RIZE・THE ORAL CIGARETTES・VAMPS、日本を代表する豪華ロックアーティストが集結したNHK『J-MELO』500回記念イベント
RIZE,THE ORAL CIGARETTES,VAMPS | 2016.10.06
24時間英語チャンネルとして日本やアジアの情報を全世界に向けて放送している、NHKワールドTVおよびBSプレミアムで好評オンエア中の音楽番組『J-MELO』、その放送500回を記念し、9月21日、東京・Zepp DiverCity Tokyoにて開催されたのが今回のライブイベント“J-Rock Live to the World2016 ~J-MELO 500 Anniversary~”だ。ポップス、ロックを始め、多様性に富んだ日本の音楽を世界に発信する番組の主催とあって、出演アーティストもRIZE、THE ORAL CIGARETTES、VAMPSと実に豪華。日本国内での絶大な人気はもとより、海外でも評価の高いこの3バンドが一堂に会する機会などそうあるものじゃないだろう。凄まじい競争率の壁を突破し、チケットをもぎ取った猛者たちで埋め尽くされた場内には期待がそのまま熱気となって渦巻いている。
オープニングアクトのASH DA HEROが型破りに熱いステージを展開、続いて『J-MELO』の司会を務めるMay J.が登場すると、彼女の新曲であり番組のオープニングテーマでもある「Have Dreams!」を英語バージョンで歌い上げ、フロアのテンションをグッと上昇させる。
温まり切った空気の中、一番手として現われたのはRIZEだ。瞬時にして爆発する熱狂、いきり立つオーディエンスを「PARTY HOUSE」の前のめりなギターリフが片っ端からなぎ倒す。轟音が頭上から間断なく降り注ぐと同時にみぞおちをも抉りにかかられるような衝撃、2階席の椅子までビリビリと震わせる音圧に圧倒されてしまう。息つく間もなくなだれ込んだ「NOTORIOUS」では間奏中、マイクをステージ床に放り、タトゥーがびっしりと施された上半身を露にしたJESSE(Vo.& Gt.)。捲し立てるようでいて、一言一句をオーディエンスの胸に打ち込んでいくそのラップはまるで鋼の楔のようだ。
「500回記念、どうでもいいでしょ。なぜならまだまだ続くから。俺は1000回記念をスゲー!と思いたい」
番組に対し、彼ら流の祝辞を贈ると「目に見えないものを信じさせたいなと馬鹿みたいに本気で思って人生懸けてます」とJESSEは信念を口にし、死者へ捧げる想いを歌ったロカビリータッチの「GHOST」に突入。10月26日に配信限定リリースが決定した新曲「ONE SHOT」では今年、結成20周年を迎えたRIZEの現在進行形で今なお進化する勇姿を見せつけたかと思えば、これまでの道のりを支えてくれたファン、すなわち“RIZER”のために「本気の昔の曲を」と「日本刀」を披露し、まるで錆びない楽曲の力を証明する。ラストの「カミナリ」では男性ファンをひとりステージに上げ、「全世界に見せてやれ!」とマイクを預けたり、ギターを抱えたままJESSEが背中からフロアに飛び込む場面も。もちろんオーディエンスはがっちりキャッチ、固く結ばれた信頼関係を存分に伺わせた。
のっけから圧巻でしかないステージを引き継いだのは若手バンドの先鋭、THE ORAL CIGARETTESだ。登場SEとともに姿を見せると山中拓也(Vo.& Gt.)はギターをひと撫でし、「ヤバい!緊張してる、俺!」といきなり告白する。そうして、「俺が音楽をやるきっかけを作ってくれたボーカリストと、ずっとヒーローだって信じさせてくれてるボーカリスト、そのふたりの間でTHE ORAL CIGARETTES、始めさせていただきます!今日は夢みたいな1日、絶対に負けねぇ!」と不敵に宣言し、オーラルのライブではお馴染みの口上にJ-MELOの500回記念を祝した一節を交えて、「気づけよBaby」で昂揚の口火を切った。メロディアスにほとばしるアンサンブル、どこか雅で艶やかな山中の歌声が伸びやかに空間を渡る。頼もしさと初々しさの両方をたたえたパフォーマンス、その飛び抜けたオリジナリティは彼らのファン以外のハートをも揺さぶった。「STARGET」では2曲目にしてTHE ORAL CIGARETTESのみならず、RIZE、VAMPSそれぞれのタオルがフロア一面に回り、「起死回生STORY」ではオーディエンス全員を巻き込んでの大合唱に沸いたのが、その証拠だ。
「小4のときにhydeさんの歌に初めて触れた。対バンできるなんて思ってもなかった。RIZEには中学でどハマりして、『池袋ウエストゲートパーク』にRIZEが出たときは失神しそうになった。それぐらい好きなバンドに挟まれて“いいのかな”とも思ったけど、ステージに上がったら、もう一緒やな。今日はしっかり胸を張って、ここで一緒にやりたいと決意して来ました」
予てよりL’Arc~en~Cielファンを公言している山中だから、ここは敢えて“hyde”と書こう。地元の奈良弁を交えながら語る先輩バンドへのリスペクトとまっすぐな覚悟が客席にも伝わる。人に頼るのではなく、自分から発信することの大切さを思って書いたという新曲「DIP-BAP」から、ラスト「狂乱Hey Kids!!」まで、文字通り狂乱の後半戦を駆け抜け、バトンを堂々、VAMPSへと手渡した。
ただならぬサイレンの音にフロアがざわめく。サポートメンバーとK.A.Z(Gt.)に続いて、黒いパーカーのフードを深くかぶり、拡声器を手にHYDE(Vo.& Gt.)が登場すると歓声はますますボリュームを上げた。世界配信された最新シングル「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」で始まった演奏はオーディエンスの狂騒を引き連れ、曲を追うごとに激しさを極める。「DEVIL SIDE」では曲の冒頭から場内いっぱいにクラップが鳴り渡るや、ヘッドバングでフロアが大きく波打ち、まるで沸騰した水面のごとく次から次へとクラウドサーファーが果敢に観客の頭上を転がっていくカオス。VAMPSにとっては日常茶飯事の光景ながら、対バンによる熱がステージにもオーディエンスにも興奮を加速させたことは間違いない。一方、中盤では切々とエモーショナルに迫る「SECRET IN MY HEART」、流麗なピアノの音色も印象的な一大バラード「VAMPIRE’S LOVE」とアグレッシブ一辺倒ではない懐深い音楽性も垣間見せ、オーディエンスを陶酔へと導く。
「『J-MELO』500回、すごいね。僕は海外で観ることが多いんですけど、安心してリラックスして観られるしホント癒されますね。今日は出られて光栄です。トリってことで、はっちゃけねぇと帰れねぇぞ。みんなでひとつになろう!」
HYDEの号令一発、怒涛の「BLOODSUCKERS」でフロアは再び狂喜の坩堝と化した。「AHEAD」でも容赦なく「日本人のすげぇところ、見せてやろうぜ!」と煽りに煽るHYDE、K.A.Zが放つエッジの立ったリフもそれを後押しする。奔放に暴れ回る彼らを追いかけるムービーカメラへのサービスも忘れないステージングは、2008年に結成以来、国内外合わせて400本超ものライブ本数を誇るVAMPSのまさしく本領発揮。アンコールのラスト「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」まで右肩上がりのカタルシスをオーディエンスにもたらし、イベントの余韻をいつまでも反芻させた。
なお、このイベントの模様は後日、“J-MELO 500 Live Special"として『J-MELO』にて各バンドごとに放映される。NHKワールドTVは無料アプリでも観られるという。この機会にぜひチェックしてほしい。
【取材・文:本間夕子】
【撮影:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)】
セットリスト
J-Rock Live to the World 2016〜J-MELO 500 Anniversary〜
2016.9.21@Zepp Divercity
ASH DA HERO(オープニングアクト)
- 1.You Gotta Power
- 2.WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
- 3.反抗声明
- 1.PARTY HOUSE
- 2.NOTORIOUS
- 3.KAMI
- 4.GHOST
- 5.ONE SHOT
- 6.日本刀
- 7.Gun Shot
- 8.カミナリ
- 1.気づけよBaby
- 2.STARGET
- 3.起死回生STORY
- 4.嫌い
- 5.マナーモード
- 6.DIP-BAP
- 7.カンタンナコト
- 8.狂乱 Hey Kids!!
- 1.INSIDE OF ME
- 2.DEVIL SIDE
- 3.COUNTDOWN
- 4.EVIL
- 5.SECRET IN MY HEART
- 6.VAMPIRE’S LOVE
- 7.BLOODSUCKERS
- 8.AHEAD
- 9.LOVE ADDICT
- EN1.RISE OR DIE
- EN2.SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
お知らせ
RIZE
RIZE TOUR 2016 "RIZE IS BACK"
2016/11/08(火) 仙台Rensa
2016/11/10(木) 札幌PENNY LANE24
2016/11/15(火) なんばHatch
2016/11/17(木) 名古屋DIAMOND HALL
2016/11/23(祝・水) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2016/11/24(木) 福岡DRUM LOGOS
2016/11/27(2016/) Zepp DiverCity TOKYO
THE ORAL CIGARETTES
唇対バン TOUR 2016
〜キラーチューン祭り巡業行脚の巻〜
2016/10/05(水) 奈良NEVERLAND
2016/10/06(木) 兵庫 ART HOUSE
2016/10/08(土) YOKOHAMA Bay Hall
2016/10/12(水) 小樽GOLDSTONE
2016/10/15(土) 小樽GOLDSTONE
2016/10/16(日) 山形ミュージック昭和Session
2016/10/18(火) 高崎clubFLEEZ
2016/10/25(火) Live House 浜松 窓枠
2016/10/27(木) 高知 CARAVAN SARY
2016/10/29(土) 熊本 B.9 V1
2016/10/30(日) 福岡 LIVE SPOT WOW!
2016/11/01(火) 山口 LIVE SPOT WOW!
2016/11/03(木・祝) 倉敷 REDBOX
VAMPS
VAMPS North American Tour 2016
With Special guest Citizen Zero
2016/11/06(日) San Francisco, CA / Social Hall SF
2016/11/07(月) Los Angeles, CA / El Rey Theater
2016/11/10(木) Mexico City, Mexico / Teatro Metropolitan
2016/11/13(日) New York, NY / Irving Plaza
2016/11/14(月) Toronto, ON / Lee’s Palace
2016/11/15(火) Chicago, IL / Bottom Lounge
※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。