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あゆみくりかまき、クマとしての最後を飾った特別なライブ、赤坂BLITZツアーファイナル

あゆみくりかまき | 2016.07.25

 4月にファーストアルバムをリリースし全国5都市をまわった「ボクらの熊魂2016~ここで一句!『東名阪 仙台広島 まわるんやぁ』~」ツアーのファイナルとして7月8日に行われたアイドルパンクDJユニットあゆみくりかまきの赤坂BLITZ公演は、彼女達にとっての最大キャパであるとともに一旦あゆみ、くりか、まきがクマとしての最後を飾った特別なライブ。音楽活動をしているアーティストには必ず次に向かうための節目となる出来事があるものだが、この日は彼女達とまたぎ(ファンの総称)にとってまさにそれだった。

 5月12日に結成2周年を記念して行った生配信番組『あゆみくりかまき重大生放送』の中で、クマの姿のまま人間界に滞在できる期間が全国ワンマンツアーのファイナルまでで、ツアー以降は人間の姿で活動していく事と、再びクマの姿に戻るには2017年中に日本武道館でのワンマンライブ開催を発表する事だと“熊仙人”から告げられていた3頭。ライブは開演直前大音量で流された↑THE HIGH-LOWS↓の「日曜日よりの使者」でフロアーから大きな歓声が上がった後に流されたオープニング映像が終わると、オーバーチェアーと共に大きなフラッグを持ったくりかが先ずは一人でステージに登場。ひとしきり観客を煽りDJブースへと移動した彼女が1曲目のカントリーパンクナンバー「スターライトジャンボリー」をスピンするとあゆみとまきが駆け込んで来て本編はスタートした。

 2曲目『心友フォーエヴァー』のラウドなギターイントロが始まるとまきから「そんなもんじゃないやんなー!またぎのみなさんいいですかー!」と気合の入った言葉が放たれ前半はシングル曲を立て続けにドライブ。攻撃的な照明とカラフルな映像で演出されたステージを野生のクマのごとく縦横無尽に駆け回り全力で熱唱する3頭に、『ジェットクマスター』では肩組みヘドバン、『アナログマガール』では手を斜めに掲げジャンプするアナログマトントンでフロアーは一丸となって食らいついていく。BLITZに掛けて「ブリもいいけどシャケシャケシャケ~!」と7曲目に披露された『鮭鮭鮭』でまきが新巻鮭ののぼりを持ち出して振り回すとあゆみは紙吹雪をまき散らし、会場の熱気は早くも沸点状態となった。

 そんな怒涛の前半を終え青いチェック柄の衣装に着替えての中盤はツアー名にちなんだ『ここで一句詠むんやぁのコーナー』のお楽しみパート。ツアーファイナル公演への気持ちをそれぞれが俳句で披露しながら3頭で進行する軽快なボケ突っ込みトークとメンバーのポンコツぶりに会場の空気が一気になごむと、続いてはその場で引き当てたボールに書かれた曲を歌うカバーソングコーナーで、この日はaikoの『花火』を熱唱した。

 ここまではクマから人間になる事について一切触れなかった彼女達だったが、メンバーの名前が歌詞に反映されているアルバム収録のアンセム曲『What’s my name?』、POPな四つ打ちダンスロックチューン『アイノウタ』を終えた後半前のMCでまきが「今までと変わらず熱い魂を持って一人一人に私達の歌声を届けていきたいと思います。だから今日集まってくれたまたぎのみなさん、姿が変わったとしてもあゆみくりかまきのそばにおって下さい」と胸の内を吐露。その思いを込めて歌われた『春色ディスカバリー』からの後半は、熱のこもったパフォーマンスに加え心の底から湧き上がるようなエモーショナルさがフロアーを直撃。『自分革命』では3頭の気持ちを後押しするようにまたぎ達の歌声が広がり、『KILLLA TUNE』からラストの『WAR CRY』で「Wow Wow Wow」という大きく力強い雄たけびがBLITZを満たし本編は終了した。

 アンコールでは3頭が人間になる事を語る熊仙人の映像と初期から現在までの歩みを追った写真が紗幕に映された後、新曲のイントロに合わせてメンバーがシルエットで現れると幕が落ち人の姿になった3人が登場!このいきなりの展開にフロアーはどよめいたが、メンバーはそのままファンコットの高速ビートを取り入れた攻撃的なダンスナンバー『弾進GOOD!!!』を初披露。クマから人になりラグランと白いサロペットという衣装でいきなり髪を振り乱してぶつかって来た彼女達に対し、またぎ達は一瞬驚きながらも直ぐさま大きな歓声と突き上げた拳で受け止め、本編以上の盛り上がりで新しいあゆみくりかまきの誕生を迎え入れた。続けて歌われたのは同じく新曲で初披露となった『旅立ちの唄』。「さよならありがとうここから羽ばたこう」というサビが印象的で、今の気持ちが全て詰まったこの曲が全員に届くようにとスクリーンには歌詞も映し出された。

 ラストのMCでくりかは、ここまでの道のりの中で自分を追い込んだり考えたりした事があったと打ち明けた上で「こんなにも沢山の親”心友”達と新たなスタートが切れた事を嬉しく思います。暖かく迎えてくれて本当に嬉しいです」と話し、あゆみは沢山いるアイドルの中でクマから人間の姿になる事で忘れられてしまうんじゃないかという不安があったが、「またぎに誰一人変わりがいないのと同じように、自分達が頑張れば変わりがいないグループになれるんじゃないかなってこのツアーが終わって思う事が出来ました」とツアーを通しての気持ちの変化を語った。最後にまきは見えない先の不安を口にしながらも「必ずクマに戻れるように人間の世界で頑張っていきたいと思います」と宣言。更に「あゆみくりかまきの熊魂はずっとこの胸にあります。なくならないです。絶対にまた武道館でみんなと肉球ポーズや肉球ダンスをしたいと思います!」とリーダーらしい言葉で締めると、3人は『素敵な世界』『ナキムシヒーロー』で完全燃焼しライブを終えた。

 2人組のDJユニットくりかまきから数えると今年で5年目に突入したグループは、あゆみくりかまきとして赤坂BLITZを埋めるまでに成長しトレードマークだったクマから人間の姿に変わって新しいストーリーをスタートさせた。しかしまきが言うように彼女達が大事にしてきた熊魂は変わらない。今後人間としての活動を重ねる事で彼女達はどんどん進化し、武道館に立つ時にはきっとりっぱな大熊へと成長している事だろう。

【取材・文:山村哲也】
【撮影:Rui Hashimoto (SOUND SHOOTER)】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル あゆみくりかまき

リリース情報

あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!

あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!

2016年04月13日

ソニー・ミュージックレーベルズ

1. スターライトジャンボリー
2. WAR CRY
3. ジェットクマスター
4. 蜜蜜蜜
5. 心友フォーエヴァー
6. KILLLA TUNE
7. What’s my name?
8. アイノウタ
9. 森森森
10. 鮭鮭鮭
11. 自分革命
12. ナキムシヒーロー

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セットリスト

「ボクらの熊魂2016〜ここで一句!『東名阪 仙台広島 まわるんやぁ』〜」
2016.7.8@赤坂BLITZ

  1. M1. スターライトジャンボリー
  2. M2. 心友フォーエヴァー
  3. M3. ジェットクマスター
  4. M4. クマトナデシコ
  5. M5. 蜜蜜蜜
  6. M6. アナログマガール
  7. M7. 鮭鮭鮭
  8. M8. 花火 ※カバー曲
  9. M9. What’s my name? 
  10. M10. アイノウタ
  11. M11. 春色ディスカバリー
  12. M12. キミノモトヘ
  13. M13. 自分革命
  14. M14. 森森森
  15. M15. KILLLA TUNE
  16. M16. WAR CRY
ENCORE
  1. EN1. 弾進GOOD!!! (※新曲初披露)
  2. EN2. 旅立ちの唄 (※新曲初披露)
  3. EN3. 素敵な世界
  4. EN4. ナキムシヒーロー

お知らせ

■ライブ情報

スカパー!presents『FULL CHORUS 〜音楽は、フルコーラス〜』in日本武道館
2016/07/29(金) 日本武道館

TOKYO IDOL FESTIVAL 2016
2016/08/05(金) お台場・青海周辺エリア
2016/08/06(土) お台場・青海周辺エリア
2016/08/07(日) お台場・青海周辺エリア

夏のなごぱる音楽室 2016
2016/08/10(水) 名古屋クラブクアトロ

ReG presents “DREAM ReG MATCH -2016 SUMMER-”
2016/08/11(木) 下北沢ReG

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016
2016/08/13(土) 国営ひたち海浜公園

SUMMER SONIC 2016
2016/08/20(土) QVCマリンフィールド&幕張メッセ

アイとロック〜アメリカ村DROP 13th ANNIVERSARY〜
2016/08/25(木) アメリカ村 DROP

夏のひな涼み☆2016
2016/08/28(日) 日比谷野外大音楽堂

イナズマロック フェス 2016
2016/09/18(日) 烏丸半島芝生広場

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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