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覆面バンドXmas Eileen主催「暁ロックフェス」ソールド・アウト公演、カオスな夜を作り出す!

Xmas Eileen | 2016.07.11

 白いマスク、黒のトレンチコートに身を包んだ覆面バンド、Xmas Eileen。バンド名の通り、2013年12月25日に結成された彼らが手がけるイベントがこの「曉ロックフェス」だ。昨年(2015年)5月にZepp Nambaで第1回目を開催し、いきなり2千人を動員。第2回目は東京初上陸となり、この日もソールド・アウトになった。

 トップを切ったのはDragon Ashで、ゆったりしたグルーヴが心地いい「House of Velocity」で始まる。それからスピード感のある「Run to the Sun」に突入すると、巨大なシンガロングが沸き起こった。次はBOTS(Dj)もパーカッションに参戦したサンバ調のお祭り曲「For divers area」をプレイ。クラウドサーファーが大量発生し、熱気も急上昇!

 Kj(Vo/Gt)はXmas Eileenと同じステージに立てた喜びを告げる場面もあり、バンド間の深い絆を臭わせていた。そして、3MC擁するヒップホップユニット、YALLA FAMILYを招いて「Still Goin’ On」と畳み掛けた後、ここで新曲「Head Bang」を披露。KenKenのグルーヴィなベースがうねりを上げる狂熱のヘヴィ・ミクスチャーで、観客をヘドバンの嵐に導く。動静の起伏激しい「百合の咲く場所で」を挟み、「ミクスチャー・ロックは好きですか?」というKj恒例のMCから、「Fantasista」でカオスの渦を作り出した。

 次は生演奏とデジタル音で早くからミクスチャーを実践してきたAA=がステージに立つ。上田剛士が登場するや、「INEQUALITY」から鼓膜をつんざく爆音を轟かせる。ZAXのパワフルなドラミングが冴え渡る「憎悪は加速して人類は消滅す ~Hatred too go fast, Vanishing all human~」に入ると、楽曲スピードはさらに加速度が増し、モッシュ続発の荒々しい熱気が渦巻く。上田剛士~白川貴善(Vo)とマイクリレーで繋ぐ「Such a beautiful plastic world!!!」はラウドな音像に煌びやかなエレクトロを織り込んだ曲調で、キャッチーな魅力を一際輝かせていた。曲が進むにつれ、爆裂度は高まる一方だ。一心不乱になって暴れる観客の姿に、今のAA=の攻撃的なスタンスがはっきり表れていたと思う。

 それからトリ前を務めたのはヒステリックパニックだ。ハイトーン、スクリーム、コーラスのトリプル・ヴォーカル/ハーモニーが絶妙な5人組。歌だけとってもラウド、メロコア、Jポップのリスナーに突き刺さる間口の広さ。そこに展開がコロコロ切り替わるジェットコースター級の曲調が合わさり、片時もこちらをジッとさせない。モッシュ、ヘドバン、2ステップと観客を手玉に取る鮮やかな攻めっぷり。前半に7月20日に出るメジャー2ndアルバム『ノイジー・マイノリティー』収録の「しぐなる」を演奏し、好リアクションを得ていた。「今日はいわゆるミクスチャー/ラウドの祭典」ととも(Vo)はMCで言っていた。まさにヒスパニも新世代ミクスチャーの筆頭株として観客を沸かせた。

 そして、遂にホスト役のXmas Eileenが登場。メンバー7人が所狭しとステージに上がると、現時点での最新2ndミニ・アルバム『WORLD COUNTDOWN』から「Keep on A・B・C・ing」でショウはスタート!

 DJ兼マニュピレーターが鳴らすデジタル音にラウド、パンク、レゲエと様々な要素を合わせたキャッチーなロック・サウンドを解き放つ。彼らはメンバー表記が全員「No name」、つまり名前がなく、さらに冒頭で記したように白いマスクに黒いトレンチコートを着た謎のバンド・・・。しかし、実際のライヴを観ると、フロントマン3人のヴォーカリストが重要な役割を担っていることがわかる。中央にヴォーカル兼パフォーマンスが立ち、観客を煽動する役割を務めている。そして、ヴォーカル右がラップ/レゲエ、ヴォーカル左がメロディアスな歌声を担当し、主にこの2人の掛け合いが「ポップ」の鍵を握っているように感じた。

 ライヴ自体は過去に出た2枚の作品からバランス良く選ばれ、タテヨコナナメと柔軟なアプローチで攻め続ける。ラウドとキャッチーの両方に目配せしたミクスチャー感は、初めて聴いた人もスッと入り込めるノリやすさがある。特に曲中にシンガロング、コール&レスポンスできるパートが多く、観客一体となって盛り上がれる楽曲を多く持っていることがバンド最大の強みだと思った。

 「2年前のライヴは客5人、バンドを辞めようと思ったけど、こんなに来てくれて嬉しい」(ヴォーカル右)と言った後、8月にはメジャーデビューすることも告げられ、大いに会場は沸いた。後半は「Walk the Talk」でウォーウォーの大合唱、観客は両手を上下に振ってモンキーダンスに興じ、フロアは完全にディスコ状態に変貌。ラスト曲「Kiss me Kill me tonight」では緑のレーザー光線が飛び交う中、アッパーな曲調で焚き付け、凄まじい盛り上がりを記録。この日はアンコールなしでスパッと潔く終了した。まだライヴを観ていない方に言っておく。彼らの楽曲/パフォーマンスは圧倒的に楽しい。もう、これに尽きる。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:深野輝美】

tag一覧 ライブ Xmas Eileen AA= Dragon Ash ヒステリックパニック

リリース情報

ONLY THE BEGINNING(初回限定盤)

ONLY THE BEGINNING(初回限定盤)

2016年08月31日

ビクターエンタテインメント

01. Jingle Bells
02. Fly High
03. Still a Liar
04. Before the Skyfall
05. Zombie
06. Wonderful Life
07. December Butterfly
08. NANANA
09. Number Nine
10. Good‐bye Summer Day
11. No Fade Out
12. Future Song
[BONUS TRACK] 
Keep on A・B・C・ing ‐Zardonic Remix‐
[初回限定盤DVD]
「Keep on A・B・C・ing」
「Fly High」
「暁ロックフェス2016」ドキュメント

お知らせ

■ライブ情報

Xmas Eileen WORLD COUNTDOWN Release Tour 2016
2016/07/18(月) 池下CLUB UPSET
2016/07/22(金) 大阪・梅田QUATTRO

OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.7
2016/07/31(日) 男鹿市船川港内特設ステージ

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016
2016/08/07(日) 国営ひたち海浜公園

SUMMER SONIC 2016
2016/08/20(土) QVCマリンフィールド&幕張メッセ

ROTTENGRAFFTY "So...Start Listen To New Song Tour 2016"
2016/08/23(火) 福岡LIVE HOUSE CB

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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