速弾きのギターソロが印象的な「サイ子」、ダーク&アグレッシブな音像が渦巻き、「踊れ!」というプールイの声を合図に観客が暴れまくった「ASCENDING」、超高速のビートとドラマティックなメロディによってフロアとステージの一体感がさらに増した「I’m with you~シーソーゲーム~」、そして、(タイトル通り)“自分たちの道を歩いていくんだ”という切実な感情を込めた「WALK THISWAY」。これらの楽曲から感じられたのは、決して順風満帆とは言えないルイフロの軌跡だ。2013年にバンド活動をスタートしたルイフロは、メンバーの脱退、プールイの喉の不調などを乗り越え、昨年1月に活動休止をかけた渋谷CLUB QUATTROライブを成功させ、現在の“LUI FRONTiC 赤羽JAPAN”に改名し、メジャーデビューを果たした。このストーリーを支えたのは“ロックバンドとして成功したい”というプールイの意志、それを支えるメンバーとの絆なのだと思う。憂いを帯びたボーカルが心に残った「セカンドブルー」の後、ライブはクライマックスへ突入。精神的な飢餓感をテーマにしたロックチューン「tarite」、ポップな解放感に溢れたサウンドと“いつだって そうやって 繰り返して夢見る”というワードがひとつになったメジャーデビュー曲「リプミー」、そして、“後悔のないように生きるんだ!”という意思を高らかに歌い上げた「明日世界が終わるなら」。汗だく&笑顔のプールイからは、このライブを全身全霊で楽しんでいたことが真っ直ぐに伝わってきた。

 「負けず嫌い!アンコール!負けず嫌い!アンコール!」という声に応えて再び登場したメンバーは、いきなり新曲(緻密なアレンジメントと爆発的なテンションが共存するロック・ポップ・チューン)を披露。ルイフロの音楽がさらに前進を続けていることを印象づけた。
 最後のMCでプールイは「ツアーが始まったときは“どうやろう?”という不安があったんですけど、けっこうどうにかなるもので。4人ですごく成長出来たツアーで、ホントに回って良かったなって思います。今回のツアーはルイフロというものが成長できたことを感じられたツアーだったのね。地方でもいろんな人に支えてもらって。バンドの友達も出来たし、絆を作れて…。いまさらだけど、バンドってメッチャ楽しいなって思ったの、私。それがいちばんの収穫かな」と語った。ルイフロはアルバム「UP! UP!! UP!!!」を引っ提げた今回のツアーによって、ロックバンドとしてのアイデンティティをしっかりと掴み取った――そのことが強く実感できるツアーファイナルだったと思う。

【取材・文:森 朋之】
【撮影:飯本 貴子】


UPPPPP!!! ツアードキュメント~第五話~
https://www.youtube.com/watch?v=FMa_rF5DTmw


tag一覧 ライブ 女性ボーカル バンド

リリース情報

UP! UP!! UP!!!(初回限定盤)[CD+DVD]

UP! UP!! UP!!!(初回限定盤)[CD+DVD]

2016年01月27日

ユニバーサル ミュージック

[CD]
1.スマッシュヒット
2.フラチネ
3.ワンダーループ
4.tarite
5.瑠璃色の名前抱いて
6.セカンドブルー
7.シェアプリ
8.明日から
9.リプミー
10.明日世界が終わるなら

[DVD]
・「リプミー」MV
・「ワンダーループ」MV
・「フラチネ」MV

セットリスト

LUI FRONTiC 赤羽JAPAN
UPPPPP!!! Tour Final "ルイと嵐と天使と小原"
2016/04/07@下北沢CLUB QUE

  1. スターライト
  2. スマッシュヒット
  3. 明日から
  4. シェアプリ
  5. ワンダーループ
  6. フラチネ
  7. ハナレバナレ
  8. 瑠璃色の名前抱いて
  9. bells
  10. サイ子
  11. ASCENDING
  12. I’m with you~シーソーゲーム~
  13. WALK THIS WAY
  14. セカンドブルー
  15. tarite
  16. リプミー
  17. 明日世界が終わるなら
Encore
  1. E1.新曲
  2. E2.Dear
  3. WE. 感じたいよ ソバにいたいよ 新しい風と切り裂く光を

お知らせ

■ライブ情報

ANARCHY TOUR FINAL IDLE is DEAD!?
2016/04/29(金・祝)日比谷野外大音楽堂

Amelie「グッバイ&ハロー」
Release Tour 2016 -仙台MACANA-

2016/05/13(金)仙台MACANA

Thinking Dogs presents
DOG CIRCUIT~2016春 関東編~

2016/05/28(金)水戸SONIC

GENNARI presents.
【あわや大惨事】~絆が1/240000000を呼ぶ~

2016/06/04(土)下北沢ReG

Boiler陸亀 『自伝』リリースツアー
~鳴かせる前に鳴いたろか~

2016/06/17(金)池下 CLUB UPSET

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る