Goodbye holiday&LOCAL CONNECTを迎えて行われた、BURNOUT SYNDROMES東名阪ファイナル・シリーズ初日、東京公演をレポート!
BURNOUT SYNDROMES | 2016.07.04
演奏に迷いがなかったり、ステージに立つ表情がとても凛々しかったり、いわゆる“バンドが良い状態にある”というのは意外とはっきりわかるものだ。今年3月2日にシングル『FLY HIGH!!』でメジャーデビューを果たしたBURNOUT SYNDROMESが3月から開催してきた全国ツアーの東名阪ファナル・シリーズ初日、渋谷GARRET udagawaはそんなバンドの状態がはっきりと見えるライブだった。メジャーデビュー以降、全国各地で武者修行のようにライブを重ねてきたバーンアウト。その終着点で彼らは音楽の持つ可能性に胸を膨らませ、夢へと向かう自信が全身から漲る最高のパフォーマンスを見せてくれた。
会場が暗転しBGMが流れ出すと、まず石川大裕(B)が登場し、この日の対バン相手をステージへと呼び込んだ。Goodbye holiday、LOCAL CONNECT、そしてBURNOUT SYNDROMES。対バン形式のライブで出番前に出演者全員がステージに並ぶなんて異例の光景だと思ったが、そのまま石川が軽快なトークで会場を和ませていく。お客さんの準備も万端。いよいよトップバッターのGoodbye holidayからライブはスタートした。
「初めて『文學少女』を聴いた瞬間から僕はBURNOUT SYNDROMES の大ファンになりました。今日は最大級のリスペクトを込めて、全力で勝ちに行きます!」。児玉一真(Vo・G)の熱い言葉も印象的だったグッホリ。勢いよくライブの口火を切ったメジャーデビュー曲「革命アカツキ」から、温かいミディアムポップ「クロワッサン」へ。多彩なアレンジを武器とする王道のグッホリサウンドでフロアをじわじわと温めていった。
続いて登場した京都出身の5人組LOCAL CONNECTは、アグレッシヴなバンドの演奏にDaiki(Vo・G)とISATO (Vo)によるツインボーカルがエモーショナルに駆け抜ける熱いステージを展開。「大事なとき、大事な人に必要とされたら、こんなに嬉しいことはない!」(ISATO)と、暑苦しいほどストレートに感謝を伝える言葉もローコネらしい。すべての弱虫たちにエールを送る「コトバとココロ」まで、全7曲を披露してバーンアウトへと繋いだ。
バーンアウトのステージは、まず今回のファイナル・シリーズに至るまでのドキュメンタリー映像の上映からはじまった。メジャーデビュー曲「FLY HIGH!!」になぞらえて、ステージの上でジャンプするメンバーの瞬間を連続で切り取った絶妙の編集が良い。跳ぶ、また跳ぶ、またまた跳ぶ。その映像を見ただけでバーンアウトが今回のツアー1本1本をいかに全力で駆け抜けてきたがよくわかる。そして、そのまま1曲目「FLY HIGH!!」からライブがスタート。石川と廣瀬拓哉(Dr)が支える骨太なリズム隊の演奏。熊谷和海(G・Vo)のボーカルは熱を帯びながらも、穏やかで落ち着いている。熊谷は本当に良い声だ。
石川と熊谷が向かい合わせになって息の合ったベース&ギタープレイを見せたロックチューン「エアーギターガール」から、大阪出身の彼らが東京への想いをセンチメンタルな筆致で綴った「セツナヒコウキ」へ。ソングライティングを手がける熊谷の文学青年らしいナイーヴな歌詞と、バンドマンらしい衝動とが歪に混じり合うバーンアウト独特の世界観が会場に出来上がっていく。ステージの照明を一切つけず完全な暗闇のなかで歌い始めた「i am a HERO」は複雑なバンドアンサンブルにのせて混沌とした心模様を描き出したダークな1曲。「FLY HIGH!!」のようなキャッチーで人懐こい曲がある一方、内省的で簡単に人を寄せつけない一面もまたBURNOUT SYNDROMESの魅力だと思う。
ステージではヘッドセットマイクをつけたベースの石川がムードメイカーとしてMCを担当する。だが、張り切って挑んだメンバー紹介で石川が、「O型でめちゃ蚊に食われるボーカル熊谷和海です」と言ったそばから、熊谷は「俺、AB型やし……」というオチ。そんな石川の屈託のない明るさに、盛り上げ上手なタイプではないフロントマン熊谷は救われる部分もあるだろう。さらにMCでは11月に待望のニューアルバムをリリースすることも発表。早速、そのアルバムから披露された新曲「ナイトサイクリング」は爽快な青春ロックナンバーだったが、この曲でアルバムへの期待が膨らんだのは私だけではないはずだ。
この日本編最後に披露されたのは別れの季節を美しく描いたミディアムバラード「サクラカノン」だった。卒業式でお馴染みの名曲「カノン」に熊谷が歌詞をのせて紡ぐあまりにも感動的なフィナーレ。そこで、熊谷は「もしあなたが歩くのに疲れてしまったら、僕らの音楽に会いに来てください!あなたの孤独に触れることはできないけど、あなたを何度でも、何処へだって連れて行くから!!」と絶叫した。今回のツアーのサブタイトルとして、彼らは「~君を何処へだって連れて行く~」と掲げて全国を駆け抜けてきた。きっとこの想いは今回のツアーだけはなく、この先もバンドが歩む未来への道しるべとなるだろう。
アンコールでは“冴えない僕らの総攻撃を!”と叫んで3人全員が声をあげて歌った「LOSTTIME」でライブを締め括ったBURNOUT SYNDROMES。この日はツアーの経験を通して成長したバンドの全てを見せつける完全燃焼のライブだった。こんなにも良いライブを見てしまったら、11月の新作アルバム、さらに同時に発表された秋からの全国ワンマンツアーがどんなに素晴しいものになるのか。いまからもう楽しみでならない。
【取材・文:秦 理絵】
【撮影:KAYOKO YAMAMOTO】
リリース情報
セットリスト
Release Annivarsary Tour
〜君を何処へだって連れて行く〜
2016.06.25@渋谷GARRET udagawa
<Goodbye holiday>
- 1. 革命アカツキ
- 2. 溢れるもの
- 3. サイダー
- 4. クロワッサン
- 5. ありったけの愛を
- 6. 奇跡の星
- 7. スプートニク2号
<LOCAL CONENCT>
- 1.フォルメイカー
- 2.Gold
- 3.沈丁花
- 4.君の右手
- 5.幸せのありか
- 6.コスモループ
- 7.コトバとココロ
<BURNOUT SYNDROMES>
- 1.FLY HIGH!!
- 2.エアギターガール
- 3.セツナヒコウキ
- 4.i am a HERO
- 5.ナイトサイクリング
- 6.文學少女
- 7.月光サンタクロース
- 8.サクラカノン
- EN.LOSTTIME
お知らせ
彼女 IN THE DISPLAY presents THE ROOTS TOUR 2016
2016/07/07(木) 高松DIME
2016/07/14(木) 仙台MACANA
2016/07/15(金) 水戸ライトハウス
SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY×赤色のグリッターpresents 赤色祭
2016/07/10(日) 新宿LOFT
未確認フェスティバル2016
2016/07/17(日) 心斎橋JANUS
TREASURE05X 2016-PEACH FOR THE FUTURE-
2016/08/21(日) 名古屋クラブクアトロ
RADIO BERRY ベリテンライブ 2016 〜HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2〜
2016/08/25(木) HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
RUSH BALL 2016
2016/08/28(日) 泉大津フェニックス
HY+BIGMAMAスプリットツアー“Synchronicity Tour 2016”
2016/09/16(金) Zepp Divercity
2016/10/01(土) ミュージックタウン音市場
Jumpin’jack 2016
2016/09/29(木) 大阪BIGCAT
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。