夜の本気ダンス、全公演ソールドアウトしたツアーファイナル、会場の熱気も最高潮に!
夜の本気ダンス | 2016.07.29
全公演がソールドアウトとなったツアー『WONDERFUL! DANCEABLE! ENSEMBLE!』も、いよいよファイナル。スタート前から、踊る気満々のムードではち切れそうだった恵比寿 LIQUIDROOM。漂っている嵐の前のようなゾワゾワ感がすごい。そして、ついに迎えた開演。ドラムが轟き、ギターとベースも合流。構築された熱いサウンドが、フロアめがけて勢いよく押し寄せてきた。ライトに照らされた米田貴紀(Vo・G)、町田建人(G)、マイケル(B)、鈴鹿秋斗(Dr)の姿が凛々しい。米田のトレードマークである縦ストライプのシャツがまぶしい……というような細かなことを思っている余裕もあまりないほど強烈だった1曲目は「ロシアのビッグマフ」。たくさんの人々が飛び跳ねて踊るフロアは、投げ込まれた生肉に食らいつくピラニアの大群のような様相を呈している。続いて「Crazy Dancer」と「Oh Yeah」も披露され、会場内の気温は、スタート前よりもかなり上昇していた。
「改めまして、京都から来ました夜の本気ダンスです」、米田が挨拶をしたのに続き、立ち上がってマイクを手にしたのは個性的なMCで定評のある鈴鹿。「こんなに集まってくれてありがとうございます。今日はTHE ORAL CIGARETTESのヴォーカルとか、グッドモーニングアメリカのヴォーカルとか、[Alexandros]のヴォーカルとか来てないんですが」……「ええっ、まじで!?」と湧きかけた観客を一斉にズッコケさせていたが、その直後に「今日はみなさんが主役です。芸能人になったつもりで、楽しんで帰ってください!」と、実に素敵なことを言って大喝采を浴びていた。
「本気でジャンプできる人?」と問いかけて突入した「By My Side」。「ちょっと僕と愛で繋がりませんか?」と言って「LOVE CONNECTION」。「ロックンロールで踊りましょう」という言葉通り、心地よいロックンロールで踊らせてくれた「Dookie Man」……各曲をスタートさせる前に米田が添える粋な言葉も、盛り上がるための絶好の起爆剤となっていた。そして、再び迎えたインターバル。「ツアーファイナルですよ。この日のためにどれだけ頑張ってきたか。掌のマメを見てください……1個もありませ~ん!」、ますます冴え渡る鈴鹿のアクの強いMCを挟んで「fuckin’ so tired」へ。ギターを外して身軽になった米田が、しなやかに身体をくねらせて踊りながら歌う姿が目を引く。彼の華麗なステップと軽やかな動きに刺激され、観客のダンスが一層の熱を帯びるのを感じた。
「Only Nineteen」「B!tch」「You gotta move」を連発した後、「ツアーファイナルに集まって頂いてありがとうございます。ソールドアウトしました!」と、実に嬉しそうな表情を浮かべたマイケル。鈴鹿は発売されたばかりのバンドスコアを誇らしげに取り出し、10月23日に大阪野外音楽堂で行うドラマチックアラスカ、フレデリックとの3マンについても告知。そして、「Logical heart」からライヴは後半戦へと入って行った。爽やかな横揺れを誘った「You & I」。吊るされている電飾が星空のようなロマンチックな雰囲気を醸し出す中、艶めかしいサウンドを響かせた「Dance in the rain」……メロディの良さが際立つ3曲をじっくり堪能させてくれた。
終盤戦に入る前のMCタイムも賑やかだった。盛り上げたのは、やはりこの男、鈴鹿。最近、昔使っていた携帯電話を見つけて、当時送ったメールを読み直したのだそうだが、会社の同僚や友人にたくさん連絡をしてライヴに来てもらうように頑張っていたことを思い出したのだという。そんな彼とは対照的に、全然知り合いを誘っていなかったのは町田。「リアルに2、3人しか呼んでません(笑)」と、非常に恐縮そうにしていた。「俺は身削って親も呼んだから“家では喋らんのに”と言われた。家で喋ると“さすがMCモンスターやな~”と言われるようになって」……“MCモンスター”とは、対バンした際、忘れらんねえよの柴田隆浩から鈴鹿へ授けられた呼称。会社の人たちにも“MCモンスター”と呼ばれるようになったのだという切ないエピソードも明かされ、大爆笑が起こっていた。
終盤戦は、まさしく夜の本気ダンスの本領発揮とも言うべき熱気が広がった。「Show down」「Only Seventeen」「夜に本気ダンス」「Feel so good」「escape with you」……強力極まりないダンスチューンが一気に駆け抜けて行く。そして本編を締め括ったのは「戦争」。間奏に差し掛かると、「最後に楽しいことをやって帰りたい。その場でゆっくり座れますか? 僕が“踊れ!”と言ったら踊ってくれますか? 本気ダンスできますか?」、米田が観客に問いかけた。彼の「踊れ!」という言葉を合図に、フロアの全面で人々が一斉に立ち上がってダンス! すさまじい一体感で会場が揺らいだ。
アンコールを求める歓声に応えて、まずステージに戻ってきたのは鈴鹿。ライヴで毎回たくさん喋っている現状のままだとヴォーカルより先にポリープができるかもしれないと語ると、今回のツアーでMCモンスターの素質を見せたのだというマイケルを、「次なるポリーパー!」と紹介。マイケルは「まいど!/おおきに!」という言葉を交わし合うコール&レスポンスを繰り広げて観客を沸かせた。そして、「まだ踊り足りてない? まだまだ行けますか? 飛べますか?」という米田の煽りの言葉と共にアンコールの演奏がスタート。まず披露されたのは「for young」。軽快なビートに合わせて踊るフロアのムードが明るい。続いて「WHERE?」。スピード感たっぷりに展開するサウンドが気持ちいい。大合唱も起こったフロアを眺めながら、メンバーたちはとても楽しそうに演奏していた。
4人がステージから去り、終演を迎えたかに思われたが、観客の間から「まいど!」「おおきに!」という元気いっぱいの声が起こった。それに応えて最初に戻ってきたのはマイケル。「そんなに“まいど!/おおきに!”を浸透させなくていい! [Alexandros]に見られると恥ずかしいから(笑)」と言って観客を笑わせていた。続いて、他のメンバーたちも再登場。「こういう空間を大事にしたい。これからも一緒に踊りましょう!」と米田が言い、ラストに届けられたのは「Fun Fun Fun」だった。イントロがスタートするや否や観客の激しい手拍子が加わり、清々しい昂揚感が広がる。そして演奏を終えると、「日本のロックバンド、夜の本気ダンスでした!」という力強い言葉を残してステージを後にしたメンバーたち。彼らを大きな拍手と歓声が見送った。こうして終了した今回の全国ツアー。夜の本気ダンスがますますパワーアップしていることを実感した。今年の夏も音楽フェスなどを含むたくさんのライヴが予定されているが、各地をダンス天国と化すことだろう。
【取材・文:田中大】
【撮影:石崎 祥子】
リリース情報
お知らせ
髭 「with」
07/31(日) 代官山 UNIT
ROCK IN JAPAN FEST. 2016
08/6(土) 国営ひたち海浜公園
ORANGE RANGE presents 「TELEVI’S NIGHT 016」
08/09(火) 梅田 Shangri-la
MONSTER baSH 2016
08/20(土) 国営讃岐まんのう公園
WILD BUNCH FEST. 2016
08/21(日) 山口きらら博記念公園
SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2016
08/26(金) 山梨県 山中湖交流プラザ
OTODAMA’16〜音泉魂〜 【池田編】
09/03(土) 大阪・泉大津フェニックス
BAYCAMP 2016
09/03(土) 神奈川県川崎市東扇島東公園特設会場
JA共催 PRESENTS RADIO BERRY ベリテンライブ 2016 Special
09/04(日) 栃木県井頭公園 運動広場
Getting Better 20th Anniversary Party"ROCK THE BEST TOUR" 名古屋
09/17(土) 名古屋 DIAMOND HALL
TOKYO CALLING 2016
09/17(土)&18(日)&19(月)下北沢・新宿・渋谷
KANSAI LOVERS 2016
09/17(土)&18(日) 大阪城野外音楽堂
SHELTER 25th Anniversary THE REAL THINGS
10/02(日) 下北沢 SHELTER
Bowline 2016
10/17(土) なんば Hatch
cinema staff presents OOPARTS 2016
10/22(土) 岐阜CLUB-G
ALA-UMI-DOSS 2016
10/23(日) 大阪城野外音楽堂
KOMAZAWA UNIV. AUTUMN FESTIVAL LIVE2016!!!月ノ陣
10/30(日) 駒澤大学記念講堂
雷祭
11/06(日) 東洋大学 板倉キャンパス
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。