フォーリミ・ブルエン・オーラル、シーンの俊英と呼ぶべき3バンドが一堂に会した一大イベント「ONAKAMA2016」を完全レポート!
ONAKAMA 2016 | 2016.09.07
新たな時代が動き出す瞬間に立ち会うかのような、実に得難い1日だった。いつか振り返ったとき、この日はきっと伝説と呼ばれる、大袈裟ではなくそんな予感さえする。8月25日、東京・新木場STUDIO COAST。04 Limited Sazabys、BLUE ENCOUNT、THE ORAL CIGARETTESが合同で主催した記念すべき初イベント“ONAKAMA 2016”だ。メジャーデビューもほぼ同時期ながら、そのずっと以前から対バンライブで交流を深め、互いに切磋琢磨してきたこの3バンド。ちなみにイベントタイトルの“ONAKAMA”とは“同じ釜の飯”の略語らしい。つまりは“同じ釜の飯を食った仲間同士”という意味なのだろう。
シーンの俊英と呼ぶべき彼らが同じステージに一堂に会する、この夢のような一大イベントを音楽ファンが見過ごすはずもなく、チケットの先行予約に殺到した応募数はなんと日本武道館3daysに匹敵するほどだったという。今回の会場となったSTUDIO COASTのキャパシティを考え合わせても、彼らに寄せられた期待値が実に桁外れに高いことが窺い知れる。競争率の壁を乗り越えて集った精鋭たちがひしめくフロアは空気が驚くほど若い。開演時刻が15時という夏休み設定もそれを反映してのものだろうか。
客席では邦楽ロック、ポップスの名曲がBGMとして次々に流れ、開演を待つオーディエンスをしばし和ませる。だが、ひとたび客電が落ちた途端、待ってましたとばかりに場内は狂騒の坩堝と化した。イベントのオフィシャルHPで事前に告知されていた通り、トップバッターを務めるのは04 Limited Sazabysだ。勢いよくステージに駆け込んできたRYU-TA(G.)を先頭に4人が姿を現わすと、早くもフロアのあちこちにサークルモッシュの輪が作られ、1曲目「monolith」のイントロが鳴るや否や、一気にはじけた。バンドも「Remember」「fiction」「cubic」と容赦なく畳み掛け、芯の太いバンド・アンサンブルに乗せて放たれるGEN(Vo.& B.)のクリーンなハイトーンボイスが興奮をさらに膨れ上がらせる。
「みんなの夏の思い出のいちばん濃い1ページにしてやろうと思います!」
GENの言葉に続いて披露されたのは9月14日リリースのニューアルバム『eureka』から「Warp」。まさに夏をさらに色濃くするようなアッパーチューンに客席がまた激しく蠢く。その後、「もう1曲、新曲やってもいいでしょうか!」とTHE ORAL CIGARETTESの「Mr.ファントム」のイントロからBLUE ENCOUNTの「もっと光を」になだれ込むという力技も。3バンドの仲のよさが垣間見られる、このイベントらしい一幕にオーディエンスも大喜びだ。
少し長めのMCの中で「ここに立ててるのはみんなのおかげ。“ONAKAMA”っていうのはバンドマンだけじゃなく、みんなのことだと思うんだ」と語り、「みんなでこのイベントを、ロックシーンを守っていきましょう」と呼びかけて「Buster call」で朗々と歌声を響かせたGEN。「ロックシーンの未来に光が射しますように」と最後は「swim」に願いを託して、フロアいっぱいに笑顔の花を咲かせた。
ステージ転換中、いきなりBGMに合わせて田邊駿一(Vo.& G.)が熱唱するなど、出番前からオーディエンスを沸かせにかかるBLUE ENCOUNT。しかしひとたび演奏が始まれば、メーターの針を振り切った熱きステージでぐいぐいとフロアを引っ張る。エモーショナルな「Survivor」から一転、ダンサブルなサウンドで客席を踊らせにかかった「D.N.K」の間奏では辻村勇太(B.)から江口雄也(G.)、高村佳秀(Dr.)へとソロをリレー、バンドとしての骨太さも印象づけると、「THANKS」「HEEEY!」と矢継ぎ早にアッパーチューンを投下。続く「JUMP」では場内一体となって建物全体を揺らす。かと思えば、MCでは「田邊のヘアスタイルが似合ってないと思う人!」と田邊自ら客席に問いかけ、まんまと満場の挙手に遭っては、むくれてステージを去るふりをしつつ、直後、袖にいたフォーリミのRYU-TAを連れてくるなどアットホームな笑いを誘うなど“らしさ”全開だ。
白眉は「もっと光を」だった。04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTESとの出会いを語り、「俺はこの2バンドに敵わないものがいっぱいある。でも、この2バンドとやればやるほど、俺らにも武器があるって身に沁みてわかります。俺らの武器は、あなたの隣で歌う覚悟。どんなにウザがられようが歌い続けるよ。あなたたちを仲間だと思ってるから」と一気に語りかけると、感情の昂りを叩きつけるかのようにアカペラでサビを歌い始める田邊。
「安心してぶちのめされてこい。俺らが、この3バンドがここで思いっきり手を広げて待ってるから」
そうして会場の2800人全員の大合唱が巻き起こる。この光景を希望でなくてなんと呼ぼうか。
あっという間に2時間が過ぎた。ステージの幕がゆっくりと開くと、そこにはTHE ORAL CIGARETTESの4人が楽器を構えて立っていた。
「ラストアクト、始めるぞ! オマエらも“ONAKAMA”です。遠慮はいらん、一緒に楽しもうぜ!」
開口一番、山中拓也(Vo.& G.)が叫ぶと、お馴染みの前口上から「STARGET」へとなだれ込み、場の空気を一瞬にして我がものとする。匂い立つ妖艶にして独特の世界。時折見せる山中のしなやかな手の動きや全体の仕草がフロアに魔法をかけていくかのようだ。サビの“♪廻る廻る 時代の裏側”では、あきらかにあきら(B.)がバレエダンサーのごとく右足を軸にくるくると回転、そんな場面にもハッとしてしまう。「初めての“ONAKAMA”、伝説の1日を作ろうぜ!」と力強く宣言、熱狂を加速させた「GET BACK」。「カンタンナコト」では、「誰の噂にも惑わされずに自分の目でしっかり確認しろ!」とメッセージし、ギターを外してマイクを握ると有言実行とばかり、いっそう自在に体を操ってはオーディエンスの目を釘付けにした。
「オーラル、フォーリミ、ブルエンはこの先、何があっても離れずに上を目指してやっていくバンドなんだと思う。オマエらのことを絶対裏切らない。周りから何を言われても俺ら、3バンドは絶対負けないから」
そう誓って演奏された「起死回生STORY」にロックバンドとしての矜持が宿る。続けて、これが本当の「Mr.ファントム」だ、と04 Limited Sazabysへの意趣返しも果たし、ついに迎えたラストナンバーは「狂乱Hey Kids!!」。「田邊も言ってたけど、いつでもここに逃げ込んでこい!俺らがずっと待ってるから。だって俺ら、“ONAKAMA”でしょ?」とはっきり告げた山中の言葉に、客席も全身全霊で応えた。このイベントを立ち上げた3バンドの想いがたしかに実を結んだ瞬間だった。
徹頭徹尾、夢と希望とリスペクトを貫き、志を具現化した純度の高いイベントだったとつくづく思う。「これで終わりだと思ったら間違いだからな!」、そう山中が残した言葉に期待せずにいられない。成長を遂げたこの3バンド、すなわち“ONAKAMA”が再び顔を揃える日を刮目して待つのみだ。
【撮影:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)】
ライブ 男性ボーカル 04 Limited Sazabys BLUE ENCOUNT THE ORAL CIGARETTES
セットリスト
ONAKAMA 2016
2016.08.25@新木場STUDIO COAST
<04 Limited Sazabys>
- 01. monolith
- 02. Remember
- 03. fiction
- 04. cubic
- 05. Warp
- 06. Chicken race
- 07. Any
- 08. midnight cruising
- 09. Buster call
- 10. swim
- 01. Survivor
- 02. D.N.K
- 03. THANKS
- 04. HEEEY!
- 05. JUMP
- 06. JUST AWAKE
- 07. ロストジンクス
- 08. DAY×DAY
- 09. もっと光を
- 01. STARGET
- 02. GET BACK
- 03. カンタンナコト
- 04. DIP-BAP
- 05. mist...
- 06. 嫌い
- 07. 起死回生STORY
- 08. Mr.ファントム
- 09. 狂乱 Hey Kids!!
お知らせ
<04 Limited Sazabys>
eureka tour 2016
2016/09/20(火) 千葉LOOK
2016/09/22(木) 水戸LIGHT HOUSE
2016/09/24(土) HEAVEN’S ROCK宇都宮
2016/09/25(日) 高崎 club FLEEZ
2016/09/28(水) F.A.D YOKOHAMA
2016/09/30(金) 北浦和KYARA
2016/10/06(木) 豊橋club KNOT
2016/10/07(金) 松阪M’axa
2016/10/09(日) 岐阜CLUB-G
2016/10/10(月) 浜松窓枠
2016/10/13(木) 北見 ONION HOLL
2016/10/15(土) 旭川CASINO DRIVE
2016/10/16(日) 帯広MEGA STONE
2016/10/22(土) 秋田club SWINDLE
2016/10/23(日) 盛岡club change WAVE
2016/10/27(木) 富山Soul Power
2016/10/28(金) 金沢Eight Hall
2016/10/30(日) 長野CLUB JUNK BOX
2016/10/31(月) 甲府KAZOO HALL
2016/11/02(水) 京都MUSE
2016/11/09(水) 滋賀U☆STONE
2016/11/10(木) 神戸太陽と虎
2016/11/12(土) 周南RISING HALL
2016/11/13(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2016/11/17(木) 徳島club GRINDHOUSE
2016/11/19(土) 高知キャラバンサライ
2016/11/20(日) 松山WstudioRED
2016/11/23(水) 宮崎WEATHER KING
2016/11/24(木) 鹿児島CAPARVO HALL
2016/11/26(土) 熊本B.9 V1
2016/11/27(日) 佐賀GEILS
eureka tour 2016-2017 〜oneman series〜
2016/12/07(水) Zepp Tokyo
2016/12/09(金) 仙台 Rensa
2016/12/11(日) Zepp SAPPORO
2016/12/16(金) 新潟 LOTS
2017/01/07(土) 高松オリーブホール
2017/01/13(金) 広島 CLUB QUATTR
2017/01/15(日) 福岡 DRUM LOGOS
2017/01/20(金) なんば Hatch
2017/01/22(日) Zepp Nagoya
2017/02/11(土) 日本武道館
<BLUE ENCOUNT>
“武道館!応援しとるけん、頑張らなんばい! ほんで、次は武道館ちゃうんちゃう?大阪城ホールちゃうん?@大阪城野音”
2016/09/09(金) 大阪城野外音楽堂
9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”
2016/09/18(日) 熊本 B.9V1
2016/09/19(月・祝) 福岡 DRUM LOGOS
LIVER’S 武道館
2016/10/09(日) 日本武道館
<THE ORAL CIGARETTES>
唇対バンTOUR 2016〜キラーチューン祭り巡業行脚の巻〜
2016/10/05(水) 奈良NEVER LAND
2016/10/06(木) 兵庫 ART HOUSE
2016/10/08(土) YOKOHAMA Bay Hall
2016/10/12(水) 小樽GOLDSTONE
2016/10/15(土) 福島Hip Shot Japan
2016/10/16(日) 山形ミュージック昭和Session
2016/10/18(火) 高崎clubFLEEZ
2016/10/20(木) EIGHT HALL
2016/10/25(火) Live House 浜松 窓枠
2016/10/27(木) CARAVAN SARY
2016/10/29(土) 熊本 B.9 V1
2016/10/30(日) 小倉LIVE SPOT WOW!
2016/11/01(火) LIVE rise SHUNAN
2016/11/03(木・祝) 倉敷 REDBOX
2016/11/15(火) Zepp NAGOYA
2016/11/16(水) なんばHatch
2016/11/22(火) Zepp TOKYO
その他のライブ情報・詳細は各オフィシャルサイトをご覧ください。