夜の本気ダンス、新体制で臨んだ全国ツアー“Too Shy A Key TOUR 2017”。
夜の本気ダンス | 2017.02.09
昨年10月に西田一紀(Gt)が加入し、新体制となった夜の本気ダンス。全国ツアー『Too Shy A Key TOUR 2017』は、彼らの圧倒的な存在感を各地で示すための機会となった。そして迎えたファイナル公演・Zepp DiverCity(TOKYO)公演は、チケットがソールドアウト。エネルギッシュなダンスと、天井知らずの興奮が湧き起ったライブの模様をレポートする。
SEが流れ、ステージの背景で青く輝いた“夜の本気ダンス”というバンドロゴ。そして、ゆっくりと歩きながら登場した西田一紀(Gt)、マイケル(Ba)、鈴鹿秋斗(Dr)……最後に米田貴紀(Vo、Gt)が現れると、激しいドラムの連打が先陣を切り、「Without You」がスタートした。艶めかしいメロディ、極上のビートを受け止めながら、夢中になって飛び跳ねて踊る観客のエネルギーが尋常ではない。続いて「WHERE?」と「Oh yeah」も放たれ、グングン上昇した会場内の気温。外は空っ風が吹く極寒だが、瞬く間に夏フェスを先取りしたかのような熱気に到達したオープニングだった。
「京都のバンド、夜の本気ダンスです」と米田が挨拶したあと、マイクを手にして立ち上がった鈴鹿。「お待たせしました。ほんまはもっと早く言いたかったんやけど、あけましておめでとう。今年もよろしく! 今から最高の年になるように、ホップ・ステップ・ジャンプしたいんですけど、準備できてますか?」。彼が元気いっぱいに呼びかけて突入したのは「By My Side」。サビに差し掛かると、一斉にジャンプして踊る観客によって、フロアがグラグラと揺らいだ。長い髪を揺らしながらギターソロを奏でる西田がかっこいい。今回のツアーは彼のお披露目公演的な意味合いも帯びているが、すでに夜の本気ダンスに欠かせない存在となっていることを実感させられた。
マイケルによるダイナミックなベースプレイからスタートした「Feel so good」。ギターを置いて身軽になった米田が、軽快にステップを踏みながら歌う姿が目を引いた。不敵に光る眼鏡、トレードマークとなっているストライプのシャツ、躍動するスリムなシルエット……彼に釘付けとなった観客の興奮ぶりが、ますますすさまじい。そして、迎えたインターバル。マイケルがメンバーを紹介した。「真ん中のストライプの彼が米田貴紀。身長180cm、体重56kg。好きなタイプ、きりっとした色気のある、北川景子さんのような女性。続きまして、昨年10月に入りました西田一紀。身長178cm、体重58kg。好きなタイプ、黒髪の似合う、目のパッチリした、オードリー・ヘップバーンのような人です」。途中までは真面目にやっていたのだが、鈴鹿の紹介から突然ふざけ始めて、観客を大いに笑わせていた。そんなMCタイムを挟んでから「for young」の演奏がスタート。掲げた腕を揺らしながら踊る観客の姿が実に楽しそう。マイケルが「毎度!」と叫んだのに対して「毎度!」と返すコール&レスポンス、通称“毎度&レスポンス”も交わされ、最高の一体感が生まれていた。
「僕もみんなとコール&レスポンスやりたいんだけど。僕が歌ったあと、その歌詞を返してくれますか?」と米田が呼びかけ、「大好きなんだぞ東京」「恋してるんだぜ東京」、そして、「踊り足りないんだ東京」「愛してるんだぜ東京」というコール&レスポンスを起こした「DookieMan」のあと、再びMCタイムとなった。いろいろツイていない出来事が続いたので、奈良の春日大社へ初詣に行ったのだという近況を語った鈴鹿に続き、マイクを手にしたのは西田。「初めまして」と挨拶をしたのだが、鈴鹿が「地鳴りかと思った!」と言うくらいの低音ボイスがとても渋い。「ツアーで8ヵ所を回って、大体第1声でお客さんざわつく(笑)」と照れくさそうにしていた西田の姿がかわいらしかった。
「もっと踊れますか? 長時間、踊れますか? OK! 夜の本気ダンスタイム!」と米田が叫んで、「Japanese Style」がスタート。この曲を皮切りに突入したダンスタイムは、濃厚極まりないひと時となった。「fuckin’ so tired」「Only nineteen」「B!tch」「You gotta move」「Logical heart」……強力なナンバーが惜しげもなく連発され、アドレナリンの分泌腺を刺激されまくっていた観客。熱いサウンドを奏で続けるステージ上のメンバーたちが、とてつもなく神々しく見えた。
繰り返される♪意識は走馬灯♪というフレーズに耳を傾けているうちに、夢見心地の恍惚状態へと巻き込まれた「Dance in the rain」。この曲が会場内を幻想的なムードで包んだあと、メンバーたちはツアーファイナルをZepp DiverCityで迎え、チケットがソールドアウトしたことへの喜びを語った。所属レコード会社を支えていくことを宣言し、「短い時間で楽しむのは難しいけど、それをやってのけるのが、夜の本気ダンス!」と力強く語っていた鈴鹿。「2階席も見えてるよ。これ、本気の眼鏡。ダテじゃないんで(笑)」と、米田も実にうれしそう。そして、「LIBERTY」を皮切りに雪崩れ込んだ終盤も、パワフルなサウンドが炸裂し続けた。「Only Seventeen」「escape with you」「Show down」……。観客が一体となって踊りまくるフロアには、沸騰した鍋のような熱気が渦巻いていた。「本気のダンスを見せてくれますか? いや、違うなあ。クレイジーになれますか、皆さん?」、米田が呼びかけたのを合図にスタートした「Crazy Dancer」。ミラーボールが光の粒子を放つ真下で踊りまくる観客の姿が美しい。音楽に身を任せて踊る幸福感に溢れた本編ラストの曲であった。
アンコールを求める手拍子を浴びながらステージに現れたマイケルと鈴鹿。ツアーグッズの紹介をしたふたりの軽妙なやり取りが楽しい。“MCモンスター”と呼ばれている鈴鹿に続き、マイケルも“MCモンスター2世”となりつつあることを感じた。そして、米田と西田も登場して演奏へ。「上に跳べますか?」という米田の呼びかけによって力強いジャンプが起こった「LOVE CONNECTION」。まるで万歳をするかのように両腕を振り上げながらダンスをする人々の輪が広がった「Fun Fun Fun」……2曲を披露すると、メンバーたちはステージから去った。しかし、鳴りやまない手拍子に応えて、ダブルアンコールへ。
「このツアー、もっと続けばいいなあと思ったりして……もう1回ツアーしていいですか?」と、2017年第2弾の全国ツアーが決定したことを発表した鈴鹿。そして、「どうせなら最後は騒いで終わりたいですよね? そういう曲、欲しがってますか?」と米田が観客に呼びかけて、ラストに披露したのは「戦争」だった。完全燃焼を目指して踊りまくる人々の発汗がもはやただごとではない。しかし、誰も彼もが爽やかな表情を浮かべている。「ゆっくりでいいので、その場に座れますか?」と言い、途中で観客をしゃがませた米田。彼の「踊れ!」という言葉を合図に人々が一斉に立ち上がった光景は壮観! 一体感に満ちた会場内を眺めながら、ステージ上の4人は一層エモーショナルにサウンドを鳴り響かせていた。
演奏終了後は、客席を背景にして記念撮影。そして、「お足元のいいなか、お越しいただきありがとうございます。2017年が最高の年になりますように1本締めで」、鈴鹿による1本締めで終演を迎えた。ステージから去って行くメンバーたちも、観客もとても満足そう。元々ライブの素晴らしさに定評のある夜の本気ダンスだが、ますます無敵になっていることを示したツアーファイナルであった。
【カメラマン:浜野カズシ】
【取材・文:田中 大】
リリース情報
Without You / LIBERTY
2016年12月07日
ビクターエンタテインメント
2.LIBERTY
3.Only Seventeen (Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)
4.夜に本気ダンス (Live at Ebisu Liquidroom_2016.07.15)
セットリスト
Too Shy A Key TOUR 2017
2017.1.27@Zepp DiverCity(TOKYO)
- 01.Without You
- 02.WHERE?
- 03.Oh year
- 04.By My Side
- 05.Feel so good
- 06.for young
- 07.DookieMan
- 08.Japanese Style
- 09.fuckin’ so tired
- 10.Only nineteen
- 11.B!tch
- 12.You gotta move
- 13.Logical heart
- 14.Dance in the rain
- 15.LIBERTY
- 16.Only Seventeen
- 17.escape with you
- 18.Show down
- 19.Crazy Dancer
- 20.LOVE CONNECTION
- 21.Fun Fun Fun
- 22.戦争
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2017/06/17(土) 札幌 PENNY LANE 24
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※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。