Shout it Out、メジャーデビュー記念2マンツアー初日でBenthamに挑んだ熱い夜!
Shout it Out | 2016.08.16
大阪・堺出身、平均年齢19.5歳のニューカマー、Shout it Outが東名阪2マンツアー「虎の威を借り、狩られる狐」の初日となる“-東京編-”を新宿ロフトで開催した。名古屋はLAMP IN TERREN、大阪はSHE’S、そして東京はBenthamという、Shout it Outからすると先輩にあたる対バン相手は、いずれもシーンで評価の高いバンドばかり。だからこそ、ツアータイトルは“虎の威を借り”と謙虚につけたShout it Outだったが、“いまこの瞬間の想いを確実に届けるんだ”という想いは一歩も譲らない全身全霊のライブだった。
「虎の威が何だって?俺らネコなんで。やりましょ」。開口一番でツアータイトルを挑発気味にイジる小関竜矢(Vo・G)の一言でライブの口火を切ったのは、今年1月に開催した自身のツアーファイナルの大阪公演でShout it Outを対バン相手に迎えたBenthamだ。「クレイジーガール」から小関の突き抜けるようなハイトーンがキャッチーなメロディを投げかけると、須田原生(G)と辻怜次(B)が交互に弾くリフバトルで突入した「contact」、鈴木敬(Dr)が緩急をつけたビートで翻弄した「恋は白黒」と、これでもかとギミックを投下するポップでロックなBenthamの楽曲があっと言う間にフロアを踊らせてしまう。
MCで「Shout it Outが未確認フェスで優勝する前にライブを見に行ってた」と切り出したのはドラムの鈴木。「優勝したから群がってくるハイエナとは一緒にしないでほしい(笑)」と言いながらも、小関は「同じ感じでがんばろうって言ってたけど、Shout it Outは売れてね」と、あからさまにゴマを擦って会場の笑いを誘った。ラストにかけては“全曲が応援歌”という熱いエナジーを注ぎ込んだ最新アルバム『ExP』から「僕から君へ」を届けて、バンドとして伝えるべきメッセージを確かにその場所に残したBentham。ライブ切り込み隊長らしくきっちり会場を温めて、Shout it Outへのパスを渡した。
山内彰馬(Vo・G)、露口仁也(G)、たいたい(B)、細川千弘(Dr)の4人が気持ちをひとつにするように「ッシャ!」と気合の声をあげると、秘めた衝動をロックに変えて、一気にフロアへ爆発させたShout it Out。10代の焦燥や怒りを等身大で歌にする「光の唄」や「17歳」など、心のうちに強い意志を宿した山内のボーカルは、その歌詞の意味を一言ずつ噛み締めるように訴えかけ、この歌を絶対に届けるんだという気迫が溢れている。
MCでは新宿ロフトというライブハウスが40周年であることに触れて、「生まれた場所から何百キロも離れたところに、自分たちの帰る場所ができた」と、感慨深そうに語った山内。そのロフトの低い天井から降り注ぐ照明の光を一身に浴び、ロックバラード「トワイライト」からは曲が進むにつれてエモーショナルが加速した。激しく全身を使ってプレイするたいたい&細川というリズム隊がいる一方、穏やかに演奏に集中するギタリストの露口。その真ん中で、ボーカルの山内は感情のままに伸び伸びと歌うことができる。良いバンドだ。
タオル回しやハンドクラップでお客さんが参加する曲もあるが、曲の比重は熱いメッセージを訴える、聴かせるタイプの曲だった。「ライブハウスに来たら、また明日から頑張ろうと思える場所にしたい」という山内のMCと、生きる意味を模索しながら全力で“いま”を肯定する「一から」や「逆光」という楽曲のメッセージとが地続きの信念として、ブレずにバンドの根底にある。本編ラストはメジャーデビューシングル「青春のすべて」。ネットに溢れる「死にたい」という言葉に抗うために、全力で「生きよう」と叫ぶShout it Outの決意の歌は、4人が全力でぶつかった体当たりの演奏によって眩い説得力を放っていた。
アンコールでは「Bentham先輩おっかないですね(笑)必死で抗ったんですけど」と細川が言って、本編の熱量を落とさずに渾身の力で届けた「生きている」。人生の初心者だからこそ、狭い世界で生き方がわからずに苦悩する10代。その代弁者であろうとするShout it Outは、今年ようやく全員が20代になる。若さとは強さでもあり、脆さでもある。どうか彼らにはこれからも歌うべき理由を見失わずに、バンドの地力を育んでほしいと思う。
【取材・文:秦 理絵】
【撮影:木場ヨシヒト】
リリース情報
青春のすべて
2016年07月06日
ポニーキャニオン
M2 列車
M3 一から
Bonus track ギターと月と缶コーヒー
セットリスト
Shout it Out presents
『虎の威を借り、狩られる狐-東京編-』
2016.08.03@新宿LOFT
- M1.光の唄
- M2.風邪を待っている
- M3.そのまま
- M4.Teenage
- M5.列車
- M6.17歳
- M7.トワイライト
- M8.ハナウタ
- M9.星降る夜に
- M10.一から
- M11.逆光
- M12.若者たち
- M13.青春のすべて
- EN1.生きている
お知らせ
2016/08/30(火) 池下 CLUB UPSET
2016/08/31(水) OSAKA MUSE
Rhythmic Toy World ツアー 2016
『「HEY!」の「HEY!」による「HEY!」の為のツアー』
2016/08/19(金) 小田原姿麗人
未確認フェスティバル2016 ファイナルステージ
2016/08/27(土) 新木場 STUDIO COAST
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2016/08/28(日) 新木場 STUDIO COAST
I’m CRAWL human-真夏の大戦争 vol.3-
2016/08/29(月) 渋谷CLUB CRAWL
SUPER BEAVER 『27』 Release Tour 2016-27こぶ、ラクダ-
2016/09/03(土) KYOTO MUSE
赤色のグリッター×Shout it Out 「うたごころ、結髪」
2016/09/10(土) 池下 CLUB UPSET
2016/09/11(日) LIVE SQUARE 2nd LINE
2016/09/24(土) HIROSHIMA BACK BEAT 2016/09/25(日) 福岡graf
2016/10/05(水) TSUTAYA O-WEST
Talking Rock! presents 「NEWEST LIVE!!」
2016/09/15(木) Music Club JANUS
TOKYO CALLING 2016
2016/09/19(月) 渋谷ライブハウス(未定)
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