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the quiet room全国ツアーで辿り着いた初ワンマン!グッドメロディの数々を披露

the quiet room | 2016.08.04

 “表情豊かに生きる”をテーマに活動する茨城発の4人組バンドthe quiet room(ザ・クワイエット・ルーム)が6月8日にリリースした最新アルバム『Jubilee』を引っさげて開催してきた東名阪ツアー「"Jubilee" Release Tour 2016」のファイナルを渋谷クアトロで行なった。大阪、名古屋ではマカロニえんぴつ、the unknown forecast、the equal lightsという、バンドと相性の良さそうな3組を迎えて駆け抜けてきた4人。ファイナルとして辿り着いた渋谷クアトロの初ワンマンでは、誰をも笑顔にするグッドメロディの数々を惜しげもなく披露してくれた。

 各地で共に対バンを繰り広げてきたバンドたちの楽曲がBGMとして会場に流れるなか、開演時間を迎えた。菊池遼(Vo&G)、斉藤弦 (G)、前田翔平(B)、コビキユウジ (Dr)の4人はステージに立つと、まず中央に向き合い、気持ちをひとつにするように拳を重ねた。コビキが打ち鳴らす軽やかなビートにのせたポップナンバー「Happy End」からライブはスタート。会場中にハンドクラップが湧いた疾走感溢れる「Humming Life」や「Drops」では、斉藤の鮮やかなギターリフがフロアの熱気を煽っていく。序盤からクワイエットルームのライブで定番曲のアッパーチューンを連発すると、「こんな景色が見られると思わなかったです。本当に絶景です!」と、菊池。満員のクアトロに歓びの声が弾んだ。

 「今日は何曜日だっけ……?」「明日は日曜日!」と、菊池と斉藤による寸劇のようなやりとりから始まった「Sunday Morning」では、そのタイトルのとおり、爽やかで晴れやかな“日曜の朝”を思わせる解放的なサウンドが温かくクアトロを包み込んだ。大人っぽいグルーヴを聴かせたメロウなナンバー「世界の始まりに」、軽妙のリズムが効いたカントリー風ポップナンバー「スロウダンス」など、くるくると表情を変える4人のバンドアンサンブルにフロアのお客さんは思い思いに体を揺らして身を委ねていた。

 最新ミニアルバム『Jubilee』リリースツアーということで、そこに収録された6曲は全てセットリストに組み込まれたこの日のライブ。「今日みたいに暑い日にぴったりの曲をやります!」と披露されたのはリード曲の「Number」だった。《晴れたから今日は海に行こう》と歌うご機嫌なサマーチューン。そんな陽性のポップソングがボーカル菊池の朴訥とした歌声にはよく似合う。さらに新曲「夢で会えたら」のあと、ひとり菊池がギターの弾き語りで歌い出したバラード「Adiantum」は素晴らしかった。揺るぎない意志を持つ菊池の歌と、それを支えるエモーショナルなバンドサウンド。これまでのクワイエットルームのライブでは、どうしても菊池の存在感が目を惹いていたのが、ライブを重ね、『Jubilee』の制作も経た4人は、これまでにないぐらいバンド力が増しているような気がした。

 MCでは渋谷クアトロという会場には特に思い入れがあると切り出した菊池。中3のときにあるバンドを好きになってライブハウスに足を運んだこと。そのときに配られたフライヤーにそのバンドのツアーファイナルが渋谷クアトロだと書かれていたこと。だから「いつか必ずその人と同じ場所でライブをやろうと思ってた」と言う。そのフライヤーをずっと大切に残しているというのも菊池らしいエピソードだ。

 そして集まったお客さんへ改めて感謝の気持ちを伝えると、ギターを爪弾きながら語りかけた。「ライブハウスにいる時間は楽しい時間かもしれないけれど、また嫌な時間も来ると思う。そのときに僕らの音楽が味方になればと思って、この曲を書きました」。披露されたのは、夢へと向かう全ての人にエールを送るポジティブなエネルギーが満ちた「Fanfare」だった。“歓喜”を意味する『Jubilee』というアルバムのなかで中核をなすようなこの曲はバンドにとってこの先も大切に歌い継がれていく曲になりそうだ。

 ラストはベースの前田が力強いスラッピングを繰り出した攻めのロックチューン「アイロニー」に続けて、ミラーボールが照らす光のなか、バンドの名前を広く知らせるきっかけにもなったシングル曲「Instant Girl」でこの日いちばんの盛り上がりを築いたクワイエットルーム。「最高の夜になりました!」という菊池の声と共に本編は幕を閉じた。

 アンコールでは9月からバンドのホームでもある渋谷eggmanを皮切りに3ヵ月連続のツーマンライブを開催することを発表。留まることなく走り続けるバンドの勢いをさらに加速するように披露された「声の鳴る方へ」では、ウォーウォーと会場中に熱いシンガロングを巻き起こした。そして、「僕らをここまで連れてきてくれた曲を最後にやって終わろうと思います」とバンドにとって大事ナンバー「Hello Hello Hello」で2 時間のライブを締め括った。《悲しみを歌っても今は仕方がないさ》。世の中に悲しみが溢れているのは百も承知。それでも誰かを笑顔にしたくて音楽を鳴らし続けるthe quiet roomの意志は、結成5年を迎えたいまもブレることはなかった。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル the quiet room

リリース情報

Jubilee

Jubilee

2016年06月08日

mini muff record

1. Number
2. Instant Girl
3. 世界の始まりに
4. Vertigo
5. Adiantum
6. Fanfare

お知らせ

■ライブ情報

アンテナ×グッバイフジヤマ presents ただぼんやりつかまえて
2016/08/18(木) 名古屋ellSIZE

アンテナ×グッバイフジヤマ presents ただぼんやりつかまえて
2016/08/19(金) 心斎橋pangea

Tell me how to play vol.2
2016/08/23 [Tue] 下北沢Bar?CCO

ベリテンライブ2016
2016/08/25(木) 宇都宮HEAVEN’S ROCK

the equal lights presents アナタとラララ ツアー2016 仙台
2016/09/16(金) 仙台enn2nd

Eggs presents TOKYO CALLING 2016
2016/09/19(月) 渋谷ライブハウス

the equal lights presents アナタとラララツアー2016 名古屋
2016/09/21(水) 名古屋ellSIZE

the quiet room presents Draw a Circle vol.5
2016/09/24(土) 渋谷eggman

the equal lights presents アナタとラララツアー2016 大阪
2016/09/29(木) 心斎橋JANUS

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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