イ・ジョンヒョン(from CNBLUE) 自身初のソロツアー・東京ファイナル
イ・ジョンヒョン(from CNBLUE) | 2016.08.26
7月27日にソロ・アルバム『SPARKLING NIGHT』を発売し、ソロデビューを飾ったCNBLUEのギター&ボーカル、イ・ジョンヒョンが8月18日(木)自身初のソロツアー<イ・ジョンヒョン(from CNBLUE) 1st Solo Concert in Japan~Welcome to SPARKLING NIGHT~>のファイナルを東京・国際フォーラムホールAで開催。正直、その実力に驚いた。CNBLUEのなかで自分を表現する最大のツールとなるギターから離れても、ここまでソロシンガーとして自己表現が伴ったハイレベルの歌が歌えて、フロントマンとしてもファンとコミュニケートしながらエンタテインメンなコンサートを作れるギタリストはそうそういないからだ。そうできるのも、ファンが自分を強くしてくれたお陰という言葉も胸アツだった。
当日、会場に入るとドレープがたっぷりかかった真紅のビロードのカーテンが目に飛び込む。舞台の壇上にはレッドカーペットまで敷かれ、ステージはどこまでも『SPAKLING NIGHT』仕様。場内には開演前からジョンヒョンを求めるハンドクラップが沸き起こり、それに応えるように正装をしたバンドメンバーが登場。本ツアーでは上手にドラムス、ベース、ギター、下手にキーボード、ブラス、男女ペアのコーラスと総勢7人からなる アンサンブルがジョンヒョンをサポート。CNBLUEとは対極にあるような大人っぽいムーディーな雰囲気に包まれた場内に、(本人曰く)大好きな緑色のスーツでビシッと決めたジョンヒョンが登場。ギターレスでセンターに立ち、ノーネクタイでシャツのボタンをラフに開けた胸元からは男の色気をたっぷり滲ませながら、聴こえてきたピアノに合わせて吐息交じりに“ハァ~ン”とフェイクを重ねると、客席からはものすごい悲鳴が!! リズムがジャジーにスウィングし始めると、2人のダンサーがジョンヒョンの両サイドで踊り出し、ライブは「Moonlight Swing」で華麗に幕開け。次に演奏したのはCNBLUEの「These days」。この日アルバム収録曲に加えて演奏したCNBLUEの曲はすべて、ソロアルバムに近づけたアレンジを施し、ここでしか聴けないサウンドでパフォーマンスしていた。「Call Me」で気分が徐々に高まってきたジョンヒョンは、ダンサーと一緒にステップを踏んで踊って見せ、客席を沸かせる。次の「Hate you」が始まると、今度は観客がものすごいハンドクラップで曲を盛り上げる。こうして、相互がどんどん高まってきたところで「I just need a...」は「みなさん、今日で最後なんだからでっかい声でお願いしますよ」とジョンヒョンにいわれ、“ラララ~”のコーラスを観客が大合唱。その声を浴びて気持ちようさそうに体をくねらせていたジョンヒョンは、オールファルセットで歌うサビパートがくるとこの日最上級のスイートボイスを披露し、声で会場を魅了。MCでは持ち前の日本人並のなめらかな日本語トークで「今日は(観客の歌う)声がでかくていい感じだから俺が怒らなくても(←いつもスパルタで観客を指導!)できそう」と褒めつつ「たまにツイッターとか見ると“私、ジョンヒョンが怒るのが好き”と書いてあるんですけど、ダメですから」といって観客を笑わせた。
中盤ではジョンヒョンがこの日初めてギターを持ち、アコギの弾き語りでCNBLUEの「IRONY」を披露。その後は場内が暗転。スクリーンを通して、スイス旅行をしたりスノーボード、釣りを楽しんでいるジョンヒョンのプライベート写真を公開。そうしてライブも後半にさしかかり、アルバムのトロピカルチューン「Pina Colada」が聞こえてくると、バンドもお客さんもすでにノリノリでこの曲の振りを踊っている。そこに、ジャケットを脱いだジョンヒョンがダンサーを引き連れて登場。お客さんを見ながらえくぼ満開の笑顔で、少し照れながらジョンヒョンも振りを踊る。どんどん会場が一つになっていくなか、CNBLUEの「Foxy」が始まると、観客の“フー!”の掛け声を聞いたジョンヒョンが「足りない」と指摘、客席からは“えぇ~”という声が。すかさず「いまの声の方が大きいじゃん! “フー!”じゃなくて“えぇ~”で歌わせますよ?」といってファンの大爆笑を誘った。
この後のMCコーナーでは「ポケモンがなかったら今ツアーのMC、できなかったですよ」といって、まだ韓国では未配信の“ポケモンGO”を日本でどれだけ満喫しているのかを楽しそうに伝え、「次は中学のときから好きでカラオケでいっぱい歌った曲」という紹介から尾崎豊の「I LOVE YOU」を韓国語でカバー。一人でスポットを浴びて目を閉じ、細かなビブラートを使いながら感情たっぷりに放つその繊細な歌声に、場内は水を打ったように静まり返る。両手を握りしめる人、涙を流す人、目を閉じて聞き入る人・・感動の余韻が広がるなか、次はジョンヒョンがエレキを持ち、「Nothing」ではギターでブルージーな泣きのフレーズを響かせる。その後、自分がこうしてソロでライブができることはすごいことだと昨日改めて思ったと話し出したジョンヒョン。「最初の頃は舞台に立つのが怖かったけど、CNBLUEとしてライブをたくさんやるうちに怖くなくなりました。今は普通の、楽な感覚でここに立てる。こんなに強い人間にしてくれたみなさんに感謝します」と本音をポロリ。そして「来年はもっとやりたい。今年30曲以上作ったんで、楽しみにしててください」と伝えた。
本編が終わり、“イ・ジョンヒョン”コールに呼ばれ、アンコールは「SHINE DROP」でスタート。CNBLUEの「STARLITE NIGHT」ではジョンヒョンが「あー、めちゃくちゃいい歌詞!」と自画自賛しながら客席を2つに分けて歌を競わせたりバンドメンバーにもリレーで歌わせるなど大はしゃぎ。演奏が終わり、最後にメンバー全員で挨拶をした後もアンコールが止まず、一人だけステージに残ったジョンヒョンがアカペラでCNBLUEの「a.ri.ga.tou.」を歌い出すと、客席はたちまち大合唱に包まれる。それに合わせてジョンヒョンがアコギで伴奏を加え、最後には“こちらこそありがとう”とアドリブで歌詞を変えてファンに感謝の気持ちを伝えた。これでアンコールを求める声はさらに高まり、今度はバンドも呼び込み、再び「Blind Love」を届けると場内は大興奮。ジョンヒョンもステージから客席のファンを呼び寄せ、マイクを渡して歌わせるなど、ジョンヒョン、バンドメンバー、ファン一同をSPARKLINGさせてライブは終了した。
【撮影:田中聖太郎】
【取材・文:東條祥恵】
リリース情報
SPARKLING NIGHT
2016年07月27日
ワーナーミュージック・ジャパン
M-2.Pina Colad
M-3.Moonlight Swing
M-4.Smile
M-5.I just need a...
M-6.I LOVE YOU
M-7.Nothing
M-8.Hate you
M-9.Call Me
M-10.Show Me More
セットリスト
イ・ジョンヒョン(from CNBLUE)
1st Solo Concert in Japan〜Welcome to SPARKLING NIGHT〜
2016.8.18@東京・国際フォーラムホールA
- M-1 Moonlight Swing
- M-2 These days
- M-3 Lucid dream
- M-4 Call Me
- M-5 hate You
- M-6 I just need a...
- M-7 Blind love
- M-8 Smile
- M-9 IRONY
- M-10 Pina Colada
- M-11 Foxy
- M-12 Show Me More
- M-13 I LOVE YOU
- M-14 Nothing
- M-15 Kimio
- M-16 voice
- EN-1 SHINE DROP
- EN-2 STARLITE NIGHT
- EN-3 a.ri.ga.tou.
- EN-4 Blind Love