名古屋発のエンターテイメント集団BOYS AND MEN、念願成就の日本武道館公演をレポート!
BOYS AND MEN | 2017.01.18
出し惜しみなど一切なし、清々しいほどの全部入り。お正月の締めくくり、松納めとなるこの日に満を持して届けられた特大の福袋と言ってもいいかもしれない。1月7日、いよいよ迎えたBOYS AND MEN初にして念願成就の日本武道館ライブは徹頭徹尾、彼ららしさが貫かれた、がむしゃらにエンタテインメントなステージだった。
“夢は諦めなければ必ず叶う”、そんな強い想いを胸に刻み、名古屋発のエンターテイメント集団として全国制覇を旗印に2010年に結成、ゼロから活動をスタートした“ボイメン”ことBOYS AND MEN。日々のたゆまぬ研鑽を積みながら着実に活躍のフィールドを広げてきた彼らの、その全力で夢を追い求める姿勢が多くの共感を集め、今や東海地方全域にその名が知れ渡るまでの存在となった。メジャーレーベルとの専属契約も果たした昨年は日本レコード大賞新人賞をも受賞、年頭に掲げた目標を見事達成してみせたのだから、その勢いたるや推して知るべし。明けて2017年一発目のライブとなるこの“BOYS AND MEN LIVE 2017 in 武道館~One For All,All For One~”は彼らにとって叶えた夢の証でもあっただろう。
彼らの歴史の中でも大きな節目となるだろう武道館の舞台にあって、けれどその格式にまるで臆することなく、むしろ進んで胸を借りにいく大胆さ、伸びやかさこそがボイメンの身上。ニューアルバム『威風堂々~B.M.C.A.~』のインタビューでも「普通の武道館ライブとはまた違ったもの、僕たちにしかできないエンタテインメントを見せたい」とリーダーの水野勝も意気込みを語ってくれてはいたが、とはいえ、まさかコントがオープニングとはまんまと意表を突かれたではないか。しかしながら、本番を前に小林豊が行方不明になるという設定の下、警部役の水野とその部下の刑事を演じる辻本達規がボイメンメンバーに聞き込みを行ない、事件の解明に当たるという虚実の入り混じったそのコントは、10人それぞれのキャラクターが絶妙にデフォルメされており、初めて彼らに触れる観客にもその関係性や役割が実にわかりやすく伝わる。そうして誰ひとり置き去りにすることなく、あっという間にボイメンの世界に引き込んでしまうのだから強い。
その後、改めて幕開けたステージ。1曲目「男は歌舞いて花となれ」では和傘と扇子を用いたダイナミックかつ雅なパフォーマンスで拍手喝采を浴びたかと思えば、続く「グッジョブ!ムチューマン」ではステージセットの上段に5人、下段に5人というフォーメーションで次々に歌をリレー、めまぐるしく動くピンスポットを追いかけるオーディエンスの視線を不敵に惑わす。客席との掛け合いも楽しい「ヤンファイソーレ」に、ひとり一人のキャッチフレーズと武道館仕様のコールが場内を沸かせた「Fight&Fire」とのっけからアッパーに全力全開。名古屋グルメを歌にした「なごやめしのうた」では後輩となるBOYS AND MEN研究生たちがチアガールに扮して登場し、いっそうド派手に盛り上げては息つく隙さえ与えず、また「Wanna be!」「チョコレートプリンス」ではガラリとイメージチェンジ、10人揃って貴公子を彷彿させる真っ白な衣装に着替えて、武道館全体が魅惑の乙女ゲーム状態に。
中盤、王子様モードからまたしても一転、水野が寺の住職、残る9名が小坊主となって“一休さんゲーム”でリズム感を競い合ったり(ちなみに優勝は本田剛文)、スクリーンを使って往年の音楽番組『ザ・ベストテン』をパロディ化した『ボイメンベストテン』を流しては誠(本田、平松賢人、勇翔、土田拓海、吉原雅斗からなるグループ内ユニット)の楽曲「Lovely Monster」をYankee 5(水野、辻本、小林、田中俊介、田村侑久からなるグループ内ユニット)が入れ替わりで歌い、反対にYankee 5の持ち曲「バリバリヤンキーロード」を誠の5人が、加えてBOYS AND MENの「ニッシンゲッポー」を研究生がパフォーマンスするという新鮮なサプライズ演出も。「雫」での刀さばきや、忍者となった研究生をボイメンメンバーがそれぞれの持ち技でいなした「BOYMEN NINJA」など曲前の殺陣もため息が出るほど美しく、その鍛え抜かれた躍動感に圧倒される。
彼らの歩んできた道のりがリアルに紡がれた彼らのテーマソングとも呼ぶべき「One For All, All For One~夢は叶えるもの~」、レコ対新人賞受賞曲となった「YAMATO☆Dancing」で終了した本編。アンコールを求める声が場内いっぱいに響くと、応えるようにしてふとスクリーンに映像が映し出された。しかもメンバーの生着替え中継だったのだから、オーディエンスが色めき立たないはずがない。ますます大きくなる歓声に導かれるようにして再びステージに現われた10人。「まだやってない曲がありますよね」と水野が問いかければ、客席にも俄然スイッチが入る。はじけた銀テープが合図となって、観客とステージとが一緒になって歌い踊るは最新シングル「GO!! 世侍塾 GO!!」。「ヤングマン~B.M.C.A.~」はおそらくこの日いちばんの一体感を生み出したに違いなかった。 「地方と言われる名古屋で、何もないところから一歩一歩やってきた僕たちがここに立てたのは僕たちを応援してくださったみなさんのおかげ。“アイツらはやる”って信じてくれたからこそ、ここに立ててるんだと思ってます。そういう意味でも今日というワンステージの重みは違うと思うし、誇りを持っています」
一言一句を噛み締めるような水野の言葉が「POWER OF DREAM」に宿ったエネルギーをいっそう増幅させる。武道館いっぱい、高まりに高まった熱い感情はダブルアンコールの「We never give up -もう一度-」でついに決壊した。“♪いつか 立つと決めてた 憧れのSTART LINE”“♪俺はこの場所で 約束を果たすよ”、10人の合唱がかけがえなく胸に響く。 「この会場に連れてきてくれたのは社長、スタッフさん、ファンのみんな、そして、こんな俺らをずっとずっと支えてくれたオマエだよ、勝! ありがとう!」
曲の途中でそう叫んだ田中。途端に水野の瞳から大粒の涙がポロポロとこぼれた。リーダーの元に全員が集まって、肩を組んで揺れる。なんと綺麗な光景だろうか。
曲が終わると気を取り直し「俺じゃねぇよ、みんなで来たんだよ」と水野。「いやいや、オマエがリーダーじゃなかったら来れてねぇんだよ」「だから、やめろよ~」と田中と水野がやり合っている横で唐突に「武道館が終わっちゃうよ~」と泣きだした平松に大爆笑が起こる。「また来りゃいいじゃん。武道館、お1人様1回限りじゃねぇだろ!」と辻本に発破をかけられ、「それはそう~」と応えるのがまた可笑しい。また来ますって言おうよ、言霊でさ、とメンバーに励まされて絞り出したヨレヨレの「また来ます……」に再び大爆笑だ。ボイメンのこういうところがたまらなくいい。
その後、所属事務所社長までもが登場し、2月より47都道府県ツアーが開催されることを発表。客席がうれしいニュースに沸き返る中、研究生も呼び込んで最後に「Change for Chance」で大団円。実に3時間を超える圧巻のステージで、新たなる夢へのスタートを切った。
【取材・文:本間 夕子】
リリース情報
威風堂々~B.M.C.A.~[初回限定盤]
2016年12月14日
ユニバーサルミュージック
1.GO!! 世侍塾 GO!!
2.まえのめりMinority
3.YAMATO☆Dancing
4.男は歌舞いて花となれ
5.BOYMEN NINJA
6.FAKE
7.シアワセアンテナ
8.Clear Snow
9.One For All, All For One ~夢は叶えるもの~
10.ヤングマン~B.M.C.A.~
全10曲収録
<DVD>
GO!! 世侍塾 GO!! -Music Video-
GO!! 世侍塾 GO!! -Music Video (Dance ver.) -
YAMATO☆Dancing -Music Video-
YAMATO☆Dancing - Music Video (Dance ver.) -
GO!! 世侍塾 GO!! -Making -
「BOYS AND MEN 真夏の強化合宿!ボイメンがもっと好きになっちゃうツアー2016」@愛知センチュリーホール(8.11)
Fight & Fire
Voyager
<アジアメドレー>
グッジョブ!ムチューマン
BOYMEN NINJA
RETURNER
零
なごやめしのうた
One For All, All For One ~夢は叶えるもの~
YAMATO☆Dancing
セットリスト
BOYS AND MEN ライブ2017in 武道館
One for All, All for One
2017.1.7@日本武道館
- 01.男は歌舞いて花となれ
- 02.グッジョブムチューマン
- 03.ヤンファイソーレ
- 04.Fight&Fire
- 05.なごやめしのうた
- 06.ARC of Smile!
- 07.まえのめりMinority
- 08.ALIVE!(BMK)
- 09.Wanna be!
- 10.チョコレートプリンス
- 11.ボクたちのONE
- 12.Lovely Monster
- 13.バリバリヤンキーロード
- 14.ニッシンゲッポー(BMK)
- 15.雫
- 16.BOYMEN NINJA
- 17.ドドンコ Don’t worry
- 18.One For All, All For One~夢は叶えるもの~
- 19.YAMATO☆Dancing
- 20.GO!! 世侍塾 GO!!
- 21.ヤングマン~B.M.C.A.~
- 22.POWER OF DREAM
- 23.We never give up
- 24.Chance for Change
お知らせ
社長がラジオで言ったから有言実行!47都道府県ツアー
2/18 岐阜 CLUB ROOTS
2/24 群馬 高崎club FLEEZ
2/25 千葉 千葉LOOK
2/26 神奈川 新横浜NEWSIDE BEACH!
2/27 東京 新宿BLAZE
3/1 石川 金沢AZ
3/2 福井 福井CHOP
3/4 北海道 札幌PANNY LANE 24
3/7 静岡 清水SOUND SHOWER ark
3/8 茨城 水戸LIGHT HOUSE
3/9 栃木 HEAVENS ROCK Utsunomiya
3/10 埼玉 HEAVENS ROCK さいたま新都心
3/14 奈良 奈良NEVER LAND
3/15 和歌山 和歌山 CLUB GATE
3/16 兵庫 神戸VARIT
3/19 京都 京都KYOTO MUSE
3/20 岡山 岡山CRAZYMAMA KINGDON
3/22 香川 高松MONSTER
3/24 愛媛 松山SALONKITTY
3/25 徳島 徳島club GRINDHOUSE
3/26 高知 高知X-pt.
3/29 滋賀 滋賀U☆STONE
3/30 新潟 新潟Live Hall GOLDEN
3/31 山形 山形ミュージック昭和 Session
4/1 秋田 秋田Club SWINDLE
4/2 岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
4/3 青森 青森QUARTER
4/5 宮城 仙台darwun
4/6 福島 郡山CLUB♯9
4/7 山梨 山梨CONVICTION
4/8 長野 長野CLUB JUNK BOX
4/11 鳥取 米子AZTiC laughs
4/12 島根 松江AZTiC canova
4/13 広島 広島cave-Be
4/15 山口 周南RISING HALL
4/16 大分 大分DRUM Be-0
4/18 長崎 長崎DRUM Be-7
4/19 福岡 福岡DRUM Be-1
4/20 佐賀 佐賀GEILS
4/21 熊本 熊本B.9 V2
4/22 鹿児島 鹿児島CAPRVO HALL
4/23 宮崎 WEATHER KING
4/29 沖縄 桜坂セントラル
5/4 三重 松坂MAX’A
※愛知・大阪会場は後日発表
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。